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8,718 バイト追加 、 2024年11月4日 (月)
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## '''倒される神''':悪神である結果倒されてしまう場合。
# '''その他'''
 
== 本来あったと思われる伝承のプロットを作ろう ==
大抵の神話は「'''ここから派生した'''」といえそうなプロットを仮に作ってみた。
 
 
昔、'''姜氏'''という「'''人食い'''」の氏族がいた。彼らは'''母系'''の氏族で、家長は女性、族長も女性だった。その頃は全ての氏族が母系であって、人々に「父」というものは存在しなかった。家長は家族の娘たちをまとめ、家族の子を育て、それを母方の叔父や兄弟たちが守り支えていた。彼らは太陽の神、火の神を祀り、虎と牛を姉妹だと考えていた。族長は「'''太陽女神の化身'''」と考えられていた。族長は神々を祀り対話するシャーマンでもある。祭の際に人身御供を立てては、神に伺いを立て、神と共に生け贄の人肉を食すのが慣わしだった。女王の兄弟たちは、女王の代理として表向きの政治を取り仕切り人々を支配した。
 
彼らの家臣に'''姫'''という青年がいた。優れた青年であり、姜女王の多くの敵と戦ってこれを滅ぼした。彼は「犬族」の出身だった。ある時代、女王の補佐役だった兄弟に傲慢で怠け者の人間が現れ、権威をかさに来て横暴な政治を行い人々を苦しめた。特に「女王と神のため」と称し、神の数を増やして、祭祀のために多くの人身御供を要求した。姫という青年はこれを憂い、女王に補佐官たちの政治を改めて貰いたい、と願った。多くの人々が青年に賛成し、彼と一緒に謀反を起こした。
 
女王は民の声を聞き、政治を改めるべきだと考えたが、兄弟の補佐官たちは聞き入れなかった。姫青年は虎牛族の戦士たちと勇敢に戦ったが、瀕死の重傷を負ってしまった。女王は密かに兄弟たちの元から逃げ出し、反乱軍の元にはせ参じた。自分の気持ちが民と共にあることを示すためである。女王と侍女たちは心を込めて姫青年を看病し、奇跡的に青年は回復した。
 
女王が来てくれたことで、形勢は一気に逆転した。それまでは姫青年と民の方が「謀反人」だったのだが、今度は補佐官たちが女王に逆らう「謀反人」になったのだ。姫青年と民は勝利を収めた。そして、女王は姫青年がとても好きになってしまったので、姫青年と結婚し夫婦になった。世界で始めて「夫」と「父」というものが誕生したのだ。そして、以後は'''姜女王の兄弟と夫の両方が補佐官を務めることとなった'''。姫青年が補佐官となったことで、民の声は女王に届きやすくなり、政治はあらたまった。姫青年は女王の名において「'''これからは食人を禁ずる'''。かわりに、祭祀の際は動物を生け贄に捧げる。」と発布した。
 
戦いで死なずに生き残った女王の兄弟たちは、持てる権力が低下したので、これを快く思っていなかった。人身御供を立てることは、政敵をたやすく死に追いやるための方便も兼ねているからだ。しかし、立場が弱くなり、女王の命令で出された発布に異議を唱えることはできない。
 
女王と姫補佐官との間には何人か子が生まれたが、中に一人の賢い男子がいた。姓は母系の時代なので、当然「'''姜'''」になる。姜王子は現状に不満を持っていた。なぜなら、どんなに賢くても女王となるのは女性なので、彼は頂点に立つことができない。姉妹の女王の補佐官になったとしても、今度は誰かよその家の者が夫としてやってきて補佐官になるだろうから、その男と権力を分け合わなければいけない。そちらの方が女王の信頼を得れば、姜王子の方が隅に追いやられてしまうことだってあり得る。「理不尽だ」と姜王子は考えた。姉妹たちの誰よりも自分は賢いのだし、男が頂点になって「男王」になって何が悪いのだろうか。それに王になった男が自ら政治を行えば、よその家の男に権力を奪われる心配はないはずだ。補佐官がいなければ政治を行えない女王制の方が無駄だ。神だって、「男」ということに変えて、男の王が祭祀を行えばいい。こう考える姜王子を母方の叔父たちが密かに支援した。叔父たちは自分たちを隅に追いやった姉妹の姜女王のことも、夫の姫青年のことも恨んでいたのだ。
 
ある時、河が大反乱を起こして洪水が起きた。気の毒な天災であって、祭祀を行っても効き目はなかった。姜王子にとっては、これはクーデターを起こす好機だった。王子は父親であった姫補佐官に酒を飲ませて殺し、母親を捕らえて「天が禍を起こすのはお前の政治が悪いからだ。お前が生け贄になれ。お前は火と太陽の女神なのだから、罪がなければ焼け死ぬことはないだろう。」と言って、母親に火をつけ焼き殺した。そして、「女性が王なので天が怒った。」と述べて、自らが王として即位した。そして、以後家というものは「男が次ぐ。女は財産を持ってはならない。」と定めた。そうすれば、自分が即位したり、母親の財産を奪ったことを正当化することができると考えたのだ。財産とは女が持っていてはならないものなのだから。そして、以後、中国では「婿というものはよくよく信用せずに、こき使えば良いもの」とされた。姫青年を信用せず、こき使っただけの姜王子の親族の行為はこれで正当化された。
 
しかし、王が両親を殺して王位を簒奪したというのは外聞が悪い。そこで、「河が反乱を起こしたので、女王と姫補佐官は河の神の怒りを収めるため、洪水を収めるために生け贄にせざるを得なかった。彼らが河と嵐の神を鎮めたのだから、今度は姫補佐官を河の神として祀ることとしよう。女王は太陽女神だったのだから、死後は月の女神となって人々を見守っている、と言うことにしよう。」とすることにした。姜王子は親殺しではない。人々のためにやむなく両親を犠牲にした可哀想な王、ということになった。少なくとも表向きは。姜王子が「自分は火の神・祝融の化身である」と述べて人身御供を行う古い祭祀を復活させたので、中国ではまた人を食べるようになった。いやだ、なんて言ったら姜王子に殺されてしまう、と誰もが知っていた。
 
でも、更に時が流れると、姜王子の子孫はやむを得ない理由があったとしても、両親を殺さなければならないような王が先祖では、王室の権威を低下させてしまう、と考えるようになった。そこで今度は「河と雷神が洪水を起こしたけれども、姫補佐官と姜女王だけは生き残った。彼らが王室と人類の先祖である。」と言い出すようになった。「姫補佐官と姜女王は生け贄になったのだ。」と言い張る人々は'''舟に乗せられて沖に流され、国を追い出された'''。でも、人の口に戸は立てられないので、事実は必ずどこかで噂になって流れてしまう。そこで、更に「河と雷神が洪水を起こしたけれども、伏羲と女かだけは生き残った。彼らが王室と人類の先祖である。」と言いかえるようになった。姫補佐官は偉大な先祖だから消し去ることはできないけれども、「黄帝は水雷人だから天に昇った」とか適当に神秘的な表現をつけて神格化することにした。
 
でも、その子孫たちは本当に先祖の姫補佐官のことを邪魔者だと思っていたので、「姜女王が兄弟たちから逃げ出すときに門の岩戸を開ける男がいた」というだけになって、姫補佐官の名前を隠してしまった。そして、自分たちの名前も隠してしまったので、今ではもう姜という名前は、自分たちでは知っているけれども、名乗っていないのである。
=== 黄帝型神の伝播について ===

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