民間では日月色は天狗がこれを食べたからだと言う。皆既日月食は食べられ排泄された、と考えて不吉で不作である。部分日月食は食べきれずに吐き出したと考えて吉、豊年であるとする。人々は日月食があると銅鑼を鳴らし、太鼓を叩いて天狗を脅し日月を救おうとする。<ref>[https://eastasian.livedoor.blog/archives/1946100.html 犬(3) 狗食日月]、神話伝説その他、eastasian、00-01-18(最終閲覧日:22-10-23)</ref><ref group="私注">禍斗という霊犬は火に関係し、排泄物も「火」であるという。ということは、怪奇日食後の太陽は「'''天狗(禍斗)の糞'''」なのではないだろうか。</ref>。</blockquote>
== その他の日月食 その他の天狗食月 ==
<blockquote>苗族伝承、ヤマイヌと七人の娘たち
だから、『羲和と常羲は帝夋の妻である。』と書くと、それは『太陽と月は北極星の妻である。』という意味になるし、『北極星が人類の父で、太陽と月が母である。』という意味にもなる、と管理人は思うのだが、『太陽娘娘と月娘娘が押し入った北極星に強姦された。』って書いたら、それも『北極星が人類の父で、太陽と月が母である。』という意味になるのではないか、と気がついてぞっとする管理人である。北極星信仰を権威の象徴とした父系の王制と身分制度の確立は、このように表裏一体となった2面性を持つものではなかったのだろうか、と考える。
== 日本の天狗食月 ==
中国では「天狗」といえば、文字通り「天の犬」のことを指すけれども、日本の場合、「天狗」とは一般的に羽が生えて、異様な顔をした鳥人のようなものを指して、犬のことではない。そして仏教と融合して「修行して亡くなった徳の高い僧侶は仏ではなくて天狗になる」とか、一部では言われるような存在になって、「特殊能力を持つ神人の一種」のように考えられるようになったので、日本の天狗が直接、日月の女神に関わることはない。
日本神話で太陽女神を脅かし、月女神(この場合は[[大宜都比売]]を「月女神」である、と仮定しての話になるけれども)を害するのは須佐之男であるので、日本では須佐之男が中国的な「天狗」に相当するし、おそらく北極星を意識した神でもあると考える。神話と信仰の上で、須佐之男は賀茂系の一部の氏族の祖神と考えられているし、天皇家の祖神扱いでもあって、王権の権威の象徴である。でも日本神話の内容は、『太陽女神と月女神は須佐之男に害された。』という話なので、須佐之男は帝夋(上帝)のような存在でありながら、苗族のヤマイヌに似た存在でもあり、黄河文明の王権神話と長江文明の略奪神話の折衷といえる神話を持っていて興味深い。
== 参考文献 ==