「阿陀加夜努志多伎吉比売」の版間の差分

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* 多伎神社(島根県出雲市多伎町多岐) - 主祭神{{Unbulleted list|式内社の多伎神社に比定される。[[享保]]2年成立の[[地誌]]である『雲陽誌』では祭神が阿陀加夜努志命・多伎吉比賣命と二神に分離して記されている{{Sfn|蘆田|1930|p=334}}{{Sfn|藪|1983b|pp=595-599}}。[[明治]]期の「[[神社明細帳]]」では[[宗像三女神]]が祭神に挙げられているが、[[記紀]]に登場しない神であったために似た音を持つ[[タギツヒメ]]を当てたものだと考えられている{{Sfn|藪|1983b|pp=595-599}}。『出雲国風土記』神門郡の神祇官社である多吉社に比定される{{Sfn|中村|2015|pp=137, 194-196, 277}}。}}
 
* 多伎神社(島根県出雲市多伎町多岐) - 主祭神{{Unbulleted list|式内社の多伎神社に比定される。[[享保]]2年成立の[[地誌]]である『雲陽誌』では祭神が阿陀加夜努志命・多伎吉比賣命と二神に分離して記されている{{Sfn|蘆田|1930|p=334}}{{Sfn|藪|1983b|pp=595-599}}。[[明治]]期の「[[神社明細帳]]」では[[宗像三女神]]が祭神に挙げられているが、[[記紀]]に登場しない神であったために似た音を持つ[[タギツヒメ]]を当てたものだと考えられている{{Sfn|藪|1983b|pp=595-599}}。『出雲国風土記』神門郡の神祇官社である多吉社に比定される{{Sfn|中村|2015|pp=137, 194-196, 277}}。}}
 
* 市森神社(島根県出雲市[[稗原村|稗原町]]) - 主祭神{{Unbulleted list|社伝では祭神が鎮座した地を加夜里の加夜床とし、[[元禄]]12年に現在地へ移転したとする{{Sfn|島根県神社庁|1981|pp=79-80, 282}}。また、祭神の母神を[[朝山神社]](出雲市[[朝山村 (島根県簸川郡)|朝山町]])の祭神である玉邑比売命とする{{Sfn|島根県神社庁|2024}}。 『出雲国風土記』神門郡の不在神祇官社である加夜社に比定される{{Sfn|中村|2015|pp=137, 194-196, 277}}が、[[近世#日本|近世]]は加夜社を多岐村の加夜堂(現:出雲市多伎町多岐)に比定する説が伝播していた{{Sfn|関|1999|pp=29-31, 73-74}}。}}
 
* 市森神社(島根県出雲市[[稗原村|稗原町]]) - 主祭神{{Unbulleted list|社伝では祭神が鎮座した地を加夜里の加夜床とし、[[元禄]]12年に現在地へ移転したとする{{Sfn|島根県神社庁|1981|pp=79-80, 282}}。また、祭神の母神を[[朝山神社]](出雲市[[朝山村 (島根県簸川郡)|朝山町]])の祭神である玉邑比売命とする{{Sfn|島根県神社庁|2024}}。 『出雲国風土記』神門郡の不在神祇官社である加夜社に比定される{{Sfn|中村|2015|pp=137, 194-196, 277}}が、[[近世#日本|近世]]は加夜社を多岐村の加夜堂(現:出雲市多伎町多岐)に比定する説が伝播していた{{Sfn|関|1999|pp=29-31, 73-74}}。}}
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=== 阿陀萱神社(鳥取県米子市橋本) ===
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祭神:'''阿陀加夜奴志多岐喜比賣命'''、多紀理姫命、多岐都姫命、市杵島姫命、譽田別尊、武内宿禰命、'''八耳命'''、大山祇命、倉稲魂命、素盞嗚命<ref>[https://tottori-jinjacho.jp/pages/347/ 阿陀萱神社]、鳥取県神社庁(最終閲覧日:24-12-19)</ref>
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2024年12月19日 (木) 15:18時点における版

アダカヤヌシタキキヒメ(阿陀加夜努志多伎吉比売、阿陀加夜奴志多岐喜比賣)は、日本神話に登場する神。

概要

『出雲国風土記』神門郡の多伎郷条に登場し、親神にオオナモチが伝わる。他には見られない[1][2][3]。島根県松江市東出雲町にある出雲郷(あだかや、あだかえ、あだかい)の地の神とされる[4][5][6]

記述

出雲国風土記

神門郡

多伎郷。郡家の南西二十里にある。所造天下大神の御子である阿陀加夜努志多伎吉比売命が、ここにいらっしゃる。よって、この地を多吉と言うようになった。神亀三年に字を多伎とした。[7]

考証

『出雲国風土記』意宇郡に不在神祇官社として阿太加夜社が記載されており[8]、前掲の神門郡の記述と関連付けて考察されている。神名は意宇郡にある出雲郷の守護神だった後、多伎に来て鎮座された神の意であるとされ[9][10]、阿陀加夜の努志(主)・多伎吉の比売([姫)と区分できることから、主を称する阿陀加夜の方が本拠地であると考えられている[11]。カヤの語から『延喜式』巻八に収録されている祝詞「出雲国造神賀詞」に見えるカヤナルミ(賀夜奈流美命)と同一神とする説があり[12][13][14]、さらに阿陀加夜努志をカムヤタテヒメ(神屋楯比売)の名から取った大高屋主の意、多伎吉比売を高比売と同義と見て、シタテルヒメとも同一神であるとする説も提示されている[15][16]

祀る神社

阿陀萱神社(鳥取県米子市橋本)

祭神:阿陀加夜奴志多岐喜比賣命、多紀理姫命、多岐都姫命、市杵島姫命、譽田別尊、武内宿禰命、八耳命、大山祇命、倉稲魂命、素盞嗚命[18]

脚注

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注釈

出典

  1. 中村, 2015, p137, 194-196, 277
  2. 植垣, 1997, p231
  3. 島根県古代文化センター, 2014, p169
  4. 島根県古代文化センター, 2014, p169
  5. 加藤, 1962, p359-360
  6. 関, 1999, p29-31, 73-74
  7. 中村, 2015, p137, 194-196, 277
  8. 中村, 2015, p137, 194-196, 277
  9. 島根県古代文化センター, 2014, p169
  10. 加藤, 1962, p359-360
  11. 関, 1999, p29-31, 73-74
  12. 鈴木, 1940, p557-558
  13. 敷田, 1895, loc:13丁
  14. 次田, 2008, p534
  15. 鈴木, 1940, p557-558
  16. 次田, 2008, p534
  17. 鳥取県神社誌編纂委員会, 2012, p301-302
  18. 阿陀萱神社、鳥取県神社庁(最終閲覧日:24-12-19)

参考文献

関連項目

  • トリナルミ - 他にカヤナルミと同一神とする説がある神。

外部リンク