ハヌマーン ー アンラ・マンユ (Angra Mainyu, Aŋra Mainiuu)、アフリマン(Ahriman)
となる。いずれもインド・イラン共通時代以前に別れたのだと考える。善神(アムシャ・スプンタ)の一柱であるウォフ・マナフ (Vohu Manah)には「動物の守護神」としての性格があり、それがハヌマーンという猿神の性格へと変化したのではないだろうか。ヴリトラハンはインドラの別名ではなくて、ヴァーユの別名であり、怪物を倒すことから、性質が軍神よりになり、ヴァーユと一心同体であったインドラにその名が後に移されたものと考える。アンラ・マンユは「悪神」とされているので、やはり「'''悪知恵の神'''」といえる。「'''ハヌマーン、アフリマン、ヘルメース'''」と似たもの同士の名前の「'''悪知恵三兄弟'''」とは言えまいか。
=== 風が水を殺せるのか? ヴァハグンは何を倒したのだろう? ===
ウスラグナのアルメニア版がヴァハグンであって、ヴァハグンはヴィシャップというドラゴンを殺す。インドラはゾロアスター教では「ダエーワ(悪魔)」に分類されるけれども、悪竜蛇を倒した神の側面はヴリトラハンとして分離され、良き軍神・英雄神として残されたのかもしれない。北欧神話ではオーディンはヨルムンガンドという悪蛇と関わるし、神々はこの蛇と戦う。また北欧神話のシグルズはファーヴニルという竜を倒す。