=== 肥長比売とはメリュジーヌ型女神である ===
蛇女神なのだから、メリュジーヌ型女神である、とは予想される。しかし、彼女は逃げる代わりに追いかける。なぜだろうか。管理人が思うに、肥長比売は[[狭穂姫命]]と同じで'''縄文系の女神'''なのだと思う。その女神が出雲系の神話体系や天孫神話の一部に取り込まれたのが肥長比売なのだろう。弥生系の女神は、「父の娘」、「夫の妻」、「子供の母あるいは養母」と定められた役割が決まっているし、神話的なパターンに沿った行動をしていて、好き勝手に暴れたりはしない。肥長比売の話は、元にあったと思われる形からもかなり崩れており、記紀神話に取り込む際に整合性を保つための改変が多少はなされたかもしれないが、おそらく収集された時点で原型は大きく失われていたのだと思う。では、いったい彼女は「'''何から逃げ出したメリュジーヌだったのか。'''」ということになる。
=== 誉津別命とは疫神である ===
[[誉津別命]]が[[須佐之男命]]や[[阿遅鉏高日子根神]]と比較すべき性質を持っていることは明らかだ。[[須佐之男命]]が疫神としての性質を持っているように、[[誉津別命]]も疫神の一種と考える。この神には
* 病人
* 疫神
の二重の性質があるように思う。病人の場合は、病は癒やされなければならない。疫神の場合は、「'''追い払われなければならない'''」のではないだろうか。
== 参考文献 ==