それから、これも民話・神話の傾向として誰もが気がつくことと思いますが、伝承譚には「怪物退治」と「人身御供」に関する話が多く、これらが組み合わされている物語もあります。例えばギリシャ神話の「テーセウスのミーノータウロス退治」の物語です。ミーノータウロスは少年少女の生け贄を求める牛の姿をした怪物でしたが、英雄テーセウスに倒されました。伝承の中の「怪物」は、それを語っていた人々の敵対者を指すものと思われることもありますが、広く似たパターンの物語が分布していて、良く知られているけれども、どこに起源があり、物語の原因となった最初の「'''英雄と敵対者'''」がどこに住んでいた誰だったのか、いずれも不明である、ということも多いように思います。
また人間の物語ですから、技術、職人、知恵というものを尊ぶ話も多いです。 また人間の物語ですから、'''技術'''、'''職人'''、'''知恵'''というものを尊ぶ話も多いです。こういう話の主人公はいわば「'''文化英雄'''」と呼ばれる存在です。