</blockquote>
という神話がそもそもあったのかもしれないと思う。インド神話では神々の不死の霊薬を盗み出すのは、鳥神ガルダである。神々の霊薬とされるアムリタは結局神々の元に返されるが、経緯は不明だが地上には地上で、人間用の霊薬であるソーマがもたらされることになっている。とすれば、この「不死の霊薬(酒)の作り方を人類に教えた鳥仙女」こそが、嫦娥の原型だったのではないか、と思われる。それは、元々彼女の持ち物だったのである。そして、その由来譚が日本に伝播する前に、すでに「罰を受ける女神」の要素が彼女の物語の中に入り込むことになったのだと思われる。という神話がそもそもあったのかもしれないと思う。インド神話では神々の元から不死の霊薬を盗み出すのは、鳥神ガルダである。神々の霊薬とされるアムリタは結局神々の元に返されるが、経緯は不明だが地上には地上で、人間用の霊薬であるソーマがもたらされることになっている。とすれば、この「不死の霊薬(酒)の作り方を人類に教えた鳥仙女」こそが、嫦娥の原型だったのではないか、と思われる。それは、元々彼女の持ち物だったのである。そして、その由来譚が日本に伝播する前に、すでに「罰を受ける女神」の要素が彼女の物語の中に入り込むことになったのだと思われる。
== 扶桑と養蚕 ==