* 干ばつ(日月樹を枯らす)
である。雷神は単に雨を降らせたり、雷を落とすだけでなく、もっと全般的な天候に関する災害をもたらすものと考えられていたことが分かる。中国の「鬼」とは、亡くなった人がなるもので、生きている人がこれと不適切な関わりを持ち続けると、その人に死をもたらす不吉な「陰」の存在である。雷神も不適切な態度をとって怒らせると、さまざまな災害を人類にもたらす鬼の一種といえる。
== 雷神とカエル ==
この世に人が増えて怒った天の雷神が「老いた者は死ぬことにする。銅鼓(雷)の音を聞いたら死者の肉を食べよ。」と命じた。若者がこれを悲しみ布洛陀女神に訴えた。女神は「太鼓を叩いて雷神と打ち比べせよ。」と教えた。大勢で叩いたので、雷神に打ち勝つことができた。雷神は息子のカエルに、どうして地上に太鼓があるのか探らせることにした。下界に降りたカエルは人々に同情して、雷神の持っている太鼓を詳しく教えた。人々が雷神と同じ太鼓を作ると大きな音がした。雷神は太鼓を打つのをやめ、'''人も人を食う習慣をやめた'''(広西壮族自治区・壮族)<ref>百田弥栄子『中国の伝承曼荼羅』三弥井民俗選書、1999年、136頁</ref>。
金属器を操る雷神は、火雷神なので蚩尤・祝融だ。布洛陀女神はミャオ族のバロン・ダロン、カエルは共工的に「息子」とされた水雷神のアペ父さんで良いと思う。そうだったんだ、それで'''[[天若日子]]'''は高天原に帰ってこなかったんだ、という流れである。これも火雷神と水神(カエル)との対立神話の一つだ。
== 私的解説 ==