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2,429 バイト追加 、 2024年12月29日 (日) 15:03
== イラン ==
古代イランでは、インドのデーヴァ(神々)のうちインドラら戦士機能を備えた神はダエーワ(悪魔)とみなされたが、ヴァルナらアスラに由来する神々は神とみなされた<ref>エリアーデ,松村訳, p. 213.(第13章 105 アケメネス朝の宗教)</ref>。ヴァルナに対応するのはアフラ・マズダーで、これらは起源が同じと考えられている<ref name="菅沼編p71" /><ref name="松村2013p103" />。『アヴェスター』にはヴァルナは出てこないが、ミスラと並んで現れる「アフラ」をアフラ・マズダーでなく水神アパーム・ナパートのこととして、インドのヴァルナに対応させる説がある<ref>Mary Boyce, APĄM NAPĀT, イラン百科事典, 2011, II Fasc. 2, p148-150, http://www.iranicaonline.org/articles/apam-napat</ref>。
 
'''アフラ・マズダー''' (Ahura Mazdā) は、ゾロアスター教の最高神である。
 
宗教画などでは、有翼光輪を背景にした王者の姿で表される。その名は「智恵ある神」を意味し、善と悪とを峻別する正義と法の神であり、最高神とされる。娘は女神アールマティ。アフラは天空、マズダーは光を指す言葉であり、アフラ・マズダーは太陽神ともされる。王権神授の神でもある。
 
ゾロアスター教の神学では、この世界の歴史は、善神スプンタ・マンユと悪神アンラ・マンユらとの戦いの歴史そのものであるとされる。
 
そして、世界の終末の日に最後の審判を下し、善なるものと悪しきものを再び分離するのがアフラ・マズダーの役目である。その意味では、彼は善悪の対立を超越して両者を裁く絶対の存在とも言える。ゼーリジュ、ニーラフ、ナーンギーシュ、タルマド、ヘシュム、セビーフ、ビーサジュの七悪魔をアフラ・マズダーは7つの光で包囲し、カイヴァーン(土星)、オフルマズド(木星)、バフラーム(火星)、シェード(太陽)、ナーヒード(金星)、ティール(水星)、マーフ(月)という名をそれぞれに与え「七曜神」とした。これにより天圏が回転し、月と星辰が出没しだしたとされる(月と星の創造)。
 
中世以降の教義では、パフラヴィー語形の'''オフルマズド''' (Ohrmazd)と呼ばれ、アムシャ・スプンタの筆頭スプンタ・マンユと同一視される。
 
この場合、古典的な教義に於けるアフラ・マズダーの役割(善神と悪神の対立の上にある絶対者)はズルワーンが担う。
 
ペルシア七曜神では、アフラ・マズダーは木曜日(木星)とされており、バビロニア神話のマルドゥク、ギリシャ神話のゼウス、北欧神話のトールに対応している。
 
アフラ・マズダーは「光輝き、純粋で、甘く香り、善を成す」という属性を持つ<ref>{{Cite book|title=ゾロアスター教ズルヴァーン主義研究―ペルシア語文献『ウラマー・イェ・イスラーム』写本の蒐集と校訂|date=2012/9/1|year=|publisher=刀水書房}}</ref>。
== ヴァルナに由来する名称 ==

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