上代の原話では「浦島子」(浦島子伝説)で、万葉、日本書紀、丹後国風土記に記述がある。異界は龍宮でなく蓬山(蓬萊山)・常世(とこよ)の併称で呼ばれる。
現代版にみられる「竜宮」「乙姫」「玉手箱」などの呼称や、浦島が亀を買いとって助ける設定は、中世の御伽草子に由来するが、版本として知名度が高い御伽文庫版のそれではなく、異本(I類系)に見られる<!--民芸館古絵巻だけはその場所を「龍宮」とし, 林 (2011), p. 14-->。浦島子伝説では、「蓬萊(とこよのくに)」の名のない女性が「玉匣(たまくしげ)」を渡す<!--御伽草子の異本の数種でも行き先が蓬莱だったり、「乙姫」の名がみえないものがある。-->。しかし海上の竜宮図を使いながら、文章では海底であるとする江戸時代の戯作(1782年)や。しかし海上の竜宮図を使いながら、文章では海底であるとする江戸時代の戯作(1782年)や、<ref>『昔噺虚言桃太郎 (むかしばなしとんだももたろう)』(天明2/1782年)。浦島の代役に桃太郎が登場するので、標準テキストとはいえないが、[https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100053446/viewer/9 5葉裏]では、袖に「桃」と書かれた'''虚言桃太郎'''が、「亀にうちのり」竜宮にいき(絵の竜宮は波の上)、竜宮の一人娘の乙女(6葉表)は、[https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100053446/viewer/14 11葉表]で、亀に立ち乗って"女の葦の葉達磨といふ身振りにて海底深く急ぎ行く"(。</ref><ref>林, 2001, p42</ref>)。また赤本絵本の模写絵だが、文章では海底とする英訳(1886年)もあるまた赤本絵本の模写絵だが、文章では海底とする英訳(1886年)もある<ref>片岡政行の英訳(1886年)。亀が水面をたたいて深海までみえるようにし"浦島ははるか下に大都市が見えた Urashima saw far below a great city" とあり、"降下(つまり潜水)すると as they descended"ともある</ref><ref name="kataoka-tr"/><ref name="hayashi2009-kataoka-tr"/>。
現代版にいたると亀と姫は同一でなくなるが、浦島子伝説・御伽草子では、浦島が釣って逃がした'''亀は乙姫(蓬莱の女性)の化身'''である。御伽文庫では、'''最後に浦島も死ぬ代わりに鶴に変身する'''。