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== 歴史 ==
日本では、縄文時代草創期から前期にかけての遺跡である鳥浜貝塚から種子が出土している。文献史学上では『日本書紀』(720年成立)の中で瓢(ひさご)として初めて公式文書に登場する。その記述によると仁徳天皇]]11年(323年)、日本では、縄文時代草創期から前期にかけての遺跡である鳥浜貝塚から種子が出土している。文献史学上では『日本書紀』(720年成立)の中で瓢(ひさご)として初めて公式文書に登場する。その記述によると仁徳天皇11年(323年)、茨田堤を築く際、水神へ[[茨田堤人身御供]]を築く際、水神へとして捧げられそうになった[[人身御供茨田衫子|茨田連衫子]]として捧げられそうになった茨田連衫子という男が、ヒョウタンを使った頓智で難を逃れたという。という男が、ヒョウタンを使った頓智で難を逃れたという。
<sup>''(要出典範囲, 2017-04-06, 古代のヒョウタンは現在のような括れた形態ではなく通常の植物の実のような筒のような形をしていたことが分かっており、突然変異で今日知られているような特徴的な形が発現し、それが人伝に栽培されて世界中に広まった、とされる)''</sup>。
 
* 粟津湖底遺跡(滋賀県):縄文時代早期、約1万年前
* 三内丸山遺跡(青森県):縄文前期、約6千年前
* 曾畑遺跡(熊本県):縄文前期、約6千年前
* '''登呂遺跡'''(静岡県)
* 更埴条理・屋代遺跡群(長野県):杓として発見
* 長登鉱山遺跡(祭祀遺構)(山口県): 7 個のヒョウタン果実が並んでおり、願い事を叶える七つ星を意味すると考えられる<ref group="私注">杓であり「七つ星」とくれば、北斗七星のことである。</ref><ref>[https://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/plant/column/2015/346.pdf ウリとヒョウタンの文化史]、辻誠一郎、2015-07-15</ref>。
== 利用 ==
果肉部分を除去し、乾燥させたものが容器として水筒や酒の貯蔵に利用されていた(多孔質であるために内容液が少しずつしみ出し、気化熱が奪われるため中身が気温より低く保たれる)。
軽くて丈夫なヒョウタンは、世界各国で様々な用途に用いられてきた。日本では上記のように水や酒を持ち運べる容器としてのほか、縦に二つに割って水などを汲んだり掬ったりする用途にも使われた。ヒョウタン(瓢箪)を指す瓢(ひさご)の読みを柄杓に当てて「ひしゃく」と呼んだとの説もある。朝鮮半島ではヒョウタンを二つ割りにして作った柄杓や食器を「パガジ」と呼び、庶民の間で広く用いられてきた。韓国ではプラスチック製パガジが現代でも売られている軽くて丈夫なヒョウタンは、世界各国で様々な用途に用いられてきた。日本では上記のように水や酒を持ち運べる容器としてのほか、縦に二つに割って水などを汲んだり掬ったりする用途にも使われた。ヒョウタン(瓢箪)を指す瓢(ひさご)の読みを柄杓に当てて「ひしゃく」と呼んだとの説もある。'''朝鮮半島ではヒョウタンを二つ割りにして作った柄杓や食器を「パガジ」と呼び、庶民の間で広く用いられてきた。'''韓国ではプラスチック製パガジが現代でも売られている<ref>[http://yangnyeom.jp/culture/back1604.html 韓国の食文化 4月のキーワード「パガジ」]モランボン薬念研究所(2020年12月26日閲覧)</ref>。また、アメリカインディアンはタバコのパイプに、南米のアルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルではマテ茶の茶器に、またニューギニア島などでは先住民によってペニスケースとして使われている。
*千利休は花器として使った先覚者で、花道家安達瞳子も利用したという<ref>湯浅[2015:89-90]</ref>。
*喫煙具としても使われる<ref>湯浅[2015:93]</ref>。名探偵シャーロック・ホームズのトレードマークであるキャラバッシュ・パイプは、ヒョウタンを用いたパイプである。
=== 風水 ===
風水では、ヒョウタンには'''邪気を払う力が宿る'''とされ、また中国語の「葫芦」(ヒョウタン)は「語録」「福禄」と同じ発音の「フールー」であるため古代より'''幸運を招くお守り'''として玄関に掛けたり、携帯することで邪霊を払うといわれ、縁起物]として土産物店でよく見かける。中国の伝説には、ヒョウタンを携える人物がしばしば登場する。道教の八仙人の一人、李鉄拐も金のヒョウタンを常に肩から下げていたとされる。済公]和尚、魯智深なども常にヒョウタンを携行していたとして玄関に掛けたり、携帯することで邪霊を払うといわれ、縁起物として土産物店でよく見かける。中国の伝説には、ヒョウタンを携える人物がしばしば登場する。道教の八仙人の一人、李鉄拐も金のヒョウタンを常に肩から下げていたとされる。済公和尚、魯智深なども常にヒョウタンを携行していた<ref>https://ja.shenyunperformingarts.org/explore/view/article/e/5T2y4NZuTpg/%E7%93%A2%E7%AE%AA.html, 神韻芸術団 神韻百科 - 瓢箪, 2020-6-1</ref>。
=== 航海術 ===
=== 装身具 ===
ニューギニア島の先住民が股間に着用するコテカ]に加工される。ニューギニア島の先住民が股間に着用するコテカに加工される。
=== 加工方法 ===
;人名
ヒョウタンに関する名前の人々は「北斗七星」に例えられているのだと思う(管理人)。
* [[伏羲]]:ヒョウタンを神格化した神。伏羲の原型については[[城背渓文化]]を参照のこと。
* '''朴''':朝鮮民族の姓。伝説では朴氏の祖先である[[赫居世居西干]]がひょうたん形の卵から生まれたことから、朝鮮語でひょうたんを意味する固有語の「박」と名付けられたという。
=== 祭祀について ===
北斗七星(おおぐま座)は水を汲む 「斗」 の形をしており、大地を潤す農耕の神のシンボルでもあった<ref>Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%9A%87%E5%A4%A7%E5%B8%9D 天皇大帝](最終閲覧日:22-09-26)</ref>([[西王母]]、'''季節型豊穣神'''の項を参照のこと)。
 
ヒョウタンは出雲大社、更埴条理・屋代遺跡群(長野県)で'''杓'''として祭祀で使用されたと考えられ、これは北斗信仰とも関連すると思われる。
 
==== ひょうたん祭り ====
大分県豊後大野市柴山八幡社に800年前から伝わる霜月祭り。頭にひょうたん、赤い服、そしてサイズ130cm・重さ10kgの大わらじをはいたひょうたん様が、3升もある大瓢箪に入ったお神酒を振舞いながら練り歩く<ref>[https://www.nihon-kankou.or.jp/oita/442127/detail/44427ba2210027071 【2021年度一般参加なし】ひょうたん祭り]、 大分県豊後大野市、観るなびHPより(最終閲覧日:22-09-26)</ref><ref group="私注">延年に関連のある祭祀と考える。赤い服は太陽神([[炎帝神農|炎帝]]のような男性形の太陽神)、大きなわらじは巨人(盤古のような世界を支える巨人)、酒を振る舞うところは須佐之男のような酒造神を思わせる。須佐之男は延年に関連する神であるし、須佐之男信仰が[[炎帝神農|炎帝]]信仰、[[伏羲]]信仰と関連する神であることが示唆される祭りのように思う。信仰と関連する神であることが示唆される祭りのように思う。また祭祀ではヒョウタンで作った杓が特別に使われることがあり、[[伏羲]]信仰は北斗信仰と大きな関連があることが分かる。</ref>。
== ウリ科の植物と神話・伝承について ==
=== 宮滝に関する伝承 ===
丹生都比売神社(和歌山県伊都郡かつらぎ町)の宮滝には「6月の晦日に丹生都比売神社の神主が社人6人を率いてその日まで食べなかった「きゅうり」を宮滝にお供えして神事を行い、神事後に村の子ども達がその「きゅうり」を食べると疱瘡が軽くなったと」という言い伝えがある<ref>[http://sanpo58gaku.jugem.jp/?eid=227 三谷坂登拝<高野山参詣道 三谷坂~町石道~雨引山>]、楽人の山歩道(最終閲覧日:22-10-04)</ref>。
 
=== 祇園信仰 ===
[[スサノオ]]([[牛頭天王]])を祭神とする八坂神社の神紋が木瓜であり、キュウリの切り口と似ていることから、祭礼の期間はキュウリを食べないという地方(博多の博多祇園山笠など)もある。八坂神社がある福井市網戸瀬町ではキュウリ栽培を行なわない<ref name=fukui>[http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/79275.html キュウリを育てては絶対ダメな町 風習受け継ぐ福井市網戸瀬町]福井新聞、2015年9月9日</ref>。毎年7月14日にはキュウリ祭りが行なわれ、この日は食べることも禁じられる<ref name=fukui/>。
 
=== [[河童]]との関連 ===
キュウリは河童の大好物だとされ、キュウリの異称となっている(かっぱ巻き、かっぱ漬け)。
 
=== きゅうり加持 ===
'''きゅうり加持'''(きゅうりかじ、Cucumber blessing)は'''きゅうり加持祈祷会'''、'''きゅうり封じ'''などとも呼ばれ、盛夏、特に土用の丑の日ころにきゅうりにあやかって暑い夏を乗り切ろうとする祈祷儀式である。
夏の食物の中で、水分が多く栄養価が高い「きゅうり」に、疫病、厄難を封じ こめて、夏の暑い時期を無病息災に過ごすために、特に土用の丑の日ころの祈祷で、中国、朝鮮、日本で広まった庶民信仰である<ref>[http://www.mizumadera.or.jp/gyoji07.html 水間寺のきゅうり加持祈祷]</ref>。空海がキュウリに疫病を封じて病気平癒を祈願したことにちなみ、厄病除けの祈祷「きゅうり封じ」(きうり加持)が行われるようになったともいう<ref>[http://hp1.cyberstation.ne.jp/kyoto/jinkouin7.html 神光院のきゅうり封じ]</ref>。日本国内では、四国一宮寺、小豆島霊場40番札所・保安寺、永徳寺、神光院、栴檀寺、。日本国内では、四国一宮寺、小豆島霊場40番札所・保安寺、永徳寺、神光院、栴檀寺、転法輪寺などで行われている。 コナ高野山大師寺の'''きゅうり加持祈祷会'''に供えられたきゅうり(2014年7月)。寺によっては、きゅうり加持祈祷会できゅうりを食されることはなく、むしろ[[ウナギ]]が食されて、この日に供えられた各きゅうりは、あらかじめ信徒から寄せられた願い事を書いた紙を、後に僧侶がひとつずつ時間をかけてきゅうりに挟み込んでいくのに使われる。 === お盆の風習 ===* お盆の期間中には、故人の霊魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として、「精霊馬」と呼ばれるキュウリやナスで作る動物を用意する。4本の麻幹あるいはマッチ棒、折った割り箸などを足に見立てて差し込み、馬、牛とする。キュウリは足の速い馬に見立てられ、あの世から早く家に戻ってくるように。ナスは歩みの遅い牛に見立てられ、この世からあの世に帰るのが少しでも遅くなるように、また、供物を牛に乗せてあの世へ持ち帰ってもらうとの願いが込められている。 == ウリに関する伝承 ==* [http://bellis.sakura.ne.jp/k/tegalog.cgi?postid=122 西瓜の種]:ウズベキスタン。[[シュバシコウ|転法輪寺などで行われている。コウノトリ]](鳥神(おそらく河川女神の使いあるいは化身))が助けてくれた老人に魔法の西瓜の種をプレゼントし、富貴をもたらしてくれる、という話。「瓜」が鳥神と人間との「媒介」になっている点は丹生都比売神社のきゅうり信仰と類似している。この物語の場合、西瓜は「福得神」として描かれている。[[炎黄闘争]]のうち、「[[こぶとりじいさん|こぶ取り]]」型の物語である。[[動物番|蜂の援助]]型の要素もある。[[シュバシコウ|コウノトリ]]も蜂も、河川女神の使いあるいは化身を意味しよう。 == 私的考察 ==ヒョウタンとは「容器」としても重要なものとされ、古代においては「北斗七星」を「柄杓」に見たてた北斗信仰にも関連したものだったようである。ヒョウタンが杓として発見された更埴条理・屋代遺跡群のある更埴は古代において信濃国造であった金刺氏の拠点の一つだった。ひょうたん祭りの行われる大分県は大分君の本拠地だったと推察される。[[神八井耳命]]から発生したと言われる氏族の拠点と思われる地域でヒョウタンを神聖視する傾向が強いことは興味深い。茨田堤の[[茨田衫子]]も[[神八井耳命]]が先祖と言われている。日本におけるヒョウタン信仰が[[神八井耳命]]の子孫と言われる人々から広まったのではないか、と考えると、伏羲に対する信仰、北斗信仰もまた伴っていたのではないか、と推察する。興味深いことである。 また、「器」としてのヒョウタンには「福得神」としての性質があるようである。中に住む神霊が幸運を与えてくれるし、その神霊は伏羲そのもの、ということだろうか。
コナ高野山大師寺の'''きゅうり加持祈祷会'''に供えられたきゅうり(2014年7月)<ref>寺によっては、きゅうり加持祈祷会できゅうりを食されることはなく、むしろ=== キュウリについて ===キュウリには「医薬神」としての側面があるようである。そして当然「男性原理」を示す野菜といえる。丹生都比売神社の伝承では、神前に捧げられたキュウリに効能があるとされ、興味深い。男性原理であるキュウリは、女神に捧げられて始めて「医薬神」としての性質を帯びるのであり、その性質を「妻」といえる丹生都比売から授かった、といえるのではないか。女神が持つとされた様々な能力が男神に移される過程で、どのように「移る」と考えられていたのかが示唆される。男神は女神と交合することで、性質を譲り受けていた、といえる。そうして、時代が下ると、男神である須佐之男が日本では代表的な「医薬神」と考えられるようになっていく。その性質も須佐之男のいずれかの妻から譲り受けた、と考えられていたのではないだろうか。そして、須佐之男の最大の妻は[[ウナギ天照大御神]]が食されて、この日に供えられた各きゅうりは、あらかじめ信徒から寄せられた願い事を書いた紙を、後に僧侶がひとつずつ時間をかけてきゅうりに挟み込んでいくのに使われる。と言えるのだと思う。須佐之男の「医薬神」としての性質は[[天照大御神]]の代理にしか過ぎないのではないだろうか。
== 参考文献 ==
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%82%BF%E3%83%B3 ヒョウタン](最終閲覧日:22-09-26)** 湯浅浩史, 湯浅浩史, ヒョウタン文化誌, 2015-9-18, 岩波書店, 岩波新書](新赤版)1564, isbn:978-4-00-431564-3** 古文化財編集委員会, 1984, 古文化財の自然科学的研究, 同朋舎, page652, isbn:978-4810404104* [https://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/plant/column/2015/346.pdf ウリとヒョウタンの文化史]、辻誠一郎、2015-07-15(最終閲覧日:22-09-26)* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%9A%87%E5%A4%A7%E5%B8%9D 天皇大帝](最終閲覧日:22-09-26)* [http://sanpo58gaku.jugem.jp/?eid=227 三谷坂登拝<高野山参詣道 三谷坂~町石道~雨引山>]、楽人の山歩道(最終閲覧日:22-10-04)* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%83%AA キュウリ](最終閲覧日:22-10-04)* Wikioedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8D%E3%82%85%E3%81%86%E3%82%8A%E5%8A%A0%E6%8C%81 きゅうり加持](最終閲覧日:22-10-04)
== 関連項目 ==
* [[ウナギ]]
* [[コイ]] * [[玉皇大帝]]** [[天皇大帝]]* [[茨田衫子]]:ヒョウタンに関する信仰と祭祀について(「私的注釈」を参照のこと)* [[シュバシコウ]]:ウズベキスタン(中央アジア)の民話で、魔法の西瓜の種を人間にもたらす。
* ひょうたん祭り== 私的注釈 ==<references group="私注"/>
== 参照 ==
[[Category:朝鮮神話]]
[[Category:日本神話]]
[[Category:中央アジア]]
[[Category:卵胎生]]
[[Category:福得神]]
[[Category:医薬神]]

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