ウルリクムミ

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ウルリクムミ(Ullikummi)は、フルリ神話、ヒッタイト神話に登場する巨大な岩の巨人である。 現存する物語はヒッタイト語で書かれており、ボアズキョイで出土した楔形文字のテキストから、フルリ語の「ウルリクムミの歌」の断片が発見されている[1]。「ウルリクムミの歌」は、ヘシオドスによるギリシア神話の前身の物語として、再発見された時から認識されていた。ギリシア神話の雷神ゼウスの敵であるテューポーンとの類似性が、ブルケルトによって明らかにされている[2][3]

ウルリクムミは天候神テシュブ(Teshub)によって神々の王位の座を追われたクマルビ(Kumarbi)が、復讐のために、泉のほとりにあった長さ3ダンナ(1ダンナ=約10.7km)の女性の岩[4]あるいは海の神の娘であるセルタプスルヒ(Sertapsuruhi)との間にもうけた子供である。

成長するまでの間神々から守るため、クマルビの命によりイルシラ(クマルビの侍女に相当する女神達[5])の手で、ウベルリの肩に突き立てて海中に隠された[6]

1日に1アムマトゥ(40cm)、1月に1イクー(8400平方m)[7]成長するとされ、成長中の知恵もなく、目も耳も効かない状態ですら、イシュタルの誘惑やテシュブの攻撃を受け付けず、ついには天界のテシュブの住居にまで達するほどに成長し、神々の援護を受けたテシュブの攻撃すら退けた。

進退窮まった神々はエアに相談、エアは遥か昔に天地を切り分けた刃物(”Kuruzzi":鋸とも)[8]を用いて弱点であるウルリクムミの足を切断するように助言、それを受けたテシュブにより足を切り落とされたウルリクムミは、テシュブたちに憎悪の言葉を語りながら消えていった。

ウルリクヌミの物語

ウルリクヌミの物語は、天候神テシュブにとって代わり、クミヤの都市を破壊しようとしたクマルビ神に関連する「歌」の叙事詩の中で最も保存状態がよく、最も完全な1エピソードである[9]。この目的のためにクマルビは岩の絶壁に性別がなく、聴覚と盲覚を持ち、かつ感覚を持つ火山岩の怪物ウリクムミを産み、冥界に隠し、ウペルリの肩に乗せておいたとされる。瞑想にふけっていたウペルリは、ウルリクヌミが肩にのっているのを感じなかった[10]

ウルリクムミは急速に成長し、天まで届くようになった。ウルリクヌミの兄弟であるテシュブは雷を落とし、ウルリクヌミに雨を降らせたが、ウリクムミは傷つかなかった。テシュブは逃亡し、王位を退いた[11]。テシュブはエアに助けを求めた。


Ullikummi grew quickly until he reached the heavens. Ullikummi's brother Teshub thundered and rained on Ullikummi, but it did not harm him. Teshub fled and abdicated the throne.[lower-alpha 1] Teshub asked Ea for help.[lower-alpha 2] Ea visited Upelluri and cut off the feet of Ullikummi, toppling him [lower-alpha 3][12]

参考文献

  • Wikipedia:ウルリクムミ(最終閲覧日:22-08-15)
    • 筑摩世界文学大系1, 古代オリエント集, 筑摩書房, 1978, isbn:4-480-20601-9

関連項目

参照

  1. See Guterbock (1951).
  2. Burkert, Walter. Oriental and Greek Mythology, pp. 19–24
  3. see also Caucasian parallels in: Burkert (1979) pp 253–261
  4. 筑摩世界文学大系1, 1978, p356
  5. 筑摩世界文学大系1, 1978, p358
  6. 筑摩世界文学大系1, 1978, p359
  7. 筑摩世界文学大系1, 1978, p356
  8. 筑摩世界文学大系1, 1978, p365
  9. Guterbock (1951) p 135.
  10. ウペルリは冥界に立ち、ギリシアのアトラスのように大地と空を肩に乗せている。ウルリクムミのような単なる巨人はほとんど目立たないが、ウルリクムミが成長するとウペルリの肩に少し痛みを感じるようになる。
  11. 天候神とその宰相で弟のタスミスは、タスミスがテシュブの妻ヘバトに語ったように、ウリクムミとの最初の戦いで敗れ、その結果テシュブは「小さな場所」、おそらく墓に追放された。
  12. Haas, Volkert (2006) pp 130-176.


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