とのことである。ローマは狼を大母に持つ国なので、サートゥルヌスのトーテムも狼である、とは言えないだろうか。これは当然中国神話の「天狗」のことを指す。彼が普段縄でつながれているのは、サートゥルヌスが天空の秩序を乱す彗星や流星だからである。彼がうかつに出歩いて太陽や月を不必要に食い荒らされては困るのだ。しかし、冬至の時期は太陽の力(火)をサートゥルヌスに移す時期で、彼の力が強まる時期でもある。祭の時期に蝋燭がともされるのは、それが「'''サートゥルヌスに移された太陽の火'''」であることを示すのではないだろうか。サートゥルヌスは生け贄を得て更にその力を増し、人々は自らもサートゥルヌスに倣って、互いにプレゼント(小さな生け贄)を捧げ合うし、この時期だけ社会の秩序を乱して、「'''秩序を乱す神'''」であるサートゥルヌスの時期としたのであろう。農耕神であれば、季節の秩序をむしろ守る神でありそうなものだが、彼は単なる「'''農業の技術者'''」であって、世界の秩序を守る点は「天狗」らしく無頓着であるといえる。サートゥルヌスは「我が子を食らう神である」という神話を持ち、そこに性差はない。それは何故だろうか。
=== ネイト・エジプト神話 ====
ネイトは古代エジプトの大母で、戦いと狩猟の女神であり、機織りの女神ともされ、彼女のトーテムの一つはライオンとされた。彼女の顔を見たことのある者はいない、とされた。