== 神話 ==
=== 生い立ち ===
神話では[[クロノス]]と[[レアー]]の娘<ref>ヘーシオドス『神統記』454。</ref>。[[ティーターノマキアー]]の間[[オーケアノス]]と[[テーテュース]]がヘーラーを預かり、世界の果てで養育した<ref name="G" />。もっとも、養育したのは他の神であるとの伝承もある<ref name="G" />。ヘーシオドスによればヘーラーは[[ゼウス]]が三番目に兄弟姉妹婚した正妻であり、その婚礼の場には諸伝がある<ref name="G" />。ヘーラーとゼウスの婚礼は「聖なる婚姻」としてギリシア各地で行われ<ref name="G" />、2人は間に[[アレース]]、[[エイレイテュイア]]、[[ヘーベー]]をもうけた<ref>ヘーシオドス『神統記』922。</ref>。[[ヘーパイストス]]はヘーラーの子であるが、ゼウスとの間の子か、ヘーラーが一人でもうけた子かについては異伝がある<ref name="G" />。
=== 結婚 ===
ゼウスと結婚するにあたって、以下のエピソードが有名である。掟の女神[[テミス]]と結婚していたゼウスは、ヘーラーの美しさに恋に落ち、[[カッコウ]]に化けてヘーラーに近付き犯そうとした。しかし、ヘーラーは抵抗を続け、決してゼウスに身体を許さなかった。ヘーラーは交わることの条件として結婚を提示した。ヘーラーに魅了されていたゼウスは仕方なくテミスと離婚すると、ヘーラーと結婚した。また、ゼウスとヘーラーの関係は結婚前から久しく続いており、キタイローン山で交わっていたともいわれる<ref name="F" />。