== 名の由来 ==
ルンペルシュティルツヒェン (Rumpelstilzchen) とは、ガタゴト鳴る柱(Rumpel = ガタゴトという音、騒々しい。Stilz = ものを支える柱)に擬人的な意味合いで指小辞(-chen) を添えたものであり、「妖怪がたごと柱さん」といったような意味である。Rumpelstilt または Rumpelstilz と呼ばれるゴブリンの一種は柱を鳴らしたり板をたたいたりする存在で、Rumpelgeist や Poltergeist(ポルターガイスト)など家で物音を立てたり家ごと揺らしたりする妖怪に似たものである。
== 私的解説 ==
いわゆる「名前当て」の類話は、人の命を求める悪神と何らかの取引をして、相手の名前を当てれば恩恵のみを得られるが、名前が分からなければ自分や子供の命、それらに類するものを支払わなければならない、という物語である。西欧ではゲルマン系の物語に多く見られるのではないか、と思う。この物語群の悪神の通り名は「トム・ティット・トット」や「トロール」であって、'''先頭に来る子音に「T」がつく男性形の雷神'''と思われる。トゥンダはまさに、雷神トールが民間伝承化したものである。真名を隠すべし、という信仰は洋の東西に見られ、日本の記紀神話では、阿遅鉏高日子根神(アヂスキタカヒコネ)の正体を下照媛(シタテルヒメ)が暴く、という物語がある。「アヂスキタカヒコネ」の「ア」を接頭語とすれば、この神は「ヂスキタカヒコネ」という通称であるともいえ、先頭に来る子音が「D」であるともいえ、賀茂別雷命と同一視される阿遅鉏高日子根神(アヂスキタカヒコネ)が西欧型の雷神でもあることが示唆されないだろうか。
一方の[[下照媛]]は、中国の[[雷母]]の「人間に化けた獣の正体を暴く」という性質と類似しているように思う。[[雷母]]は道教の女神であって、道教の成立は後漢の頃とされているが、古くからの中国の'''雷神女神'''の概念が受け継がれているのではないだろうか。
== 「名前当て」の類話 ==
* [[阿遅鉏高日子根神]]と[[下照媛]]:下照姫
* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=300 カルンドボルグ教会]:[[トロール]]の物語:主人公(男性)
* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=45 トゥンダ]:トゥンダの物語:隠者:トゥンダの物語:隠者→主人公(男)* ルンペルシュティルツヒェン:王ルンペルシュティルツヒェン:王→主人公(女)
== 関連項目 ==