イナンナの楔形文字の表意文字は、葦の鉤状のねじれた結び目で、豊饒と豊穣の象徴である倉の門柱を表している<ref>Jacobsen, 1976</ref>。このロゼットはイナンナのもう一つの重要なシンボルであり、イナンナとイシュタルの習合後にもイシュタルのシンボルとして使われ続けている<ref>Black, Green, 1992, page156</ref>。新アッシリア時代(紀元前911〜609年)には、ロゼットは八芒星に取って代わり、イシュタルの主要なシンボルとなった可能性がある<ref>Black, Green, 1992, pages156–157</ref>。アッシュール市のイシュタル神殿は、多数のロゼッタで飾られていた<ref>Black, Green, 1992, page156</ref>。
イナンナ/イシュタルはライオンと関連しており<ref>Black, Green, 1992, page118</ref><ref>Collins, 1994, pages113–114</ref>、シュメール時代、古代メソポタミア人はライオンを権力の象徴とみなしていた<ref>Black, Green, 1992, page118</ref>。ニップルのイナンナ神殿から出土した緑泥石製の鉢には、大蛇と戦う大きなネコが描かれており<ref>Collins, 1994, pages113–114</ref>、鉢に刻まれた楔形文字には「イナンナと蛇」とあり、ネコが女神を表していると考えられていることが示されている<ref>Collins, 1994, pages113–114,</ref><ref group="私注">これは古代エジプトの「太陽の猫」とアペプのようなものだろうか。</ref>。