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== 神仙としての黄帝像 ==
黄帝は「雷の精によって生まれた(河図帝記通)」、「黄帝は星神で、龍の体のようで、雷雨をつかさどる神である(大象列星図)」とされている。また、「黄帝と炎帝は水と火で戦った(呂氏春秋)」ともある。『准南子』の「天文訓」には「中央は土である、その帝は黄帝」とある黄帝は「雷の精によって生まれた(河図帝記通)」、「黄帝は星神で、'''龍の体のよう'''で、雷雨をつかさどる神である(大象列星図)」とされている。また、「黄帝と炎帝は水と火で戦った(呂氏春秋)」ともある。『准南子』の「天文訓」には「中央は土である、その帝は黄帝」とある<ref>袁珂『中国神話・伝説大事典』大修館書店1999年、210頁。袁珂『中国神話・伝説大事典』大修館書店、1999年、210頁。</ref>。
『山海経』に登場する(黄帝の子孫が住む<ref>『中国神話・伝説大事典』178頁。</ref>)軒轅国の住民が'''人面蛇身'''であり、伝説において龍との関係が深いことから黄帝は龍蛇形の神だったと考えられている<ref>御手洗勝『古代中國の神々』創文社1984年、278-282頁。</ref>。
 
黄帝は炎帝と戦うとき、熊、ヒグマ、狼、豹、虎などを先陣とし、鷲、ヤマドリ、タカ、鳶などを旗や幟の代わりに使った、とされる<ref>袁珂『中国神話・伝説大事典』大修館書店、1999年、210頁。</ref>。
 
黄帝は天に昇ったり、地に降りたりする'''建木という天梯'''を造作、施為した。この木は形が牛のようだった<ref>袁珂『中国神話・伝説大事典』大修館書店、1999年、186-187頁</ref>。
 
黄帝は夔の皮から'''軍鼓'''という太鼓を作った。
これらを併せて考えれば、黄帝は「'''雷神の子、あるいは雷神'''」であり、特に'''水(雷雨)'''を司るとされた。そのため'''水神'''としての性質もあったと考える。また、星神、'''土神'''としての性質もあったと考えられる。
中国で「水神」「雷神」といえば、龍蛇神が一般に考えられるだろうが、中国では他に'''蛙神'''、'''猿神'''が水神としての性質を持つ場合があるように思う。が水神としての性質を持つ場合があるように思う。雷神として有名なのは雄鶏である。
また、羌族には「戊が土に属する」という伝承があり、黄帝が'''犬神'''の性質があると述べる伝承の可能性もあるのではないだろうか。
==医者としての黄帝==
前述の『黄帝内経素問』、『黄帝内経霊枢』は黄帝の著作と信じられ、これは東洋医学の始まりとなった。中国鍼灸各家学説を執筆した魏稼は、黄帝の師は、岐伯である事から、中国最古の医学流派を岐伯黄帝派と名づけた<ref name="harika">中国鍼灸各家学説 p22</ref>。この学派の創始者は岐伯で、中心人物であり、黄皇が岐伯、伯高、小兪を訪ねて鍼道が誕生したと晋の皇甫謐『甲乙経』に記載がある<ref name="harika"></ref>。これらが、漢方およびはり灸らの中国原初とみなされた。なお、日本のユンケル黄帝液は、東洋医学発祥を記してこの黄帝から名付けられている。。これらが、漢方およびはり灸らの中国原初とみなされた。
== 民話・伝承 ==
== 私的解説 ==
神仙としての黄帝とは雷神というよりも、「'''水神'''」としての性質が強いように感じる。'''雷から生まれて「天から降ってくる水」'''というイメージである。雷を伴うものだから'''雷神'''としての性質も含むし、もっと広く'''天候神'''、'''風神'''の性質も伴うかもしれない。よって、動物としてのトーテムを持つのであれば、水神とみなされる動物の全てがトーテムとされる可能性があるように思う。の性質も伴うかもしれない。よって、動物としてのトーテムを持つのであれば、水神とみなされる動物の全てがトーテムとされる可能性があるように思う。黄帝が水神や雷神としての性質を持つ場合、管理人はこれを「'''水雷神'''」と呼んでいる。中国神話には他に「火を降らせた」という逸話を持つ'''[[祝融]]'''のように、他にも雷神や天候神の性質を持つと思われる神がいるからだ。[[炎帝神農|炎帝]]の一族と言われる[[祝融]]を「'''火雷神'''」とすれば、黄帝は「'''水雷神'''」とするのが相応しいのではないだろうか。
黄帝の人としての実在性だが、管理人はモデルになった人物は存在した、と考える。弓や狩、剣といったものを伴っている点は、「単なる自然の精霊」とは考えられないからだ。他にも黄帝に関連する、と考えられる伝承には「何故、水神がそのようなことをするのか。」と、人間としての黄帝が存在していなければ行わなかったであろう、という事績が存在する。それはやはり「人間黄帝」が存在した証拠と管理人は考える。
== 参考文献 ==* Wikipedia:現在では「中国の父」といった感のある黄帝だが、[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E5%B8%9D 黄帝[炎帝神農|炎帝]]との対立神話が示すように、かつては対立する勢力が存在したのではないだろうか。これを「黄河文明(黄帝側)」と「長江文明(炎帝側)」と捉える説があるかもしれないが、管理人はその説を取らない。なぜなら古代中国の文明は、古くから稲作とそれに伴い灌漑技術が発達した長江から発生し、それが黄河側に伝わって強力な王権の発生へと繋がった、と考えるからだ。ただ、[[炎帝神農|炎帝]]勢力の中心が長江文明側にあったのであれば、長江文明側には「'''黄帝を良しとしない伝承'''」があったとしても不思議ではない、と考える。例えば、[[炎帝神農|炎帝]]は「火の神」と考えられるが、[[炎帝神農|炎帝]]の一族とされ、同様に「火の神」の性質を持つ'''[[祝融]]'''は、水神の一種である'''[[共工]]'''を倒す。五帝の一人[[禹]]にも、水神の一種の[[無支祁]]、[[相柳]]を倒した、という伝承がある。[[相柳]]は[[共工]]の部下とされているので、おそらく[[祝融]]と[[禹]]は同起源ではないか、と思うのだが、'''治水にかこつけて「水神を倒す」'''という逸話が目立つように感じる。水神と仲良くしながら治水はできなかったのだろうか、治水のために水神と戦う必要が何故あったのだろうか、と考えると、むしろ'''「水神を倒す」'''ということを語ることに意義があったのではないだろうか、と思うのだ。水神の象徴が黄帝であれば、これは一種の「'''反黄帝'''」のプロパガンダ的伝承ではないだろうか。[[禹]]と[[祝融]]が同起源の人物とすれば、[[炎帝神農|炎帝]]の一族とされているのだから、黄帝と対立する存在であるのは明白なように思う。そして[[禹]](最終閲覧日:22-11-01)は黄河側の帝ともされているのだから、時代が下れば黄河文明の側にも「反黄帝」の思想が拡がっていたことが分かる。
== 関連項目 ==
* [[嫘祖]]:正妃。[[馬頭娘]]と関連する。
* 「民間伝承」の「'''弓矢の発明'''」は「'''[[怪物退治射日神話]]:倒される'''」の一種と考える。「桑の木」とは「太陽が昇る」とされている'''扶桑樹'''のことと思われる。'''人食い虎'''は「'''太陽の化身'''」と考える。虎の目は当然2個あったと思われるので、黄帝が一つの目を射貫いたとすれば、残った目は一つ、すなわち「'''太陽は一つ'''」となったのではないだろうか。台湾の伝承での射日神話では、太陽は2つあった、と語られるものが多い。管理人が、[[蚩尤羿]](牛)はと黄帝は'''元は一つのもの'''ではなかったのか、と考える所以である。[[炎帝神農|炎帝羿]]型水神である。* [[有熊氏]]* [[禹]]:黄帝の子孫とされる。治水に成功したとされる。* [[益]]:動物の取扱にたけていたと言われる。[[啓]]に殺された、とされる。* [[盤古#私的考察・盤古から須佐之男命へ]]:黄帝が[[炎帝神農|炎帝]]の兄弟へと作り替えられていく過程の考察。* [[解夫婁王#私的解説・北東アジアの始祖について]]:黄帝と[[炎帝神農|炎帝]]が近親ではなかった、という点について。も、完全に「良き英雄」としては描かれない人物であり、黄帝のように、その行動に賛同する勢力と反対する勢力があったと思われる。その点も「'''黄帝と一致した性質'''」と考える。
=== 黄帝に類する神話的人物 ===
* [[羿]]:弓の名手である。
* [[桂男]]:呉剛という名で語られることが多い。
* [[グミヤー]]:プーラン族の[[黄帝]]かつ[[羿]]。太陽は女神とされる。男神は月である。'''炎帝型水神ではない'''。
=== 水神退治 ======= 揚子江 ====* [[李氷]]:牛龍神を倒す。倒す者、倒される者の'''双方'''が[[炎帝神農|炎帝]]型水神である。黄帝を象徴する武器は剣と弓矢である。これは各地に伝播し、剣に象徴される神と、弓矢に象徴される神の2系統に分かれるように思う。
==参考文献 == 黄河 ====* [[禹]]:[[無支祁]]を倒す。倒す者、倒される者の'''双方'''が[[炎帝神農|炎帝]]型水神である。* Wikipedia:[[祝融]]:共工を倒す。倒す者、倒される者の'''双方'''が[[炎帝神農|炎帝]https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E5%B8%9D 黄帝]型水神である。(最終閲覧日:22-11-01)
==== 日本 ==関連項目 ==* [[須佐之男命黄帝型神]]* [[八俣遠呂智嫘祖]]を倒す。倒す者、倒される者の'''双方'''が:黄帝の正妃。[[炎帝神農|炎帝馬頭娘]]型水神である。と関連する。
;神話=== 中国で黄帝と同起源と思われるもの ===* [[魃|妭羿]] - 黄帝の娘で、日照りの女神。蚩尤が率いる雨の神である雨师と、風の神である風伯を退けた。* [[応竜]] - 蚩尤に対抗する為、黄帝が召喚した竜* 軍鼓 - 黄帝が[[夔]]の皮から作った太鼓
;=== その他===* [[炎帝神農|炎帝]]
* [[怪物退治]]
* [[動物番]]
* [[華胥]]
== 私的注釈 ==
[[Category:黄帝型神|*]]
[[Category:中国神話]]
[[Category:竜神]]
[[Category:蛇神]]
[[Category:蛙神]]
[[Category:猿神]]
[[Category:犬神]]
[[Category:邪眼]]
[[Category:医薬神]]
[[Category:文化英雄]]
[[Category:土神]]
[[Category:龍蛇]]
[[Category:蛙]]
[[[Category:犬]]
[[Category:猿]]
[[Category:鶏]]
[[Category:軍神]]
[[Category:動物番]]
[[Category:獣王神]]
[[Category:狩人]]
[[Category:弓矢]][[Category:剣]]

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