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、 2022年10月21日 (金) 19:03
'''甘露'''(かんろ)とは、中華世界古代の伝承で、天地陰陽の気が調和すると天から降る甘い液体。後世、王者が高徳であると、これに応じて天から降るともされ、また神話上の異界民たる沃民はこれを飲んでいるとされている。後にインドから仏教が伝来すると インド神話の伝承で不死の霊薬とされた[[アムリタ]]を、漢訳仏典では中国の伝承の甘露と同一視し、甘露、あるいは[[醍醐]]と訳すようになった。
* 転じて中華王朝や隣接諸国の年号。
** 甘露 (漢):前漢の宣帝劉詢の年号(紀元前53-紀元前50)。
** [[甘露 (魏)]]:[[三国時代 (中国)|三国時代]]、[[魏 (三国)|魏]]の高貴郷公[[曹髦]]の年号([[256年]]-[[260年]])。
** [[甘露 (呉)]]:三国時代、[[呉 (三国)|呉]]の末帝[[孫晧]]の年号(265年-[[266年]])。
** [[甘露 (前秦)]]:[[五胡十六国時代]]、[[前秦]]・[[苻堅]]の年号([[359年]]-[[364年]])。
** [[甘露 (高昌)]]:[[高昌]]の[[麴光]]の年号(525年頃- 530年頃)。
** [[甘露 (東丹)]]:[[東丹国]]の東丹王[[耶律倍]](やりつばい)の年号([[926年]]-[[936年]])。
* 飲み物が美味であることの喩え: [[甘露水]]や[[甘露酒]]など。また、甘く味付けされていることの喩え: [[甘露煮]]など。
* [[マクワウリ]]の地方呼称(北海道・東北地方) - カンロ、味瓜(あじうり)など(品種:北海カンロなど)。
* 上質の[[煎茶]]。
* [[アブラムシ]]や[[カイガラムシ]]、[[ツノゼミ科|ツノゼミ]]などの[[師部|篩管]]液を主食とする[[カメムシ目|半翅目]][[昆虫]]が排泄する[[糖|糖分]]に富んだ液体。これらの昆虫では食物に含まれる過剰な糖分(主として[[スクロース]])と水分を[[消化管]]の一部がループ状になってクロスする部分で[[能動輸送]]により消化管後部にショートカットする器官(濾過室)があり、消化管前半に濃縮された[[アミノ酸]]や[[ミネラル]]などを効率的に消化吸収するとともに、余剰の糖分や水分を速やかに排泄する。この排泄物が[[昆虫学]]上の甘露で、[[アリ]]などの[[ハチ目|膜翅目]]や[[ハエ目|双翅目]]の昆虫には活動のエネルギー源となる食物として甘露に深く依存しているものも多い。また、甘露によって利益供与することでアリと共生して天敵からの防衛を成立させている昆虫も多い。[[甘露 (昆虫学)]]を参照。
* [[唐]]の[[文宗 (唐)|文宗]]の治世に発生した政変未遂事件。[[甘露の変]]を参照。
== 関連項目 ==
* [[マナ (食物)]]
{{デフォルトソート:かんろ}}
[[Category:中国神話]]
[[Category:不老不死の薬]]