「カー・イボルメース」の版間の差分
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2022年11月15日 (火) 06:25時点における版
アイルランド神話では、カー・イボルメース(Caer Ibormeith)はコナハトのシド・ウアムイン(Sid Uamuin)の王子エサール・アヌブアイル(Ethal Anbuail)の娘である。1年以上続いたオェングスの夢の中で、カー・イボルメースがベッドの横に立っていたが、オェングスが手を伸ばすと彼女は消えてしまうのだった[1]。カーはサムハインのたびに、日没から1日だけ人間の姿になり、その後は白鳥に戻り、その姿で1年間過ごし、次のサムハインで再び人間の姿になった。
オェングスは夢の中のこの少女を探して竜の口の湖に行き、150人の少女が二人一組で鎖につながれているのを見つけた。その中に彼の少女カー・イボルメースもいた。オェングスは白鳥の姿のカーを見分けることができれば、カーと結婚してもいいと言われた。その後、オェングスは白鳥に変身し、スレイン近くのボイン川にあるオェングスの住居であるブルナ・ボイン(宮殿)へと飛び去った。二人は美しい音楽を歌いながら移動し、アイルランド中の聴衆を三日三晩眠らせたという[2]。カーはトゥアハ・デ・ダナーンのオェングスと結婚し、ディルムッドの養母となった。
フィオヌアラ(Fionnuala)とリールの子供たちの物語とは、白鳥に変身するというモチーフを共有している。白鳥とそれに付随する鶴(「グルース("grús")」)は、アイルランド神話において、特に後者の場合、飛行、陸上、水中を自在に操り、異世界に転移できる不思議な生物として崇敬されている。また、鶴は陸に上がると直立することから、人間の姿に戻る変身を連想させる鳥である。
参考文献
- Wikkipedia:Caer Ibormeith(最終閲覧日:22-11-14)
- Jeffrey Gantz. 1982. Early Irish Myths and Sagas. Penguin.
関連項目
- オェングス:カーの夫。
- コレー:カーはギリシア神話のコレーに相当するのではないだろうか。
参照
- ↑ https://aliisaacstoryteller.com/2015/10/06/the-aisling-not-so-sweet-dreams-in-irish-mythology/, The Aisling Not so Sweet Dreams in Irish Mythology, 2015-10-06, aliisaacstoryteller, 2017-12-09
- ↑ The Dream of Oengus , https://web.archive.org/web/20131124041701/http://www.maryjones.us/ctexts/oengus.html# , 2013-11-24 , The Celtic Literature Collective