この一書は、話の筋立てが他とは異なり、思兼神が登場しないなど大きな特徴がある。
=== 世界の神話 ===[[インドネシア]]・[[タイ]]・[[トルコ]]・[[モンゴル]]・[[雲南省|中国南部]]・[[サハリン]]などアジアには広く射日神話・招日神話が存在する。特に中国南部の少数民族に天岩戸と似た神話が多い。インドネシア・タイ・トルコ・モンゴル・中国南部・サハリンなどアジアには広く射日神話・招日神話が存在する。特に中国南部の少数民族に天岩戸と似た神話が多い。<ref>荻原真子 『北方諸民族の世界観 - アイヌとアムール・サハリン地域の神話・伝承』 草風館、1996年2月。ISBN 978-4-88323-086-0。{{要ページ番号|date=<sup>''(要ページ番号, 2016-09-26}}26))''</sup></ref><ref group="私注">太陽女神は太陽神としての性質を失って他の性質の女神になっていたり、民間伝承化すると人間の形態をとったりするので、太陽に関する神話だけで研究を行うのは逆に偏った結果を招く一因にならないだろうか、と思う。</ref>
[[ミャオ族]]は、九個の太陽と八個の月が一斉に出てきた。弓矢で八個の太陽と七個の月を刺し殺す。残った一つずつの日月は隠れてしまった。天地は真っ暗。知恵者を集めて相談しオンドリを鳴かせる。オンドリは翼を叩いて三度鳴くと日月が顔を出した。<ref>百田弥栄子 『中国神話の構造』 三弥井書店、2004年6月。ISBN 978-4-8382-3131-7。{{要ページ番号|date=<sup>''(要ページ番号, 2016-09-26}}26))''</sup></ref>
[[プーラン族]]は、太陽の九姉妹と月の十兄弟は、揃って天地の間にやって来て一斉に照りつける。八個の太陽と九個の月を射落し、さらに残った月も射殺そうとした。逃げ出した太陽と月は洞窟に隠れ夫婦になった。世界が真っ暗になったので、オンドリを遣わし太陽と月を洞窟から出るよう説得させる。一人は昼もう一人は夜に別々に出てくること、ただし月の初めと終わりには洞窟の中で会っていいとした。月と太陽が洞窟から出ようとしたとき大きな岩が邪魔をして出られない。そこで力自慢のイノシシが岩を動かして入口を開け太陽と月を外に出してやった。プーラン族は、太陽の九姉妹と月の十兄弟は、揃って天地の間にやって来て一斉に照りつける。八個の太陽と九個の月を射落し、さらに残った月も射殺そうとした。逃げ出した太陽と月は洞窟に隠れ夫婦になった。世界が真っ暗になったので、オンドリを遣わし太陽と月を洞窟から出るよう説得させる。一人は昼もう一人は夜に別々に出てくること、ただし月の初めと終わりには洞窟の中で会っていいとした。月と太陽が洞窟から出ようとしたとき大きな岩が邪魔をして出られない。そこで力自慢のイノシシが岩を動かして入口を開け太陽と月を外に出してやった。<ref>吉田敦彦他 『世界の神話伝説 総解説』 [[自由国民社]]〈Multi 自由国民社〈Multi book〉、2002年7月。ISBN 978-4-426-60711-1。{{要ページ番号|date=<sup>''(要ページ番号, 2016-09-26}}26))''</sup></ref>
[[ペー族]]には、天地が離れ始めた頃、天に十個の太陽と一個の月が昇った。子供の太陽たちは昼夜を分かたず天を駆ける。そのため地上は焼けるような熱さで、蛙と鶏の兄弟は太陽を追って槍で九個の太陽を刺し殺してしまう。両親である母・太陽と父・月は恐れて天眼洞の奥深くに隠れてしまい世は真っ暗闇。そこで蛙は天を、鶏は地を探した。鶏が声を放って呼ぶと太陽と月は天眼洞から顔を出し、こうして大地に日月が戻った。人々は太陽を呼び出した鶏に感謝して、赤い帽子を与えた。<ref>[[百田弥栄子]] 『中国神話の構造』 三弥井書店、2004年6月。ISBN 978-4-8382-3131-7。{{要ページ番号|date=2016-09-26}}</ref>