; 祭祀の重層構造
例えば下新江村の場合、岡苗他7株の同族集団があり、その中の5苗が[[当屋|当屋制]]で宮衆を構成、神幸祭に奉仕すると同時に村氏神である蛭子(ひるこ)神社の祭祀を担うが、そこに更に祖神を祀る株の祭祀が重なる。本家が中世の[[地侍]]の裔と伝える岡株だと、本家の屋敷の裏手に「モリサンの水」と称する[[湧水]]と「地主(じしゅ)大権現」と称する小祠を株の神として祀るが、これが本来の「氏神」である。同様に他の株も「モリサン」や「地神(じがみ)」、「山ノ神」等と称する株の神(多くは大木)を株単位で祀り、他株と共に宮衆を組織しては蛭子神社と摩氣神社の祭祀に関与する事となる。このように「十一ヶ村」の各集落では「氏神」「村氏神」「総氏神」という三層の祭祀が重なっている事になる。同様に宮本である竹井においては、総氏神である摩氣神社が村氏神ともされるのであるが、祭祀は「村氏神」のものと「総氏神」のものとに分かれる三重の構造となっている例えば下新江村の場合、岡苗他7株の同族集団があり、その中の5苗が当屋制で宮衆を構成、神幸祭に奉仕すると同時に村氏神である蛭子(ひるこ)神社の祭祀を担うが、そこに更に祖神を祀る株の祭祀が重なる。本家が中世の地侍の裔と伝える岡株だと、本家の屋敷の裏手に「'''モリサンの水'''」と称する湧水と「'''地主(じしゅ)大権現'''」と称する小祠を株の神として祀るが、これが本来の「氏神」である。同様に他の株も「モリサン」や「地神(じがみ)」、「山ノ神」等と称する株の神(多くは大木)を株単位で祀り、他株と共に宮衆を組織しては蛭子神社と摩氣神社の祭祀に関与する事となる。このように「十一ヶ村」の各集落では「氏神」「村氏神」「総氏神」という三層の祭祀が重なっている事になる。同様に宮本である竹井においては、総氏神である摩氣神社が村氏神ともされるのであるが、祭祀は「村氏神」のものと「総氏神」のものとに分かれる三重の構造となっている<ref name="神々" />。
== 主な祭事 ==
=== お田植祭 ===
お田植祭は当神社祭神の性格を表す竹井集落の[[五穀]]の豊穣を予祝する神事で<ref name="図説7-2-1" />、近世には5月5日([[端午の節句]])に行われたが、改暦によって6月5日となり、現在は6月5日に近い日曜日に行われている。、近世には5月5日(端午の節句)に行われたが、改暦によって6月5日となり、現在は6月5日に近い日曜日に行われている。
先ず[[神饌]]とともに[[粽]]を供えて[[祝詞]]を奏上し、その後拝殿に据えられた[[太鼓]]を取り囲む形で[[藍染め]]の[[木綿]]の[[絣]]を着した[[早乙女]]が輪になり、太鼓の拍子と歌に合わせて「お田植え踊り」を踊る。