3,241 バイト追加
、 2022年10月18日 (火) 23:24
'''ガオケレナ'''は、ペルシャ神話、ゾロアスター教の伝説に登場する"白きハオマの巨木(生命の植物)。世界海[[ヴォウルカシャ]]([[:en:Vourukasha]])の中心に立つとされ、1万の癒しの植物に囲まれた、"癒しの木の王"とも呼ばれる<ref name="vendidadplxix">[[ヴォウルカシャ#Darmesteter|Darmesteter]], Introduction, Pg lxix</ref>。この植物は食すと癒しをもたらし、死者を復活させ不老不死にする。[[ハオマ]] (Haoma)は、ゾロアスター教において重視される神酒の名でもあり、この植物の実から作られるとされる、不老不死の霊薬である。ガオケレナは「'''雄牛の角'''」「'''雌牛の耳'''<ref group="私注">これは言葉どおり、雌牛の体の一部としての「耳」ではなくて、雄牛が雌牛の耳の役割をする、という意味ではないだろうか。</ref>」の意である。
== 神話 ==
悪霊がトカゲとカエルを作り、この木を攻撃しようとしたが、10匹のカラ魚と9個の口と6個の目を持つ[[ロバ]]によって保護された。またこの木には、[[シームルグ]]が巣を作っている。
== すべての種の実る木 ==
[[ヴェンディダード]]([[:en:Vendidad|Vendidad]])によると、ヴォウルカシャの中心には"すべての種の実る木"、Harvisptokhmがあるとされ、この木は世界に存在するすべての植物の種を含むとされる<ref name="vendidadp54">[[ヴォウルカシャ#Darmesteter|Darmesteter]], Pg 54</ref>。木の上には大枝を破壊し、種をまき散らす原因となるSinamruの鳥が棲んでいる<ref name="vendidadp54" />。
この木は[[アヴェスター]]においては[[エデンの園|太古の海]]にある[[生命の樹 (旧約聖書)|二本の大木のうちの一本]]とされている<ref name="伝説の英雄とモンスターp138">[[シームルグ#伝説の英雄とモンスター,西東社 (2008)|伝説の英雄とモンスター,西東社 (2008)]]、138頁</ref>。Sinamru鳥は[[シームルグ]]の別名、あるいは原型ともされ<ref>{{Cite web|title=sinamru|url=https://therealsamizdat.com/category/sinamru/|website=Samizdat|accessdate=2020-04-16|language=en|last=Samizdat}}</ref>、シームルグが棲んでいるのはHarvisptokhmの方であるとも考えられる。
== 出典 ==
<references group=""></references>
== 参考文献 ==
* {{cite book|title=[[東方聖典叢書|The Sacred Books of the East]], Vol 4: [[アヴェスター|The Zend Avesta]], Part I:[[:en:Vendidad|The Vendidad]]|first=James|last=Darmesteter|authorlink=ジャーム・ダルメステテール|publisher=[[オックスフォード大学出版局]]|date=1880|ref=Darmesteter}}
== 関連項目 ==
* [[ハオマ]]
* [[ヴォウルカシャ]]
* [[シームルグ]]
* [[不老不死の薬]]
* [[炎帝神農|炎帝]]:中国神話の牛の神。
** [[盤古]]:死して体の一部が樹木に化生する神。
** [[蚩尤]]:死して体の一部が樹木に化生する神。
{{DEFAULTSORT:かおけれな}}
[[Category:イラン神話]]
[[Category:ゾロアスター教]]
[[Category:樹木神]]