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=== 白人説 ===
鬼の正体が[[白人]]であるとの説がある。確かに、鬼の代表格とも言える鬼の正体が白人であるとの説がある。確かに、鬼の代表格とも言える[[酒呑童子]]は、現存最古と言われる絵巻(『大江山絵巻』、南北朝時代か)の中でも、髪は茶色で、眼も明るい色をしている。赤い肌は日焼けの比喩と考えられる。また、体格も非常に大きい<ref>中村昻, 2015, pp105-106</ref>。
江戸時代には既に、鬼が海外より日本に上陸した海賊ではないかという俗説があり、明治時代には、やはり俗説として鬼=ロシア人説があった<ref>村上政市, 1997, p6</ref><ref>中村昻, 2015, pp15-19</ref>。現代においても鬼の白人説は一部には根強く信じられている<ref>村上政市, 1997, p6</ref><ref>中村昻, 2015, pp15-19</ref>。手塚治虫は、この説を元に漫画作品『鬼丸大将』を描いている<ref group="*">主人公の父親は白人(ローマ人)で、奴隷として船に乗せられていたところを抜け出し、日本に流れついて、現地の日本人から「鬼」と認識されたという設定になっている。</ref>。
一方、近年の、[[人類学]]の一分野である[[分子人類学]]の発展により、[[日本人]]の[[遺伝]]的組成が次第に調査されて来ると、それらの調査研究の一部に、日本人の中に白人系由来の[[遺伝子]]がわずかながら存在している可能性を指摘する研究が出て来ている一方、近年の、人類学の一分野である分子人類学の発展により、日本人の遺伝的組成が次第に調査されて来ると、それらの調査研究の一部に、日本人の中に白人系由来の遺伝子がわずかながら存在している可能性を指摘する研究が出て来ている<ref>[[JCウイルス#分子疫学|JCウイルス]]関連JCウイルス関連
* Yogo Y., Kitamura T. et al.(1998). “Peopling of Japan as Revealed by Genotyping of Urinary JC Virus DNA”, ''Anthropological science'' 106(4),311-325
* 「ウイルスが語る人類の旅路・日本人の“二重構造”も示す」『SCIas』朝日新聞社、1999年04.17号、4-5頁</ref><ref>[[ミトコンドリアDNA#ミトコンドリアDNAを利用した研究|ミトコンドリアDNA]]関連ミトコンドリアDNA関連* [[篠田謙一]]『日本人になった祖先たち』(NHKブックス1078)、日本放送出版協会、2007年、128篠田謙一『日本人になった祖先たち』(NHKブックス1078)、日本放送出版協会、2007年、128-130頁</ref><ref group="*">全般的解説
* 中村昻(なかむら こう)『金髪碧眼の鬼達』第三章
* 「日本人中の白人的遺伝子」の解説文としては、上記資料中、中村昻のものが平易かつ詳しい。なお上記、篠田著作中では、日本人中の白人的遺伝子(正確には白人型のミトコンドリアDNAハプログループと呼ばれるもの)の発見について、資料が少なくて結論が出せないとしながらも、近年の白人との国際結婚によってもたらされているのではないかと推測しているが、上記、中村昻著当該箇所では、この篠田の推論に、近年の国際結婚率のデータから反証を提示している。<br>一方、上記JCウイルスの論文では、日本人中の白人的遺伝子(ここでは正確にはJCウイルスゲノタイプ)の存在について、「近年のものではなく、古い過去における未知の白人系集団の日本移住の結果」と推論している。</ref>。そして、その研究の一つで白人的遺伝子を持つ人が比較的多いと推測された東北地方の一部地域は、鬼や[[ナマハゲ]](鬼の姿をしている)、古代蝦夷の伝承を色濃く残す地域と良く一致しているとの指摘もある{{sfn|<ref>中村昻|, 2015|pp=368, pp368-371}}</ref>。ただし、上記の鬼=ロシア人説は、ロシア人の歴史地理的分布と鬼の「存在した時代」を比較して、ほぼありえない。そこで、「白人的遺伝子を持った存在」としての鬼の由来についての別の説明も、一応存在している{{sfn|<ref>中村昻|, 2015}}。 [[山姥#山姥=白人説|「山姥」「山姥=白人説」の節]]も参照。</ref>。
== 転用 ==
=== 生物名接頭辞 ===
{{See also|種名#和名に形容的に用いられる語の例}}{{Anchors|生物の接頭辞}}
昔の[[日本人]]は、身の回りの生き物<!--※「生物」という自然科学的名称を避け、素朴な人々の呼び名として「生き物」を使っています。後段で使う「生物」は自然科学的生物の意。-->を呼び馴らわすに当たって「オニ(鬼)」の名を巧みに使ってきた。同類と思われる生き物同士の比較において「大きいとされているものよりひときわ大きい」という特徴を具えたものに対して用いた語構成要素が、'''[[接頭辞]]'''「'''オニ(鬼)'''」であった。この概念は、近世日本の[[博物学#本草学|本草学]]に取り入れられたのはもちろんのこと、西洋の[[自然科学]]である[[分類学]]でも踏襲されており、新種や改名を要する種の新しい[[和名]]を考案する際に用いられ続けている。具体的には、同類の中で通常の範疇にあって大きめのものは「'''オオ(大)'''」を冠して呼ぶのであるが、その大型種を凌駕するような大型種は「'''オニ(鬼)'''」を冠して呼ぶのである。オニネズミ(鬼鼠)、[[オニオオハシ]](鬼大嘴)、[[オニアジサシ]](鬼鯵刺)、[[オニゴジュウカラ]](鬼五十雀)、[[オニカマス]](鬼魳)、[[オニオコゼ]](鬼虎魚)、[[オニアンコウ科|オニアンコウ]](鬼鮟鱇)、[[オニイトマキエイ]](鬼糸巻鱏)、オニアサリ(鬼浅蜊)、[[オニクワガタ]](鬼鍬形)、[[オニヤンマ]](鬼蜻蜒)、オニヤドカリ(鬼宿借)、[[オニグモ]](鬼蜘蛛)、[[オニユリ]](鬼百合)などを例として挙げるが、これら以外にも夥しい数の[[生物]]に「オニ(鬼)」の名が用いられている。

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