「大国魂神」の版間の差分
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* [[那波八郎]]:群馬県高崎市倉賀野町にある倉賀野神社の縁起譚の主人公。生きているときは良い人だったのに、死ぬと祟り神に豹変する。信濃国あたりを中心にして、古代末期から近代に至るまで、この手の神はよくよく好まれように感じる。そして、関東では特に中世の武士的な豪快な伝承が目立つように思う。 | * [[那波八郎]]:群馬県高崎市倉賀野町にある倉賀野神社の縁起譚の主人公。生きているときは良い人だったのに、死ぬと祟り神に豹変する。信濃国あたりを中心にして、古代末期から近代に至るまで、この手の神はよくよく好まれように感じる。そして、関東では特に中世の武士的な豪快な伝承が目立つように思う。 | ||
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+ | * Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E5%8D%81%E7%A5%9E 八十神](最終閲覧日:24-12-07) | ||
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2024年12月7日 (土) 08:16時点における版
大国魂神(おおくにたましん)は、群馬県高崎市倉賀野町にある倉賀野神社では、「大国主神(おおくにぬしのかみ)の荒魂(あらみたま)である」とされている。この「荒魂」とは具体的にどのようなものなのだろうか。
神話
大国主神の神話は『古事記』、『出雲国風土記』に記述されている。
『古事記』において大穴牟遅神の兄弟とされる八十神は[1]、神話では大穴牟遅神を荷物持ちとして八上比売へ求婚する旅に出かけたとされる。その途中、海辺で怪我をして泣いている赤裸の兎を見つけるが、海水に浸かり風に当たれば治るという嘘の治療法を教え、兎を更に苦しませる。その後八十神達は次々に八上比売へと求婚するが悉く断られ、逆に八上比売は八十神達の後で兎を助けた大穴牟神と結婚することを宣言する。逆恨みした八十神達は、山の大きな猪を追い落とすから下で受け止めるようにと大穴牟遅神を脅し、真っ赤に焼けた大岩を落として大穴牟遅神を殺してしまう。母親の刺国若比売の働きかけによって一段と麗しくなって蘇生した大穴牟遅神だが、再び八十神達の仕掛けた罠によって命を落とす。再び蘇生させた刺国若比売は、木の国の大屋毘古神の元へ逃げるよう勧めるが、そこへも八十神達は追いかけていく。そこで根之堅洲国へ逃れ、遠つ祖の須佐之男命の試練を受け、その娘の須勢理毘売命と結婚した大穴牟遅神は、再び地上に戻ると須佐之男命の神宝である生大刀、生弓矢を使って八十神達を平定し、地上の主・大国主神となった。
『出雲国風土記』の大原郡来次郷では、所造天下大神(大国主神)が「八十神は、青垣山の裏にはいさせまい」と言って追い払ったとされる。
神名の「八十」とは「多くの」という意味であり、八十神とは「多くの神々」という意味で具体的な数ではない。
私的解説
大国主命は、八十神と対立し兎神を助けるところまでは「黄帝型神」といえる。しかし、八十神に殺された後は母の力によって再生するも、須佐之男命の神宝を持って生き返っている。また、須佐之男命の言ったとおりに国を平定し、宮殿を建てる。しかも須佐之男命の太刀や弓矢を使ってこれをなしているのだから、まるで彼に須佐之男命が乗り移っている、というか、大国主命が地上における須佐之男命の代理人といおうか、死して蘇った大国主命は須佐之男命そのもののようである。とすれば、彼の妻の須勢理毘売とは、地上から形代を呼び寄せて、その形代の中に父親(須佐之男命)の魂を吹き込む女神といえる。そして、大国主命と共に地上に蘇るのだから、須勢理毘売とは、須佐之男命の妻も同然である。地上において、彼女が大国主命の正妻となるのは、その血筋の良さのみならず、冥界にいる時から、彼女が須佐之男命の正妻だったからではないだろうか。
大国魂神の名を名乗るとき、大国主命はギリシア神話のアドニースと似た機能を持ち、冥界のハーデース(穀物神)を生き返らせるために入れ替える人身御供の役を果たすように思える。いわば、メソポタミア神話のドゥムジである。だから、蘇った大国魂神は疫神である須佐之男命そのものなのだ。
関連項目
- 那波八郎:群馬県高崎市倉賀野町にある倉賀野神社の縁起譚の主人公。生きているときは良い人だったのに、死ぬと祟り神に豹変する。信濃国あたりを中心にして、古代末期から近代に至るまで、この手の神はよくよく好まれように感じる。そして、関東では特に中世の武士的な豪快な伝承が目立つように思う。
参考文献
- Wikipedia:八十神(最終閲覧日:24-12-07)
脚注
- ↑ 広辞苑