== 天地修復 ==
『[[淮南子]]』「覧冥訓」には、女媧が天下を補修した説話を載せている。古の時、天を支える四極の柱が傾いて、世界が裂けた。天は上空からズレてしまい、大地は割れ、すべてを載せたままでいられなくなった。火災や洪水が止まず、猛獣どもが人を襲い食う破滅的な状態となった。女媧は、五色の石を錬(ね)りそれをつかって天を補修し(錬石補天)、大亀の足で四柱に代え、黒竜の体で土地を修復し、芦草の灰で洪水を抑えたとある『淮南子』「覧冥訓」には、女媧が天下を補修した説話を載せている。古の時、天を支える四極の柱が傾いて、世界が裂けた。天は上空からズレてしまい、大地は割れ、すべてを載せたままでいられなくなった。火災や洪水が止まず、猛獣どもが人を襲い食う破滅的な状態となった。女媧は、五色の石を錬(ね)りそれをつかって天を補修し(錬石補天)、大亀の足で四柱に代え、黒竜の体で土地を修復し、芦草の灰で洪水を抑えたとある<ref name="松村" />。
== 祭祀 ==
武梁祠などの石室に画像が描かれている(武氏墓群石刻)。下半身が蛇体となった姿をしており、女媧と伏羲とがからみあった形状で描かれる。[[清]]の時代には瞿中溶によって『漢武梁祠画像考』が編まれている武梁祠などの石室に画像が描かれている(武氏墓群石刻)。下半身が蛇体となった姿をしており、女媧と伏羲とがからみあった形状で描かれる。清の時代には瞿中溶によって『漢武梁祠画像考』が編まれている<ref name="聞石室" />。
[[道教]]に取り込まれてのち仏教の[[神仏習合]]の理論の上では、[[阿弥陀如来]]によって遣わされ、出現したばかりの地上の世界を造った中国の伝説上の存在として伏羲と共に説かれた。日本でも仏教側の立場から編まれた神道論集の一つである『諸神本懐集』(14世紀)では女媧の本地は宝吉祥菩薩([[勢至菩薩]]・月天子)であるとの[[唐]]の時代の説が収録されている道教に取り込まれてのち仏教の神仏習合の理論の上では、阿弥陀如来によって遣わされ、出現したばかりの地上の世界を造った中国の伝説上の存在として伏羲と共に説かれた。日本でも仏教側の立場から編まれた神道論集の一つである『諸神本懐集』(14世紀)では女媧の本地は宝吉祥菩薩(勢至菩薩・月天子)であるとの唐の時代の説が収録されている<ref>[[大隅和雄]] 編 『中世神道論』日本思想大系19巻 [[岩波書店]] 1977年 203-205頁</ref>。
女媧と伏羲の組み合わせが地上のはじめの男女であるという定義は中国の民間宗教にも広く用いられており、『龍華経』でも人間たちの祖先としてつくりだされた世のはじまりの陰陽一対の存在の名として張女媧と李伏羲<ref>沢田瑞穂 『校注 破邪詳弁』 道教刊行会 1972年 170頁</ref>という名が記されている。