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4,777 バイト追加 、 2024年10月31日 (木)
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ヘレニズム時代(紀元前4世紀~1世紀)に、エジプトのトート神と融合して信仰されるようになった。
 
== 神話 ==
=== 生い立ち ===
ヘルメースは早朝に生まれ、昼にゆりかごから抜け出すと、まもなくアポローンの飼っていた'''牛'''50頭を盗んだ<ref name="G"/><ref>マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル『ギリシア・ローマ神話事典』大修館書店</ref>。ヘルメースは自身の足跡を偽装し、さらに証拠の品を燃やして牛たちを後ろ向きに歩かせ、牛舎から出た形跡をなくしてしまった<ref>マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル『ギリシア・ローマ神話事典』大修館書店</ref>。翌日、牛たちがいないことに気付いたアポローンは不思議な足跡に戸惑うが、占いによりヘルメースが犯人だと知る<ref name="F"/>。激怒したアポローンはヘルメースを見つけ、牛を返すように迫るが、ヘルメースは「生まれたばかりの自分にできる訳がない」とうそぶき、ゼウスの前に引き立てられても「嘘のつき方も知らない」と言った<ref name="G"/>。それを見たゼウスはヘルメースに泥棒と嘘の才能があることを見抜き、ヘルメースに対してアポローンに牛を返すように勧めた<ref name="G"/>。ヘルメースは牛を返すがアポローンは納得いかず、ヘルメースは生まれた直後(牛を盗んだ帰りとも)に洞穴で捕らえた[[カメ|亀]]の甲羅に[[ヒツジ|羊]]の[[腸]]を張って作った竪琴を奏でた<ref name="G"/>。それが欲しくなったアポローンは牛と竪琴を交換してヘルメースを許し、さらにヘルメースが葦笛をこしらえると、アポローンは友好の証として自身の持つケーリュケイオンの杖をヘルメースに贈った(牛はヘルメースが全て殺したため、交換したのはケーリュケイオンだけとする説も。なお、殺した牛の腸を竪琴の材料に使ったとも)<ref name="G"/>。このときアポローンとお互いに必要な物を交換したことからヘルメースは商売の神と呼ばれ、生まれた直後に各地を飛び回ったことから旅の神にもなった。
 
ヘルメースはヘーラーの息子ではなかったが、[[アレース]]と入れ替わってその母乳を飲んでいたため、ヘーラーはそれが分かった後もヘルメースに対して情が移り、彼を我が子同然に可愛がった<ref name="G"/>。
 
=== アルゴス殺し ===
ゼウスは[[イーオー]]という美女と密通していた。これを見抜いたヘーラーはゼウスに詰め寄るが、ゼウスはイーオーを美しい雌牛に変え、雌牛を愛でていただけであるとした。ヘーラーは策を講じ、その雌牛をゼウスから貰うと、百眼の巨人[[アルゴス]]を見張りに付けた。この巨人は身体中に百の眼を持ち、眠る時も半分の50の眼は開いたままであったので、空間的にも時間的にも死角が存在しなかった。ゼウスはイーオー救出の任をヘルメースに命じた。ヘルメースは葦笛でアルゴスの全ての眼を眠らせると、剣を用いてその首を刎ねた。もしくは巨岩を投げ当てて撲殺した。このことから、ヘルメースは「アルゲイポンテース」と呼ばれ、これは「アルゴス殺し」という意味であった。
 
=== 好色 ===
ある時[[アプロディーテー]]に惚れたヘルメースは彼女を口説いたが、まったく相手にされなかった<ref name="G"/>。そこでヘルメースはゼウスに頼んで[[鷲]]を借りてくると、その鷲と泥棒の才能を使ってアプロディーテーの黄金のサンダルを盗んだ<ref name="G"/>。ヘルメースはこのサンダルを返すことを条件に関係を迫り、彼女を自由にした<ref name="G"/>。2人の間には[[ヘルマプロディートス]]と[[プリアーポス]]が生まれた<ref name="G"/>。この他にもミュルミドーンの娘エウポレメイア、[[ペルセポネー]]や[[ヘカテー]]、多数の[[ニュンペー]]たちと関係を持っており<ref name="F"/>、[[アイタリデース]]、[[エウドーロス]]や[[アウトリュコス]]などの子供をもうけている<ref name="G"/>。また、[[パーン (ギリシア神話)|パーン]]もヘルメースの息子とされることがある<ref name="G"/>。
 
=== ギガントマキアー ===
[[ギガントマキアー]]においてヘルメースは[[ハーデース]]の隠れ兜を被って姿を消し、[[ギガース|ギガンテス]]の一人[[ヒッポリュトス]]を倒している<ref name="G"/>。
 
== 関連項目 ==

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