また、アガムメノーンには「クリュタイムネーストラーを、夫でありいとこのタンタロスを殺して奪った。」との神話もあり、タンタロスという名前は饕餮に近い名と思われるので、テーセウスのミーノータウロス退治のような神話をアガムメノーンもかつては持っていたといえる。アガムメノーンがテーセウス、クリュタイムネーストラーがアリアドネー、タンタロスがミーノータウロスである。このように苗族でいえば、鶏英雄のような性質を持つ一方で、日月乙女を拘束して死に至らしめるような雉魔王(天狗)の性質をアガメムノーンは有している。傲慢で非情、所有欲の強い男だった、という点も饕餮を連想させる。アガムメノーンは西洋の異教の雷神がそうであるように、鶏英雄と雉魔王を習合させた合成神だったと思われる。
ダグザの息子オェングスは、中国神話の織女に相当する鳥乙女を妻とし、牛郎織女説話的な「'''天狗'''」の性質を持つ。また蝶を愛人とし、苗族の'''楓蚩尤'''と同様の性質も持つ。ダグザとオェングスは日本神話の須佐之男・五十猛神・御歳神のように、'''饕餮'''('''蚩尤''')の性質を父子に分けて表現した神々なのではないだろうか。ニューグレンジは、冬至に太陽の力をダグザに与える祭祀場であり、だからこそそこはケルトの「雷文」ともいえる多数の渦巻きで装飾されているのだろう。)の性質を父子に分けて表現した神々なのではないだろうか。ニューグレンジは、冬至に太陽の力をダグザに与える祭祀場であり、だからこそそこはケルトの「雷文」ともいえる多数の渦巻きで装飾されているのだろう。それはダグザ、すなわち饕餮の文様である。
=== バアル・ハモン カルタゴ神話 ===