また、作らせた鏡は紀伊國に鎮座する日前神(ひのくまのかみ)である、とあるため鏡は日像鏡・日矛鏡(ひがたのかがみ・ひぼこのかがみ)と同一とされる。
'''第七段一書(二)'''では、素戔嗚尊が本文同様の暴挙を行うが、「然れども、[[天照大神|日神]](ひのかみ)、親み恩(めぐ)む意(こころ)にして、怒らず恨まず、皆、平らかな心以ちて容(ゆる)しき」とある。では、素戔嗚尊が本文同様の暴挙を行うが、「然れども、日神(ひのかみ)、親み恩(めぐ)む意(こころ)にして、怒らず恨まず、皆、平らかな心以ちて容(ゆる)しき」とある。
しかし、嘗(にひなへ)を行う時に、素戔嗚尊は新宮(にひなへのみや)の席の下にこっそりと糞をした。日神は気づかずに席に座ったため、体中が臭くなってしまう。そのため怒り恨みて、天石窟に入ってその磐戸を閉じた、とある。
そこで神々は困り、[[天糠戸]]神(あめのぬかど)に鏡を、太玉命に[[布帛]]を、[[玉祖命|豊玉]](とよたま)に玉を作らせた。また、[[山雷]]神(やまつち)に多くの玉で飾った榊を、[[カヤノヒメ|野槌神]](のづち)に多くの玉で飾った小竹(ささ)を作らせた。それらの品々を持ち寄って集まり、天児屋命が[[祝詞|神祝]](かむほぎ)を述べたため、日神は磐戸を開けて出てきた、とある。そこで神々は困り、天糠戸神(あめのぬかど)に鏡を、太玉命に布帛を、豊玉(とよたま)に玉を作らせた。また、山雷神(やまつち)に多くの玉で飾った榊を、野槌神(のづち)に多くの玉で飾った小竹(ささ)を作らせた。それらの品々を持ち寄って集まり、天児屋命が神祝(かむほぎ)を述べたため、日神は磐戸を開けて出てきた、とある。
そうした後、神々は罪を本文同様に素戔嗚尊に負わせ贖罪の品々を科して差し出させ、高天原から追い払った。
'''第七段一書(三)'''では、素戔嗚尊は自らが与えられた土地(天杙田(あまのくいた)・天川依田(あまのかわよりた)・天口鋭田(あまのくちとた))は、日神の土地(天安田(あまのやすだ)・天平田(あまのひらた)・天邑田(あまのむらあわせた))に比べ痩せた土地だったため、妬(ねた)んで姉の田に害を与えた、とある。日神は最初は咎めず、常に穏やかに許していた、とあるが結局、天石窟に籠るのである。では、素戔嗚尊は自らが与えられた土地(天杙田(あまのくいた)・天川依田(あまのかわよりた)・天口鋭田(あまのくちとた))は、日神の土地(天安田(あまのやすだ)・天平田(あまのひらた)・天邑田(あまのむらあわせた))に比べ痩せた土地だったため、妬(ねた)んで姉の田に害を与えた、とある。日神は最初は咎めず、常に穏やかに許していた、とあるが結局、天石窟に籠るのである<ref group="私注">天照大神も須佐之男も共に'''農耕神'''であることが分かる。'''農耕神'''とは、特に水稲耕作では'''治水神'''も兼ねる。</ref>。
その為、神々は[[天児屋命|天兒屋命]]を遣わして祷らせることにした。以降が神々のとった行動である。その為、神々は天兒屋命を遣わして祷らせることにした。以降が神々のとった行動である。* 天兒屋命:天香山の榊を掘り起こす。([[興大産霊]](こごとむすひ)の子)天兒屋命:天香山の榊を掘り起こす。(興大産霊(こごとむすひ)の子)* [[イシコリドメ|石凝戸邊]](いしこりとべ):作った八咫鏡を上の枝にかける。([[天糠戸]](あめのぬかど)の子)石凝戸邊(いしこりとべ):作った八咫鏡を上の枝にかける。(天糠戸(あめのぬかど)の子)* [[玉祖命|天明玉]](あめのあかるたま):作った八坂瓊之曲玉を中の枝にかける。([[イザナギ|伊弉諾尊]]の子)天明玉(あめのあかるたま):作った八坂瓊之曲玉を中の枝にかける。(伊弉諾尊の子)* [[天日鷲命|天日鷲]]あめのひわし):作った[[木綿]](ゆふ)を下の枝にかける。天日鷲あめのひわし):作った木綿(ゆふ)を下の枝にかける。
* 太玉命:榊を持ち、広く厚く称える言葉によって祷る。
後、素戔嗚尊は「神々は私を追い払い、私はまさに永久に去ることになったが、どうして我が姉上に会わずに、勝手に一人で去れるだろうか」と言い天に戻る。すると天鈿女命がこれを日神に報告する。
日神は、「我が弟が上って来るのは、'''また'''好意(よきこころ)からではないはず。きっと我が国を奪おうとしているのだ。我は女だが逃げるほどでは無い」と言って[[武装]]した、とある。そして二神で[[アマテラスとスサノオの誓約#日本書紀|誓約]]が行われる運びになる。好意(よきこころ)からではないはず。きっと我が国を奪おうとしているのだ。我は女だが逃げるほどでは無い」と言って武装した、とある。そして二神で誓約が行われる運びになる。
この一書は、話の筋立てが他とは異なり、思兼神が登場しないなど大きな特徴がある。