こちらのアルテミスも残酷な女神だが、後日譚としてややサテネのようなエピソードがわずかに付け加えられている。ハイヌウェレ神話と比較すれば、アガメムノーンがアメタ、アルテミスがサテネ、イーピゲネイアがハイヌウェレに相当する。イーピゲネイアは父親に殺されるのだから、天狗食日月の「'''天狗'''」が「'''父親'''」相当することが分かる。ハイヌウェレ神話には登場しないが、殺される乙女を助けようとする「英雄」はアキレウスである。しかし、これは救出に失敗したパターンといえる。「月の女神を殺して得ようとする豊穣」がハイヌウェレ神話のような単純な「」に相当することが分かる。ハイヌウェレ神話には登場しないが、殺される乙女を助けようとする「英雄」はアキレウスである。しかし、これは救出に失敗したパターンといえる。「月の女神を殺して得ようとする豊穣」がハイヌウェレ神話のような単純な「'''芋'''」ではなくて、「'''戦争の勝利'''」とか「'''神の加護'''」とか、'''社会的なもの、観念的なものにまで拡大されている'''ことが分かる。
アルテミスの猟犬の性質や、婚礼に関連する話、そして殺される月乙女は処女である、という点が、天狗食日月からの派生神話であることを伺わせる。ただ、ギリシャ神話は単なる伝承というよりは「文芸作品」という感が強く、文芸的な物語だと思う。