利益と損失の両方をノルニルが運んで来るという言い伝えは、キリスト教が入ってきた後も信じられていた。その証拠として、ボルグンド・スターヴ教会で見つかった「ルーン文字銘 N 351 M」が挙げられる。
== 語源の説明 ==
「運命(''fate'')」を意味する'''ウルズ'''(''Urðr''、''[[:en:Wyrd|Wyrd]]''、''Weird'')および'''ヴェルザンディ'''(''Verðandi'')は、ともに古ノルド語で「~になる」という意味の動詞 ''verða'' と関係があり、前者はその過去形、後者はその現在形に由来する。'''スクルド'''(''Skuld'')は「~だろう」という意味の動詞 ''skulu'' と関係がある<ref name="nordisk"/>。過去を司るウルズ、現在を司るヴェルザンディ、未来を司るスクルド、という解釈が一般的であるものの、その根拠は北欧神話にはなく、むしろ3柱全員が未来を象徴している<ref name="nordisk"/>。さらに、3柱の主要なノルニルがいるという考え方は、[[ギリシア神話]]・[[ローマ神話]]において同様に糸を紡いでいる運命の女神[[モイライ]]・[[パルカ|パルカイ]]が後世に及ぼした影響である可能性がある<ref name="nordisk"/>。
'''ノルン'''(''norn'')の名の起源は確かではない。しかし、その名は「編む(''to twine'')」という意味の単語に由来している可能性がある。そしてそのことは、彼女らが運命の糸を編んでいるとされることに当てはまるだろう<ref name="nordisk" />。
== 他のゲルマン民族の女神との関係 ==