おしら様の祭日を「命日(めいにち)」と言い、旧暦1月・3月16日 (旧暦)・9月16日 (旧暦)に行われる。命日には、神棚などからおしら様を出して神饌を供え、新しい衣を重ね着させる(これを「オセンダク」という)。この日は、本家の老婆が養蚕の由来を伝える祭文(おしら祭文)を唱えたり、少女がおしら様の神体を背負って遊ばせたりするので、かつては同族的な系譜を背景とする女性集団によって祀られていたとも考えられる<ref name=hagiwara/>。盲目の巫女であるイタコが参加することも多く、その場合、イタコがおしら様に向かって神寄せの経文を唱え、おしら様を手に持って祭文を唱えながら踊らせる。おしら様に限っては祭ることを「遊ばせる」といい、このような行事を「オシラアソバセ」「オシラ遊び」「オシラホロキ」と呼ばれる<ref name="tono_shuui" /><ref name=hagiwara/>。また、青森県弘前市坂元の久渡寺では「大白羅講」が5月15日に行われる。
おしら様の2体の人形をつかって遊ばせる際のおしら祭文としては、「きまん(金満)長者物語」、「満能長者物語」、「せんだん栗毛」、「[[岩木山]]一代記」などがあり、[[坂上田村麻呂]]伝承の[[猿賀神社]]の由来を同時に語るとも伝えられるおしら様の2体の人形をつかって遊ばせる際のおしら祭文としては、「きまん(金満)長者物語」、「満能長者物語」、「せんだん栗毛」、「岩木山一代記」などがあり、坂上田村麻呂伝承の猿賀神社の由来を同時に語るとも伝えられる<ref name="sinwadensetu">{{Cite book|和書|author=倉田隆延|editor=, 吉成勇|title=, 日本「神話・伝説」総覧|year=, 1993|publisher=[[, 新人物往来社]]|series=, 歴史読本特別増刊 事典シリーズ|, isbn=:978-4-404-02011-6|pages=314, pages314-315|chapter=, オシラ様伝説(馬娘婚姻譚)}}</ref>。イタコが参与する場合は、このような[[祭文]]を語りながら、おしら様一対を両手にとって打ち振り、[[憑依]]したような状態になって[[託宣]]をおこなうことが多い。イタコが参与する場合は、このような祭文を語りながら、おしら様一対を両手にとって打ち振り、憑依したような状態になって託宣をおこなうことが多い<ref name=hagiwara/>。
おしら様の信仰には多数の[[タブー|禁忌]]がある。例えば、おしら様は二足四足の[[動物]]の肉や[[卵]]を嫌うとされ、これを供えてしまうと大病を患うとか祟りで顔が曲がるという。家人の食肉により[[祟り]]で顔が曲がるともいわれるおしら様の信仰には多数の禁忌がある。例えば、おしら様は二足四足の動物の肉や卵を嫌うとされ、これを供えてしまうと大病を患うとか祟りで顔が曲がるという。家人の食肉により祟りで顔が曲がるともいわれる<ref name="tono_shuui"/><ref name=hasegawa/>。また、一度拝むとずっと拝まなければならないといわれ、拝むのをやめたり、祀り方が粗末だと家族に祟りがあるともいわれている<ref name=hasegawa/>。
=== 伝承 ===