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1.昔、'''姜氏'''という「'''人食い'''」の氏族がいた。彼らは'''母系'''の氏族で、家長は女性、族長も女性だった。その頃は全ての氏族が母系であって、人々に「父」というものは存在しなかった。家長は家族の娘たちをまとめ、家族の子を育て、それを母方の叔父や兄弟たちが守り支えていた。彼らは太陽の神、火の神を祀り、虎と牛を姉妹だと考えていた。族長は「'''太陽女神の化身'''」と考えられていた。族長は神々を祀り対話するシャーマンでもある。神に豊穣を願う祭の際に人身御供を立てては、神と共に生け贄の人肉を食すのが慣わしだった。神が怒って天災をもたらす時などにも怒りを静めるために人身御供を捧げた。狩の獲物も、農作物も神が授けてくれたものなのだから、お礼に人間の中からもお返しをあげなくてはいけない、と考えたのだ。族長の一族は神と民とをつなぐ人々でもあったので、神そのものとも見なされていた。だから彼らも神と同様人身御供の肉を食べた。女王の兄弟たちは、女王の代理として表向きの政治を取り仕切り人々を支配した。」と考えられていた。族長は神々を祀り対話するシャーマンでもある。神に豊穣を願う祭の際に人身御供を立てては、神と共に生け贄の人肉を食すのが慣わしだった。神が怒って天災をもたらす時などにも怒りを静めるために人身御供を捧げた。狩の獲物も、農作物も神が授けてくれたものなのだから、お礼に人間の中からもお返しをあげなくてはいけない、と考えたのだ。族長の一族は神と民とをつなぐ人々でもあったので、神そのものとも見なされていた。だから彼らも神と同様人身御供の肉を食べた。女王の兄弟たちは、女王の代理の'''補佐官'''として表向きの政治を取り仕切り人々を支配した。母系社会では女性は家の財産を守るために兄弟と結婚することが許されていたので、補佐官は女王の「'''夫'''」でもあった。女王は一族以外の男を恋人に持つことができたが、その場合相手の男は一夜限りの相手の場合はもちろんのこと、長く女王と連れ添った場合でも女王の家庭内のことに口を出すことは許されなかった。女王から生まれてきた子供達は誰が遺伝子上の父親であろうと、女王の正式でかつ一番の「'''夫'''」である'''補佐官の子供'''とされた。
=== 2 ===2.彼らの家臣に'''姫'''という青年がいた。優れた青年であり、姜女王の多くの敵と戦ってこれを滅ぼした。彼は「犬族」の出身だった。ある時代、女王の補佐役だった兄弟に、という青年がいた。優れた青年であり、姜女王の多くの敵と戦ってこれを滅ぼした。彼は「犬族」の出身だった。蛙と馬も彼のトーテムだった。彼自身は身分の低い'''父系'''の部族出身だった。ある時代、女王の補佐官だった兄弟に、'''饕餮'''という傲慢で怠け者の人間が現れ、権威をかさに来て横暴な政治を行い人々を苦しめた。特に「女王と神のため」と称し、神の数を増やして、祭祀のために多くの人身御供やお布施を要求した。姫青年はこれを憂い、女王に補佐官たちの政治を改めて貰いたい、と願った。多くの人々が青年に賛成し、彼と一緒に謀反を起こした。という傲慢で怠け者の人間が現れ、権威をかさに来て横暴な政治を行い人々を苦しめた。特に「女王と神々のため」と称し、神の数を増やして、祭祀のために多くの人身御供や税金を要求した。姫青年はこれを憂い、女王に補佐官の政治を改めて貰いたい、と願った。多くの人々が青年に賛成し、彼と一緒に謀反を起こした。
3.女王は民の声を聞き、政治を改めるべきだと考えたが、饕餮を始めとして兄弟の補佐官たちは聞き入れなかった。女王は密かに兄弟たちの元から逃げ出し、反乱軍の元にはせ参じた。自分の気持ちが民と共にあることを示すためである。女王が来てくれたことで、形勢は一気に逆転した。それまでは姫青年と民の方が「謀反人」だったのだが、今度は補佐官たちが女王に逆らう「謀反人」になったのだ。姫青年と民は勝利を収めた。饕餮補佐官と蚩尤将軍は戦死した。女王は姫青年がとても好きになってしまったので、姫青年と結婚し夫婦になった。世界で始めて「夫」と「父」というものが誕生したのだ。そして、以後は'''姜女王の兄弟と夫の両方が補佐官を務めることとなった'''。姫青年が補佐官となったことで、民の声は女王に届きやすくなり、政治はあらたまった。姫青年は女王の名において「'''これからは食人を禁ずる'''。かわりに、祭祀の際は動物を生け贄に捧げる。」と発布した。殺された饕餮は'''楓の木の化身(世界樹)'''とされ、'''天地を支える'''、とされた。この'''神木を管理する'''のが姫補佐官の仕事とされた。