ミャオ族は龍犬槃瓠の孫だった。ミャオ族のおばあさんは帝俊の妹の蛙姫だ。蛙姫には親の決めた饕餮という婚約者がいた。饕餮は帝俊と蛙姫の従兄弟だった。ところが龍犬槃瓠が蛙姫を好きになってしまった。こっそり蛙の姿に変身して蛙姫のところに忍んできた槃瓠は、姫を盗み出し二人は駆け落ちしてしまった。二人からは鶏娘のバロンと雄鶏息子のダロンが生まれた。ミャオ族はバロンとダロンの子供たちだったのだ。</br>
蛙姫を盗み出した槃瓠のことを帝俊は嫌いだったが、更に嫌いになるような事件があった。昔の天は、「人蛙姫を盗み出した槃瓠のことを帝俊は嫌いだったが、更に嫌いになるような事件があった。昔の天は、「'''身御供を立てて、生け贄の肉の半分を天と人類で分け合って食べ、残りの半分を種と一緒に畑にまく。人身御供を立てて、生け贄の肉の半分を天と人類で分け合って食べ、残りの半分を種と一緒に畑にまく。'''」という祭を人類に行わせていた。種は天がその身の一部を削って人々に分け与えたものなのだ。お返しに天が太れるように人類の肉の一部を天に返さなければいけない。天の子たちである種がちゃんと目を覚まして太れるように、種にも人肉を食わせないといけない、とされていた。龍犬槃瓠は、人身御供として殺される人々を哀れみ、人身御供の祭祀をやめ、人を食うこともやめるようにと言った。ミャオ族が祖父の槃瓠の味方をしたので、人の肉を食べて撒く祭祀は中止になった。帝俊は人肉を食べられなくなり、腹がたったので干ばつを起こしたのだ。干ばつのせいで五穀は実らず、災害が起きたのに、帝俊は</br>
「五穀が実らなくなったのは槃瓠の味方をしたミャオ族が、天への祭祀を中止したからだ。槃瓠とミャオ族を殺して、祭祀を再開しなければいけない。」</br>
と言ったのだ。と言ったのだ。帝俊と槃瓠の戦いはますます激しくなったが、槃瓠もミャオ族も勇敢だから負けなかった。そこで帝俊は槃瓠を騙して殺すことにした。</br> 「仲直りしよう。」</br> と騙して宴席を用意させ、槃瓠とミャオ族を招待したのだ。槃瓠たちは帝俊の言葉に騙されてやってきた。帝俊は槃瓠に酒を飲ませて眠らせてしまい、復活させた祭祀の生け贄の第1号にした。雄鶏息子のダロンも射殺して自分で食べてしまった。鶏娘のバロンはすばやく走って逃げ回ったが、結局帝俊につかまった。帝俊はバロンを</br> 「これからは自分に協力して、邪魔者たちを黙らせるのに協力しろ。さもないと殺すぞ。」</br> と脅した。バロンは帝俊に協力したくなかったけれども、子供達を殺されたくなかったので、仕方なく言うことを聞いた。そして、帝俊が油断している隙にこっそり子供達を逃がし、</br> 「南へ逃げて新しい国を作りなさい。」</br> と言った。バロン自身は厳しく見張られていたので子供達と一緒に逃げ出せなかった。ミャオ族が逃げたことを知った帝俊はバロンも殺した。そして、人類がこれ以上逆らえないように自ら地上に降りて国を作ることにした。そうして建国したのが夏である。</br> 帝俊の子孫が王となった夏は次第に大きくなって、「中国最初の王朝」と呼ばれるようになった。</br> ところで、帝俊はダロンを食べたので、その能力を得て鶏に変身できるようになった。なのでときどき鶏に変身しては南へ出かけてミャオ族の様子を探るようになった。そして雷を鳴らしては人々を脅すようになった。ミャオ族の人々は</br> 「鳴っている雷が帝俊なのか槃瓠父さんなのか間違えないように。飛んできた雄鶏がダロンなのか帝俊なのか、ようく気をつけて、けっして間違えないように。」</br> と言い合ったのだった。</br></blockquote>
== 具体例 ==