<blockquote>ある伝承によれば(メイヨー県)バロルは単眼にもかかわらず、7層の蓋がかぶせられていた。それは"有毒・烈火の目"で、"最初の蓋をとると蕨が枯れ始め、2枚目をとると芝草が赤銅色に変じ、3枚目で森林や木材が熱をもち、4で木々が発煙、5ですべては赤くなり、6で火花が散り、7ですべては発火して"里山は火の海となる。</blockquote>
とのことなので、これも元はバロールが流星と考えられていたところから来ているのかもしれないと思う。隕石が地上に落ちてくれば、このように大惨事を起こすことがある。台湾のバジの目は、怪光を放って複数の人を殺す力を持っている。バロールは普段目を閉じているが、バジは顔を隠して、人里離れた所に閉じこもって暮らし、食物を家人に運んでもらっていたりする。・・・これって「'''ものぐさ太郎'''」では? と思う管理人である。中国神話の」では? と思う管理人である。ものぐさ太郎は、垢と汚れで素顔を隠す。中国神話の[[饕餮]]も怠け者の男のように描かれる。日本の伝承の「魔眼」はすでに'''「魔眼」を失った姿'''で描かれるのである。
=== 普段は見えていないけれども、時々姿の見える神 ===
台湾のバジとインドネシアのアメタを習合させたかのような名前の神である。この神のトーテムは羊であり、アメン神と同様である。空と植物の神格とのことで、植物神である点は蚩尤と一致する。天狗神は人身御供を要求するので、バアル・ハモンも同様といえる。子供を焼き殺すのは、バアル・ハモンが「火の神」でもあるからではないだろうか。まさにそうやって人身御供を「神に食べさせた」と思われる。
=== 竹取物語・日本の伝承 ===
月の女神のような存在である日本のかぐや姫である。ハイヌウェレ神話の類話といえる。
<blockquote>竹取の翁が竹の中から発見した少女は美しいかぐや姫に育つ。多くの男から求婚されるが、難題を吹きかけて断ってしまう。帝からも求婚されるが、かぐや姫は「月に帰らなければならない」と断る。翁は姫を塗り籠めに閉じ込め、帝は家来を送って姫を守り、月に返すまいとする。ところが月からやってきた使者を見ると、武士達は力が萎えて弓を射れなくなってしまい、かぐや姫は月に帰ってしまう。彼女は不老不死の薬を作って帝に残していくが、帝は「姫がいないのに不老不死に用はない」と述べて、薬を天に一番近い富士山の山頂で燃やしてしまう。</blockquote>
竹取の翁がアガメムノーン、かぐや姫がイーピゲネイア、帝がアキレウス、といった感の日本の「天狗食日月譚」である。かぐや姫は「殺された月乙女」なので、処女のままである。父親に閉じ込められる点は、バロールの神話に似る。彼女が不老不死の薬を持っている点は嫦娥神話の影響と思われる。ただし、これも民間伝承を元にした文芸作品といえるので、文芸的である。帝は殺されはしないが、「死ぬ運命になる」という表現で死のイメージは緩和されて表現される。衛士達が使者を追い払うために弓を射るのは、羿神話からの流用であろうか。
竹取の翁は竹がトーテムでもあるが、職人でもある。これは木工神である五十猛神が民間伝承化したものといえる。五十猛神の父・須佐之男は織り姫を殺す神であって、まさに中国的な「'''天狗'''」である。
=== 十人の処女たちのたとえ ===