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1,596 バイト追加 、 2024年10月23日 (水)
一方、バロールは敵をまとめ討つ破壊力がある「魔眼」の持ち主で、孫のルーに眼を潰され、殺されてしまった。</blockquote>
ギリシア神話と比較すれば、バロールがアガメムノーン、イーピゲネイアがエスリウ、アキレウスがキアンといったとこだろうか。キアンとバロールとの間で帰属が動く雌牛は、エスリウのトーテムであると思う。バロールが「魔眼」の持ち主である、という点は、饕餮文が「目」を強調していることを連想させる。台湾の神話にもバロールに似た邪視の持ち主であるバジが登場するし、バジも殺される話が多いので、これもバロールの類話と思われる。エスリウは殺された日月乙女と思われるが、生きてこっそり子供を生んでいるので、太陽乙女の結婚で終わる天狗食日月譚と、月乙女の冥界婚で終わる話の折衷的な内容といえる。娘を殺してしまうアガムメノーンと同類のバロールは、娘が牛であることから、彼のトーテムも牛であることが示唆される。一方のキアンのトーテムは分かりやすく豚である。ギリシア神話と比較すれば、バロールがアガメムノーン、イーピゲネイアがエスリウ、アキレウスがキアンといったとこだろうか。キアンとバロールとの間で帰属が動く雌牛は、エスリウのトーテムであると思う。バロールが「魔眼」の持ち主である、という点は、饕餮文が「目」を強調していることを連想させる。台湾の神話にもバロールに似た邪視の持ち主であるバジが登場するし、バジも殺される話が多いので、これもバロールの類話と思われる。エスリウは殺された日月乙女と思われるが、生きてこっそり子供を生んでいるので、太陽乙女の結婚で終わる天狗食日月譚と、月乙女の冥界婚で終わる話の折衷的な内容といえる。娘を殺してしまうアガムメノーンと同類のバロールは、娘が牛であることから、彼のトーテムも牛であることが示唆される。一方のキアンのトーテムは分かりやすく豚である。ハイヌウェレ神話のアメタは豚を狩る狩人で、ハイヌウェレは豚の死によって登場するが、ルーも豚のキアンの死によって登場する、といえる。  牛である点、巨大な目を持っている巨人的な点、戦に巧みでありながら殺されている点から、バロールは中国神話における蚩尤・饕餮、娘を殺す点から天狗と類似しているといえ、'''天狗とは蚩尤・[[饕餮]]のことでもある'''と分かる。インド神話の天狗[[ラーフ]]は、「首だけ」の姿であって、更により[[饕餮]]的である。  余談的だが、エスリウの物語に類似しているラプンツェルでは恋人の王子は盲目になってしまう。中国の民間伝承でも恋人を殺されて雄鶏に助けて貰う娘の話がある。彼らの「恋人」である男性が何故死んだり害されたりしてしまうのだろうか。それは、日月乙女達が、かつては猛獣の日月王母で、若者あるいは動物を婿という名の生け贄に求めたからではないだろうか。可哀想なキアンは、本来はエスリウに捧げられた犠牲の豚だったのである。アガメムノーンが妻に殺されてしまったのも同じ理由で、日月乙女イーピゲネイアの母クリュタイムネーストラーが、猛獣の日月王母から変化したものだったから、と推察する。アガメムノーンですら、猛獣の日月王母の前では単なる犠牲獣にされてしまうのだった。
=== 十人の処女たちのたとえ ===

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