「動物番」の版間の差分
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* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=64 蛇の女王]:スイス。男主人公は牧童なので動物番の要素も含む。蛇の女王を助けるのは女主人公であって、やや変則的な話となっている。 | * [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=64 蛇の女王]:スイス。男主人公は牧童なので動物番の要素も含む。蛇の女王を助けるのは女主人公であって、やや変則的な話となっている。 | ||
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2022年9月8日 (木) 14:17時点における版
貧しい動物番の若者が難題を解いて王女等と結婚する説話物語群。難題婿の一形態であって、難題を課すのは舅であることが多いが、王女自身が課すものもある。西欧の民話に多い。
特に物語の中にイデオロギー的な要素は乏しい。ただし、主人公に兄達あるいは先行する求婚者達がいて、難題に失敗すると殺されてしまう、というエピソードが付加されている物語があり、彼らはおそらく人身御供にされてしまったのであろう、ということが暗喩されている内容のものもある。
内容は
貧しい若者(多くは末息子)が王女に求婚に出かける、あるいは王家の動物番の仕事を求めて出かけるが、途中で困っている人を助けて、動物を番するコツを教えて貰う。動物番に成功するコツは特殊な笛を使う点にあることが多い。先行する求婚者達は困っている人を助けなかったので成功せず、王様に捕らえられたり、殺されたりしている。若者は援助者の助言の通りにふるまい王女を手に入れる。
というものである。
動物を助けたことによって結婚を手に入れるいわゆる「蜂の援助」譚も、動物番の類型と考える。助けた相手が困っている人(神仙の類い)から動物に直接親切にするという形に変化したものと思われる。
私的考察
いわゆる「炎黄闘争」が変化した話型であると考える。「黄帝」に相当する「動物番の若者」が成功を得る話である。黄帝が動物を調教することに巧みであった、という要素から発生したものではないか、と思う。人身御供を行う者を罰する、という要素は乏しいと考えるが、人身御供の形跡を伺わせるエピソードを含む物語もある。
例話
動物番型
- オズボーンの笛(オズボルンの笛):ノルウェー
- 三本の金髪のある王女:ドイツ
部分的動物番型
主人公は動物番をするが、それが直接的な求婚の成功には結びつかない群。
- 洗礼式に招かれたトロル:デンマーク。動物番の若者が知恵でトロルを退ける話。婚姻譚は省かれている。
- ばらの姫:オーストリア。動物番というよりは怪物退治の要素が強い話。ただし、蜂の女王に助けて貰うなど、蜂の援助譚に近い内容が含まれている。
- 雪のように白い石:スイス。主人公が牧童である、というだけだが、姿を消す魔法のアイテムを手に入れる話であり、元は動物番に類する話があったものと思われる。
蜂の援助型
- まったらこうよ:長野県。蜂を助けるエピソードが省かれているが、かなり典型的な「蜂の援助型」ではないかと思う。
- 蛇の女王:スイス。男主人公は牧童なので動物番の要素も含む。蛇の女王を助けるのは女主人公であって、やや変則的な話となっている。