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2025年1月3日 (金) 05:00時点における版
アペプ(Apep)は、エジプト神話における悪の化身。古代エジプト語での名は他に、アーペプ(アアペプ、Aapep)、アペピ(Apepi)、アピペ(Apipe)、アポペ(Apope)などが挙げられる。古代エジプト語のヒエログリフは、母音を明確に記述しないため本来の発音は、はっきりしない。古典ギリシア語転記であるアポピス(Αποφις, Apophis)でもよく知られる。
概要
闇と混沌を象徴し、その姿は、主に大蛇として描かれる。蛇は、古代エジプト人にとって身近で畏怖される存在であった。太陽の運行を邪魔するのでラーの最大の敵とされる。ラーはマアトの擁護者であったため、アペプには「混沌の主」という称号が与えられた。「混沌の王」は巨大な蛇または大蛇とみなされ、ナイル川の蛇や邪悪な竜などの称号が付けられた。一部の説では、彼の体長は16ヤードで、頭は火打ち石でできていたとされている。
アポピスは、世界が誕生する前のヌンに象徴される原始の水の中から生まれた。世界の秩序が定まる前に生まれたので秩序(マアト)を破壊しようとすると考えられた。あるいは、元は太陽神としての役割を担っていたが、それをラーに奪われたため彼を非常に憎み、敵対するようになった。ここからラーの乗る太陽の船の運航を邪魔し、日食を起こすと考えられた。
冥界に捕えられており、ここを死者の魂が通ると襲う。死者の書は、アポピスから身を守る方法が描かれているとされた。またラーの乗る太陽の船が通過する時にセトが船を守りアポピスを打ち倒すため、天敵といわれている。しかし時代が下ると、その邪悪さのためにセトと同一視された。
歴史
ナカダI期(紀元前4000年頃~紀元前3550年頃)のC陶器のボウル(現在はカイロ所蔵)には、内縁に蛇が描かれており、他の砂漠や水生動物と組み合わされている。太陽神と思われる神が大きな手漕ぎ船で目に見えない形で狩りをしており、蛇は彼の敵である[1]。内縁の蛇はアペプであると考えられています。
神話におけるアペプの起源に関する記述は少ないが、通常はラーの後に、通常はラーのへその緒から生まれたとされている。アペプは太古の混沌のヌンの水の中で太古の昔から存在していたと一般に信じられている[2]。
参考文献
- Wikipedia:アペプ(最終閲覧日:25-01-01)
関連項目
- アポフィス (小惑星) - 命名の由来となった
脚注
- ↑ C. Wolterman, in Jaarbericht van Ex Oriente Lux, Leiden Nr.37 (2002).
- ↑ The Complete Gods And Goddesses Of Ancient Egypt