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「jinn」は複数形の名詞でなおかつ集合名詞である<ref name="Lane-Lexicon 1863" /><ref name="Nünlist 2015">Tobias , Nünlist , Dämonenglaube im Islam , Walter de Gruyter GmbH & Co KG , 2015 , ISBN:978-3-110-33168-4 , pages:22-23 , de , Google books, yoE_CgAAQBAJ, Dämonenglaube im Islam, plainurl:1</ref>。単数形男性は「jinn」、女性は「jinnyya<sup>t</sup>」である(読みはそれぞれ「ジンニー」「ジンニーヤ」など)<ref name="Lane-Lexicon 1863" /><ref name="Nünlist 2015" />。同じ語根「j-n-n」から派生して似たような意味を持つ複数形の言葉には、ほかに、「jinna」,「jānn」,「jinnān」があり<ref name="Lane-Lexicon 1863" /><ref name="Nünlist 2015" />、マグレブ方言には「jnūn」という言葉もある<ref name="Nünlist 2015" />。「jānn」の語源について、19世紀イギリスの東洋学者エドワード・ウィリアム・レイン(Edward William Lane)は、預言者ムハンマドと同時代のアラビアの詩人アブー・ズアイブ・フザリー(أبو ذؤيب الهذلي)の詩句に基づいて、少なくともクルアーンの時代には「五感による知覚からは隠された、あるいは隠れた、精神的な存在」を意味したのであろうと推測した<ref name="Lane-Lexicon 1863" />。フザリーの詩句において、"jinn" の意味には「天使」が含まれている<ref name="Lane-Lexicon 1863" />。
{{transl|ar|ALA|jinn}}「jinn」, {{transl|ar|ALA|jinna}}「jinna」, {{transl|ar|ALA|jānn}}「jānn」, {{transl|ar|ALA|jinnān}} の語源はさらに遡れる可能性があるが、確かなことは言えないのが21世紀現在の状況である「jinnān」の語源はさらに遡れる可能性があるが、確かなことは言えないのが21世紀現在の状況である<ref name="Nünlist 2015" />。フランス語で「天才」や「工学」を意味する {{lang|fr|génie}} は「守護神」や「精霊」などの意味もあり「génie」は「守護神」や「精霊」などの意味もあり<ref>旺文社『ロワイヤル仏和中辞典』第2版 p.933</ref>、語源はラテン語の {{lang|la|genius}} にさかのぼる、語源はラテン語の「genius」にさかのぼる<ref name="Nünlist 2015" />。フランス語 {{lang|fr|génie}} は、本項で取り扱うアラブ民話の「ジン」をフランス語の中で表す言葉として定着しているが、アラビア語 {{transl|ar|ALA|jinn}} も同様に、ラテン語 {{lang|la|genius}} に由来するとする説が、19世紀のヨーロッパでは確かな根拠なく信じられていた。フランス語「génie」は、本項で取り扱うアラブ民話の「ジン」をフランス語の中で表す言葉として定着しているが、アラビア語「jinn」も同様に、ラテン語「genius」に由来するとする説が、19世紀のヨーロッパでは確かな根拠なく信じられていた<ref name="Nünlist 2015" />。しかし、オランダの東洋学者 Arent Jan Wensinck の "The etymology of the arabic djinn (spirit)" (1920) はこうした俗説を否定し、その後も Eichler, Starcky といった学者も支持した<ref name="Nünlist 2015" />。
アラビア語の {{transl|ar|ALA|jinn}} は、英語においてはより英語化されたかたちの {{lang|en|genie}} のつづりで書かれることがある(例えば、ディズニーキャラクターの[[ジーニー (ディズニーキャラクター)|ジーニー]]など)アラビア語の「jinn」は、英語においてはより英語化されたかたちの「genie」のつづりで書かれることがある(例えば、ディズニーキャラクターのジーニーなど)<ref name="oed" />。これは『[[千一夜物語]]』の英語翻訳の際(18世紀)にフランス語 {{lang|fr|génie}} から借用したものがある程度定着したものである。これは『千一夜物語』の英語翻訳の際(18世紀)にフランス語「géni」から借用したものがある程度定着したものである<ref name="oed">''Oxford English Dictionary'', 3rd&nbsp;ed. "genie, ''n''." Oxford University Press (Oxford), 2014.</ref><ref>{{citation |title=Arabian Nights' entertainments |, year=1706 |volume=, Vol.&nbsp;I |p=14 }}, p14.</ref>。アラビア語 {{transl|ar|ALA|jinn}} が表すものと、ラテン語由来フランス語の {{lang|fr|génie}} が表すものが大まかには一致しているため、定着したものと考えられている。アラビア語「jin」が表すものと、ラテン語由来フランス語の「génie」が表すものが大まかには一致しているため、定着したものと考えられている<ref>John L. Mckenzie ''The Dictionary Of The Bible'' Simon and Schuster 1995 {{ISBN|:9780684819136}} , p. 192</ref>。
== 性質 ==

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