「奈具神社」の版間の差分

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'''奈具神社'''(なぐじんじゃ)は、京都府宮津市由良にある神社である。式内社。丹後加佐郡十一座の一社でもある。
 
'''奈具神社'''(なぐじんじゃ)は、京都府宮津市由良にある神社である。式内社。丹後加佐郡十一座の一社でもある。
  
 
== 祭神 ==
 
== 祭神 ==
伊勢神宮外宮の祭神である豊受大神と同一で、羽衣伝承の天女でもある豊宇賀能賣命(トヨウケビメノミコト)が祭神である。
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伊勢神宮外宮の祭神である豊受大神と同一で、羽衣伝承の天女でもある豊宇賀能賣命(とようかのめのみこと)が祭神である。
  
 
* 豊宇賀能賣命
 
* 豊宇賀能賣命
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== 由緒 ==
 
== 由緒 ==
[[丹後国風土記]]によると「ここに来りてわが心奈具志久(なぐしく)なれり」とあり、奈具神社の由来はこの奈具志久(おだやかに)という言葉による。
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丹後国風土記によると「ここに来りてわが心奈具志久(なぐしく)なれり」とあり、奈具神社の由来はこの奈具志久(おだやかに)という言葉による。
  
 
<blockquote>昔、丹波の郡比治の真奈井に天下った天女が、和奈佐の老夫婦に懇願されて比治の里にとどまり、万病に効くという酒を醸して、老夫婦は莫大な富を得ました。しかし、悪念を抱いた老夫婦はやがて天女に、 汝は吾が子ではないと追い出してしまいました。
 
<blockquote>昔、丹波の郡比治の真奈井に天下った天女が、和奈佐の老夫婦に懇願されて比治の里にとどまり、万病に効くという酒を醸して、老夫婦は莫大な富を得ました。しかし、悪念を抱いた老夫婦はやがて天女に、 汝は吾が子ではないと追い出してしまいました。
 
天の原ふりさけみれば霞立ち 家路まどいて行方しらずも
 
天の原ふりさけみれば霞立ち 家路まどいて行方しらずも
と詠い、比治の里を退き村々を遍歴の果てに、舟木の里の奈具の村にやってきました。 そして「此処にして我が心なぐしく成りぬ」(わたしの心は安らかになりました)と云って、この村を安住の地としました。 此処で終焉を迎えた[[天女]]は村人たちによって、[[トヨウケビメ|豊宇賀能売命]](とようかのめのみこと)として祀られました。 これが[[竹野郡 (京都府)|竹野郡]]の奈具の社です。|境内案内板「[[延喜式神名帳|延喜式内]] 奈具神社の[[祭神]]について」より}}</blockquote>
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と詠い、比治の里を退き村々を遍歴の果てに、舟木の里の奈具の村にやってきました。 そして「此処にして我が心なぐしく成りぬ」(わたしの心は安らかになりました)と云って、この村を安住の地としました。 此処で終焉を迎えた天女は村人たちによって、豊宇賀能売命(とようかのめのみこと、トヨウケビメ)として祀られました。 これが竹野郡 (京都府)の奈具の社です。(境内案内板「延喜式神名帳 奈具神社の祭神について」より)</blockquote>
  
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丹波には豊宇賀能売命が稲作を行い、酒を造ったという伝承が残る[[天甕津日女命|多久神社]]がある。
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である。元に「'''天から降りてきた鳥仙女が産業を教えて豊穣をもたらした'''」という物語があり、それがそれぞれに発展した物語となった、と考える。鳥仙女の失踪は、彼女が何らかの罰を受ける存在、とされていたであろうことが示唆される。
  
 
== アクセス ==
 
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* 京都丹後鉄道京都丹後鉄道宮舞線丹後由良駅から北西約900m
 
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== 関連項目 ==
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* [[鶴の恩返し]]
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== 参考文献 ==
 
== 参考文献 ==
* 境内案内板「延喜式内 奈具神社の祭神について」
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* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%88%E5%85%B7%E7%A5%9E%E7%A4%BE 奈具神社](最終閲覧日:22-03-26)
* 坂本勝(監修)『図説 日本人の源流を探る 風土記』青春出版社、2008年
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** 境内案内板「延喜式内 奈具神社の祭神について」
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** 坂本勝(監修)『図説 日本人の源流を探る 風土記』青春出版社、2008年
  
 
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2022年6月19日 (日) 23:02時点における最新版

奈具神社
他の名:奈具社
所在地:京都府宮津市由良宮ノ上3537-1
祭神:豊宇賀能賣命(とようかのめのみこと)
創建:不明
社格:式内社(小)
旧村社
例祭:10月11日

奈具神社(なぐじんじゃ)は、京都府宮津市由良にある神社である。式内社。丹後加佐郡十一座の一社でもある。

祭神[編集]

伊勢神宮外宮の祭神である豊受大神と同一で、羽衣伝承の天女でもある豊宇賀能賣命(とようかのめのみこと)が祭神である。

  • 豊宇賀能賣命

祭礼日[編集]

  • 祈年祭 - 4月10日
  • 例祭 - 10月10日
  • 新嘗祭 - 11月23日

由緒[編集]

丹後国風土記によると「ここに来りてわが心奈具志久(なぐしく)なれり」とあり、奈具神社の由来はこの奈具志久(おだやかに)という言葉による。

昔、丹波の郡比治の真奈井に天下った天女が、和奈佐の老夫婦に懇願されて比治の里にとどまり、万病に効くという酒を醸して、老夫婦は莫大な富を得ました。しかし、悪念を抱いた老夫婦はやがて天女に、 汝は吾が子ではないと追い出してしまいました。

天の原ふりさけみれば霞立ち 家路まどいて行方しらずも

と詠い、比治の里を退き村々を遍歴の果てに、舟木の里の奈具の村にやってきました。 そして「此処にして我が心なぐしく成りぬ」(わたしの心は安らかになりました)と云って、この村を安住の地としました。 此処で終焉を迎えた天女は村人たちによって、豊宇賀能売命(とようかのめのみこと、トヨウケビメ)として祀られました。 これが竹野郡 (京都府)の奈具の社です。(境内案内板「延喜式神名帳 奈具神社の祭神について」より)

丹波には豊宇賀能売命が稲作を行い、酒を造ったという伝承が残る多久神社がある。

「鶴の恩返し」との比較・私見[編集]

奈具神社由来譚 鶴の恩返し
主人公 天女
職能 酒作り 織女
失踪の原因 いじめ 禁忌(見るな)破り

奈具神社由来譚と、いわゆる「鶴の恩返し」とでは、物語の構成に類似点がある。

  • 起:空から降りてきた女性が「娘」として老夫婦の家に入り込む。
  • 承:娘には得意とする職能がある。それが、老夫婦に豊穣をもたらす。
  • 転:娘は失踪する。原因は老夫婦にある。(理由の不明な意地悪や禁忌破りである。)
  • (結:豊穣の産物はそのまま老夫婦に残る?)

である。元に「天から降りてきた鳥仙女が産業を教えて豊穣をもたらした」という物語があり、それがそれぞれに発展した物語となった、と考える。鳥仙女の失踪は、彼女が何らかの罰を受ける存在、とされていたであろうことが示唆される。

アクセス[編集]

  • 京都丹後鉄道京都丹後鉄道宮舞線丹後由良駅から北西約900m

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Wikipedia:奈具神社(最終閲覧日:22-03-26)
    • 境内案内板「延喜式内 奈具神社の祭神について」
    • 坂本勝(監修)『図説 日本人の源流を探る 風土記』青春出版社、2008年