== 私的解説 ==
大国主命は、八十神と対立し兎神を助けるところまでは「[[黄帝型神]]」といえる。しかし、八十神に殺された後は母の力によって再生するも、'''[[須佐之男命]]の神宝'''を持って生き返っている。また、[[須佐之男命]]の言ったとおりに国を平定し、宮殿を建てる。しかも[[須佐之男命]]の太刀や弓矢を使ってこれをなしているのだから、まるで彼に[[須佐之男命]]が乗り移っている、というか、大国主命が地上における[[須佐之男命]]の代理人といおうか、'''死して蘇った大国主命は[[須佐之男命]]そのもの'''のようである。とすれば、彼の妻の須勢理毘売とは、地上から形代を呼び寄せて、その形代の中に父親([[須佐之男命]])の魂を吹き込む女神といえる。そして、大国主命と共に地上に蘇るのだから、須勢理毘売とは、[[須佐之男命]]の妻も同然である。地上において、彼女が大国主命の正妻となるのは、その血筋の良さのみならず、冥界にいる時から、彼女が[[須佐之男命]]の正妻だったからではないだろうか。
大国魂神の名を名乗るとき、大国主命はギリシア神話のアドニースと似た機能を持ち、冥界のハーデース(穀物神)を生き返らせるために入れ替える人身御供の役を果たすように思える。いわば、メソポタミア神話のドゥムジである。だから、蘇った'''大国魂神'''は疫神である'''[[須佐之男命]]そのもの'''なのだ。
== 脚注 ==