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アラビア語のセム諸語の語根(Semitic root)「j-n-n」からは、「隠す,覆う,護る」などを意味する「jann」や「狂う,狂気に陥る」などを意味する「junn」といった動詞が派生し<ref name="almaany-jnn">https://www.almaany.com/en/dict/ar-en/%D8%AC%D9%86/ , Translation and Meaning of جن in Almaany English Arabic Dictionary , almaany.com , 2019-09-11</ref>、名詞としては本項に係る「jinn」のほか、「庭園,楽園,墓地」を意味する「janna<sup>t</sup>」、「狂人,瘋癲,憑りつかれた人」などを意味する「majnūn」、「繭、いじめられっ子、隠れたもの、隠されたもの」などを意味する「janīn」といった単語が派生する<ref name="Lane-Lexicon 1863">http://www.tyndalearchive.com/tabs/lane/ , An Arabic-English Lexicon , Edward William Lane , 1863 , 2019-09-11 , pages:462</ref>。
{{transl|ar|ALA|jinn}} は複数形の名詞でなおかつ集合名詞である「jinn」は複数形の名詞でなおかつ集合名詞である<ref name="Lane-Lexicon 1863" /><ref name="Nünlist 2015">{{cite book|first=Tobias |last=, Nünlist |title=, Dämonenglaube im Islam |publisher=, Walter de Gruyter GmbH & Co KG |date=, 2015 |, ISBN=:978-3-110-33168-4 |, pages=:22-23 |language=, de |url={{, Google books|, yoE_CgAAQBAJ|, Dämonenglaube im Islam|, plainurl=:1}}}}</ref>。単数形男性は {{transl|ar|ALA|jinnī}}、女性は {{transl|ar|ALA|jinnyya。単数形男性は「jinn」、女性は「jinnyya<sup>t</sup>}} である(読みはそれぞれ「ジンニー」「ジンニーヤ」など)」である(読みはそれぞれ「ジンニー」「ジンニーヤ」など)<ref name="Lane-Lexicon 1863" /><ref name="Nünlist 2015" />。同じ語根 {{transl|ar|ALA|j。同じ語根「j-n-n}} から派生して似たような意味を持つ複数形の言葉には、ほかに、{{transl|ar|ALA|jinna}}n」から派生して似たような意味を持つ複数形の言葉には、ほかに、「jinna」, {{transl|ar|ALA|jānn}}「jānn」, {{transl|ar|ALA|jinnān}} があり「jinnān」があり<ref name="Lane-Lexicon 1863" /><ref name="Nünlist 2015" />、マグレブ方言には {{transl|ar|ALA|jnūn}} という言葉もある、マグレブ方言には「jnūn」という言葉もある<ref name="Nünlist 2015" />。{{transl|ar|ALA|jānn}} の語源について、19世紀イギリスの東洋学者{{ill2|エドワード・ウィリアム・レイン|en|Edward 。「jānn」の語源について、19世紀イギリスの東洋学者エドワード・ウィリアム・レイン(Edward William Lane|label=レイン}}は、[[預言者ムハンマド]]と同時代のアラビアの詩人{{ill2|アブー・ズアイブ・フザリー|ar|أبو Lane)は、預言者ムハンマドと同時代のアラビアの詩人アブー・ズアイブ・フザリー(أبو ذؤيب الهذلي|label=フザリー}}の詩句に基づいて、少なくとも[[クルアーン]]の時代には「五感による知覚からは隠された、あるいは隠れた、精神的な存在」を意味したのであろうと推測したالهذلي)の詩句に基づいて、少なくともクルアーンの時代には「五感による知覚からは隠された、あるいは隠れた、精神的な存在」を意味したのであろうと推測した<ref name="Lane-Lexicon 1863" />。フザリーの詩句において、"{{transl|ar|ALA|jinn}}" の意味には「[[天使]]」が含まれているの意味には「天使」が含まれている<ref name="Lane-Lexicon 1863" />。
{{transl|ar|ALA|jinn}}, {{transl|ar|ALA|jinna}}, {{transl|ar|ALA|jānn}}, {{transl|ar|ALA|jinnān}} の語源はさらに遡れる可能性があるが、確かなことは言えないのが21世紀現在の状況である<ref name="Nünlist 2015" />。フランス語で「天才」や「工学」を意味する {{lang|fr|génie}} は「守護神」や「精霊」などの意味もあり<ref>旺文社『ロワイヤル仏和中辞典』第2版 p.933</ref>、語源はラテン語の {{lang|la|genius}} にさかのぼる<ref name="Nünlist 2015" />。フランス語 {{lang|fr|génie}} は、本項で取り扱うアラブ民話の「ジン」をフランス語の中で表す言葉として定着しているが、アラビア語 {{transl|ar|ALA|jinn}} も同様に、ラテン語 {{lang|la|genius}} に由来するとする説が、19世紀のヨーロッパでは確かな根拠なく信じられていた<ref name="Nünlist 2015" />。しかし、オランダの東洋学者 Arent Jan Wensinck の "The etymology of the arabic djinn (spirit)" (1920) はこうした俗説を否定し、その後も Eichler, Starcky といった学者も支持した<ref name="Nünlist 2015" />。

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