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これに対し、ゼウスは雷霆や金剛の鎌を用いて応戦した。ゼウスは離れた場所からは雷霆を投じてテューポーンを撃ち、接近すると金剛の鎌で切りつけた。激闘の末、シリアのカシオス山(Jebel Aqra)へ追いつめられたテューポーンはそこで反撃に転じ、'''ゼウスを締め上げて金剛の鎌と雷霆を取り上げ、手足の腱を切り落としたうえ、デルポイ近くのコーリュキオン洞窟<ref group="注">コーリュキオン洞窟((Κωρύκιον ἄντρον)〈Kōrykion antron;コーリュキオン・アントロン〉、Corycian Cave)</ref> に閉じ込めてしまう'''。そしてテューポーンはゼウスの腱を熊の皮に隠し、番人として半獣の竜女デルピュネーを置き、自分は傷の治療のために母ガイアの下へ向かった。
ゼウスが囚われたことを知った[[ヘルメース]]と[[パーン]]はゼウスの救出に向かい、デルピュネーを騙して手足の腱を盗み出し、ゼウスを治療した。力を取り戻したゼウスは再びテューポーンと壮絶な戦いを繰り広げ、深手を負わせて追い詰める。テューポーンはゼウスに勝つために運命の女神[[モイラ (ギリシア神話)|モイラ]]たちを脅し、どんな願いも叶うという「勝利の果実」を手に入れたが、その実を食べた途端、テューポーンは力を失ってしまった。実は女神たちがテューポーンに与えたのは、決して望みが叶うことはないという「無常の果実」であった。ゼウスが囚われたことを知ったヘルメースとパーンはゼウスの救出に向かい、デルピュネーを騙して手足の腱を盗み出し、ゼウスを治療した。力を取り戻したゼウスは再びテューポーンと壮絶な戦いを繰り広げ、深手を負わせて追い詰める。テューポーンはゼウスに勝つために運命の女神モイラたちを脅し、どんな願いも叶うという「勝利の果実」を手に入れたが、その実を食べた途端、テューポーンは力を失ってしまった。実は女神たちがテューポーンに与えたのは、決して望みが叶うことはないという「無常の果実」であった。
敗走を続けたテューポーンは[[トラーキア]]で[[バルカン山脈|ハイモス山]](バルカン山脈)を持ち上げてゼウスに投げつけようとしたが、ゼウスは雷霆でハイモス山を撃ったので逆にテューポーンを押しつぶし、山にテューポーンの血がほとばしった。最後は[[シチリア|シケリア島]]まで追い詰められ、[[エトナ火山]]の下敷きにされた。以来、テューポーンがエトナ山の重圧を逃れようともがくたび、噴火が起こるという{{Sfnp|アポロドーロス・高津|1953|loc=第1巻 6・3}}。ゼウスはヘーパイストスにテューポーンの監視を命じ、ヘーパイストスはテューポーンの首に[[金床]]を置き、鍛冶の仕事をしているという{{Sfnp|アントーニーヌス・安村|2006|loc=第28話}}。ただし、シケリア島に封印されているのは[[エンケラドス]]とする説もある。

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