'''ヒツジ'''('''羊'''、'''綿羊'''、学名 {{snamei|Ovis aries}})は、[[ウシ科]][[ヤギ亜科]]の[[鯨偶蹄目]]である。[[角]]を持ち、主に[[羊毛]]のために[[家畜]]化されている。aries)は、ウシ科ヤギ亜科の鯨偶蹄目である。角を持ち、主に羊毛のために家畜化されている。
== 形態 ==
[[ファイル:Zackelschafe Tiergarten Bernburg 06-03-2008.jpg|thumb|螺旋を描いて伸びるラセン角(ハンガリーのラツカ羊<small>ハンガリー語:[[:en:Racka|Racka]]</small>)]][[ファイル:Finnsheep ram close-up.jpg|thumb|渦巻き状のアモン角(フィニッシュ・ランドレース種([[:en:Finnsheep|en]]))]]ヒツジは[[反芻]]動物としては比較的体は小さく、側頭部のらせん形の角と、[[ウール|羊毛]]と呼ばれる縮れた毛をもつ。ヒツジは反芻動物としては比較的体は小さく、側頭部のらせん形の角と、羊毛と呼ばれる縮れた毛をもつ。
原始的な品種では、短い尾など、野生種の特徴を残すものもある。
家畜のヒツジは54本の染色体をもつが、野生種は58-54本の[[染色体]]を有し、[[交雑]]可能である。自然状態の雑種の中には55本や57本の染色体をもつ個体も存する。54本の染色体を有し、交雑可能である。自然状態の雑種の中には55本や57本の染色体をもつ個体も存する。
品種によってまったく[[洞角|角]]をもたないもの、雄雌両方にあるもの、雄だけが角を持つものがある。螺旋を巻きながら直状に伸びた角をラセン角、渦巻き状に丸く成長する角をアモン角と称する。角のある品種のほとんどは左右に1対1だが、古品種には品種によってまったく角をもたないもの、雄雌両方にあるもの、雄だけが角を持つものがある。螺旋を巻きながら直状に伸びた角をラセン角、渦巻き状に丸く成長する角をアモン角と称する。角のある品種のほとんどは左右に1対1だが、古品種には[[ヤギ]]のように後方に湾曲しながら伸びる2-3対(4-6本)の角をもつものもいる。
野生のヒツジの上毛の色合いには幅広いバリエーションがあり、黒、赤、赤褐色、赤黄色、褐色などがある。毛用のヒツジは主に染色に適した白い羊毛を産するように改良が加えられているが、ほかにも純白から黒色まであり、斑模様などもある。白いヒツジの群れのなかに有色の個体が現れることもある。
ヒツジの体長や体重は品種により大きく異なり、雌の体重はおよそ45–100kg、雄はより大きくて45–160kgである。
成熟したヒツジは32本の歯を持つ。ほかの反芻動物と同じように、下顎に8本の[[門歯]]がある一方、上あごには歯がなく、硬い[[歯茎]]がある。[[犬歯]]はなく、門歯と[[臼歯]]との間に大きな隙間がある。成熟したヒツジは32本の歯を持つ。ほかの反芻動物と同じように、下顎に8本の門歯がある一方、上あごには歯がなく、硬い歯茎がある。犬歯はなく、門歯と臼歯との間に大きな隙間がある。
4歳になるまで(歯が生え揃うまで)は、前歯は年に2本ずつ生えるため、ヒツジの年齢を前歯の数で知ることができる。ヒツジの平均寿命は10年から12年であるが、20年生きるものもいる。