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[[File:Eros_bobbin_Louvre_CA1798.jpeg|thumb|350px|「エロースが描かれたボビン」、前470-450年、赤像土器、高さ2.6cm、直径11.8cm、ルーヴル美術館]]
[[File:Red-figure_hydria_with_Poseidon,_Amymone,_Eros_and_Satyr_(4th_cent._B.C.)_in_the_National_Archaeological_Museum_of_Athens_on_11_September_2018.jpeg|thumb|280px|ポセイドン、アミモネ、サテュロスの間のエロスの水瓶(紀元前375-350年)、赤絵の土器、アテネ国立考古学博物館蔵]]
[[File:Ascoli_Satriano_Painter_-_Red-Figure_Plate_with_Eros_-_Walters_482765.jpeg|thumb|350px|エロースを描いた皿;前340-320年 赤像テラコッタ;5 × 24.4 cm;ウォルターズ美術館(アメリカ、ボルチモア) ]]
 
'''エロース'''('''Ἔρως''',Erōs)は、ギリシア神話に登場する恋心と性愛を司る神である。ギリシア語で性的な愛や情熱を意味する動詞「ἔραμαι」が普通名詞形に変化、神格化された概念である。日本語では長母音を省略して'''エロス'''とも呼ぶ。
ギリシャ神話では、エロース(UK: /ˈɪərɒs, ˈɛrɒs/, US: /ˈɛrɒs, ˈɛroʊs/<ref>[http://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/american_english/eros ''Oxford Learner's Dictionaries:'' "Eros"]</ref>;古代ギリシャ語: Ἔρως, ローマ字表記: Érōs: Érōs, lit. 愛、欲望」)は、ギリシア神話の愛と性の神である。ローマ時代にはクピードー(「欲望」)と呼ばれた<ref name=Lar>''Larousse Desk Reference Encyclopedia'', The Book People, Haydock, 1995, p. 215.</ref>。最古の記述では原初の神であり、後の記述ではアフロディーテとアレースの子供の一人とされ、いくつかの兄弟とともに、翼を持つ愛の神々であるエロテス(Erotes)の一人であったとされる。
 
== 概説 ==
=== ローマ神話との対応・姿の変化 ===
ローマ神話では、エロースには、ラテン語で受苦の愛に近い意味を持つ'''アモール'''(Amor)または'''[[クピードー]]'''(Cupido)を対応させる。(ギリシャ語で言う「πάσχω」)。クピードーは後に幼児化して、英語読みでキューピッドと呼ばれる小天使のようなものに変化したが、元は、髭の生えた男性の姿でイメージされていた。古代ギリシアのエロースも同様で、古代には力強い有翼の男性あるいは若々しい青年であり、やがて、少年の姿でイメージされるようになった。エロースの象徴は弓矢及び松明である。
 
=== 古代の記述 ===
ヘーシオドスの『神統記』では、[[カオス]]や[[ガイア]]、[[タルタロス]]と同じく、世界の始まりから存在した原初神 (Greek primordial deities)である。'''崇高で偉大で、どの神よりも卓越した力を持つ神であった'''。またこの姿が、エロースの本来のありようである。
 
後に、軍神[[アレース]]と愛の女神[[アプロディーテー]]の子であるとされるようになった。またエロースは[[アプロディーテー]]の傍に仕える忠実な従者とされる<ref>松村一男/監修 『知っておきたい 世界と日本の神々』44頁。</ref>。
 
古代においては、若い男性の姿で描かれていたが、西欧文化では、近世以降、背中に翼のある愛らしい少年の姿で描かれることが多く、手には弓と矢を持つ(この姿の絵は、本来のエロースではなく、アモールあるいはクピードーと混同された絵である)。黄金で出来た矢に射られた者は激しい愛情にとりつかれ、鉛で出来た矢に射られた者は恋を嫌悪するようになる。
 
エロースはこの矢で人や神々を撃って遊んでいた。ある時、[[アポローン]]にそれを嘲られ、復讐としてアポローンを金の矢で、たまたまアポローンの前に居た[[ダプネー]]を鉛の矢で撃った。アポローンはダプネーへの恋慕のため、彼女を追い回すようになったが、ダプネーはこれを嫌って逃れた。しかし、いよいよアポローンに追いつめられて逃げ場がなくなったとき、彼女は父に頼んでその身を[[ゲッケイジュ|月桂樹]]に変えた(ダプネー daphne とはギリシア語で、月桂樹という意味の普通名詞である)。このエピソードが示す寓意は、強い理性に凝り固まった者は恋愛と言う物を蔑みがちだが、自らの激しい恋慕の前にはその理性も瓦解すると言う事である。
== 語源 ==
ラケダエモン人は戦いの前にエロースに生贄を捧げ、安全と勝利は戦いに並んで立つ者たちの友情によってもたらされると考えた。さらにクレタ人は戦場でもエロースに生け贄を捧げた<ref name="Athenaeus 13.12 GR"/><ref name="Athenaeus 13.12 EN"/>。
=== エロースとプシュケー エロースとプシューケー ===エロースとプシュケーの物語は、アプレイウスのラテン語の小説『黄金の驢馬』で文学化される以前から、古代ギリシャ・ローマ世界の民話として長い伝統があった。小説自体はピカレスク・ローマンスタイルで書かれているが、エロースやアフロディーテがラテン語名(クピードーやウェヌス)で呼ばれても、プシュケはギリシャ名を保っている。また、クピードーは太った翼のある子供(プット・アモリーノ、putto エロースと[[プシューケー]]の物語は、アプレイウスのラテン語の小説『黄金の驢馬』で文学化される以前から、古代ギリシャ・ローマ世界の民話として長い伝統があった。小説自体はピカレスク・ローマンスタイルで書かれているが、エロースやアフロディーテがラテン語名(クピードーやウェヌス)で呼ばれても、[[プシューケー]]はギリシャ名を保っている。また、クピードーは太った翼のある子供(プット・アモリーノ、putto amorino)ではなく、若い大人として描かれている<ref>Apuleius, Cupid and Psyche, The Golden Ass, Penguin Classics</ref>。
この物語は、エロスとプシュケの愛と信頼の探求を描いたものである。アフロディーテは、人間の王女プシュケーの美しさに嫉妬し、男たちが彼女の祭壇を不毛の地にして、ただの人間の女を崇拝するようになったので、愛の神である息子のエロースに命じて、プシュケーをこの世で最も醜い生物と恋に落ちさせるようにした。しかし、代わりにエロースは自らプシュケーに恋をして、彼女を自分の家へと連れ去った。しかし、プシュケーの嫉妬深い姉たちが現れ、プシュケーは夫の信頼を裏切ることになる。傷ついたエロースは妻のもとを去り、プシュケーは失われた愛を求めて地上をさまよう。やがて彼女はアフロディーテに近づき、助けを求める。アフロディーテはプシュケーに一連の困難な課題を課し、プシュケは超自然的な援助によってそれを達成することができる。この物語は、エロスと[[プシューケー]]の愛と信頼の探求を描いたものである。アフロディーテは、人間の王女[[プシューケー]]の美しさに嫉妬し、男たちが彼女の祭壇を不毛の地にして、ただの人間の女を崇拝するようになったので、愛の神である息子のエロースに命じて、[[プシューケー]]をこの世で最も醜い生物と恋に落ちさせるようにした。しかし、代わりにエロースは自ら[[プシューケー]]に恋をして、彼女を自分の家へと連れ去った。しかし、[[プシューケー]]の嫉妬深い姉たちが現れ、[[プシューケー]]は夫の信頼を裏切ることになる。傷ついたエロースは妻のもとを去り、[[プシューケー]]は失われた愛を求めて地上をさまよう。やがて彼女はアフロディーテに近づき、助けを求める。アフロディーテは[[プシューケー]]に一連の困難な課題を課し、[[プシューケー]]は超自然的な援助によってそれを達成することができる。
これらの課題を成功させた後、アフロディーテは譲歩し、プシュケーは不老不死となり、夫のエロースと一緒に暮らすようになった。二人は娘ヴォルプタスまたはヘドネ(肉体的快楽、至福の意)をもうけた。これらの課題を成功させた後、アフロディーテは譲歩し、[[プシューケー]]は不老不死となり、夫のエロースと一緒に暮らすようになった。二人は娘ヴォルプタスまたはヘドネ(肉体的快楽、至福の意)をもうけた。
ギリシャ神話では、プシュケーは人間の魂を神格化したものである。古代のモザイク画では、蝶の羽を持つ女神として描かれていた(サイケは古代ギリシャ語で「蝶」の意味もあるため)。ギリシャ神話では、[[プシューケー]]は人間の魂を神格化したものである。古代のモザイク画では、蝶の羽を持つ女神として描かれていた(サイケは古代ギリシャ語で「蝶」の意味もあるため)。ギリシャ語のpsycheは、文字通り「魂、精神、息、生命、生気」を意味する。
グノーシス主義の『世界の起源』では、宇宙創成期のエロースは、カオスのすべての生き物の中に散在し、光と闇、天使と人間の中間的な存在であったとされている。その後、[[プシューケー]]がエロスに自らの血を注ぎ、地上に最初のバラを芽生えさせ、その後、あらゆる花や草木を芽生えさせる<ref>cite book, James M., Robinson, James M. Robinson, 2007, 1st&nbsp;publ.&nbsp;1978, On the Origin of the World, The Nag Hammadi Scriptures, HarperCollins , isbn:9780060523787, http://gnosis.org/naghamm/origin-Barnstone.html</ref><ref group="私注">エロースと[[プシューケー]]が[[薔薇]]と関連づけられるところは「[[美女と野獣]]」に類似している。この場合は[[薔薇]]が世界樹の役割も果たしているようである。</ref>。
==== 「愛と心の物語」 ====
ヘレニズム時代になると、甘美な物語が語られるようになる。それが『愛と心の物語』である。地上の人間界で、王の末娘[[プシューケー]]が絶世の美女として噂になっていた。母アプロディーテーは美の女神としての誇りからこれを嫉妬し憎み、この娘が子孫を残さぬよう鉛の矢で撃つようにエロースに命じた。
だがエロースはプシューケーの寝顔の美しさに惑って撃ち損ない、ついには誤って金の矢で自身の足を傷つけてしまう。その時眼前に居たプシューケーに恋をしてしまうが、エロースは恥じて身を隠し、だが恋心は抑えられず、魔神に化けてプシューケーの両親の前に現れ、彼女を[[生贄]]として捧げるよう命じた。
晴れてプシューケーと同居したエロースだが、神であることを知られては禁忌に触れるため、'''暗闇でしか'''プシューケーに会おうとしなかった。姉たちに唆されたプシューケーが灯りをエロースに当てると、エロースは逃げ去ってしまった。
In Greek mythology, Psyche was the deification of the human soul. She was portrayed in ancient mosaics as a goddess with butterfly wings (because ''psyche'' was also the Ancient Greek word for "butterfly"). The Greek word ''psyche'' literally means "soul, spirit, breath, life, or animating force".エロースの端正な顔と美しい姿を見てプシューケーも恋に陥り、人間でありながら姑アプロディーテーの出す難題を解くため[[冥界]]に行ったりなどして、ついにエロースと再会する。この話は、アプレイウスが『黄金の驢馬』のなかに記した挿入譚で、「愛と心」の関係を象徴的に神話にしたものである。プシューケーとはギリシア語で、「心・魂」の意味である。
In the [[Gnosticism|Gnostic]] narrative found in ''[[On the Origin of the World]]'', Eros, during the universe's creation, is scattered in all the creatures of [[Chaos (cosmogony)|Chaos]], existing between the midpoint of light and darkness as well as the angels and people. Later, Psyche pours her blood upon him, causing the first rose to sprout up on the Earth, followed by every flower and herb.<ref>{{cite book |first=James M. |last=Robinson |author-link=James M. Robinson |year=2007 |orig-year=1st&nbsp;publ.&nbsp;1978 |section=On the Origin of the World |title=The Nag Hammadi Scriptures |publisher=[[HarperCollins]] |isbn=9780060523787 |url=http://gnosis.org/naghamm/origin-Barnstone.html}}</ref> === Dionysiaca ===Eros features in two [[Dionysus]]-related myths. In the first, Eros made [[Hymnus (Greek mythology)|Hymnus]], a young shepherd, to fall in love with the beautiful [[Naiad]] [[Nicaea (mythology)|Nicaea]]. Nicaea never reciprocated Hymnus' affection, and he in desperation asked her to kill him. She fulfilled his wish, but Eros, disgusted with Nicaea's actions, made Dionysus fall in love with her by hitting him with a love arrow. Nicaea rejected Dionysus, so he filled the spring she used to drink from with wine. Intoxicated, Nicaea lay to rest as Dionysus forced himself on her. Afterwards, she sought to find him seeking revenge, but never found him.<ref>[[Nonnus]], ''[[Dionysiaca]]'' [https://archive.org/details/dionysiaca01nonnuoft/page/516/mode/2up?view=theater 15.202]–[https://archive.org/details/dionysiaca02nonnuoft/page/28/mode/2up?view=theater 16.383]</ref> In the other, one of [[Artemis]]' maiden nymphs [[Aura (mythology)|Aura]] boasted of being better than her mistress, due to having a virgin's body, as opposed to Artemis' sensuous and lush figure, thereby bringing into question Artemis' virginity. Artemis, angered, asked [[Nemesis]], the goddess of vengeance and retribution, to avenge her, and Nemesis ordered Eros to make Dionysus fall in love with Aura. The tale then continues in the same manner as Nicaea's myth; Dionysus gets Aura drunk and then rapes her.<ref>[[Nonnus]], ''[[Dionysiaca]]'' [https://archive.org/stream/dionysiaca03nonnuoft#page/442/mode/2up 48.936]–[https://archive.org/stream/dionysiaca03nonnuoft#page/490/mode/2up 992]</ref> == Eros in music ==*[[Jose Antonio Bottiroli]] ''Eros in B minor B37'' for piano (1974)<ref>{{cite book |last1=Banegas |first1=Fabio |title=Jose Antonio Bottiroli, Complete Piano Works, Vol. 1 |date=2017 |publisher=Golden River Music |location=The US Library of Congress |ismn=9790365524174 |page=49 |edition=First |url=https://www.goldenrivermusic.eu/en/shop/product/1551-obras-completas-para-piano-complete-piano-works-volume-i |access-date=7 August 2020}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.naxos.com/catalogue/item.asp?item_code=GP871|title = BOTTIROLI, J.A.: Piano Works (Complete), Vol. 2 - Nocturnes (Banegas, George Takei) - GP871}}</ref> == Eros in art ==<gallery widths="170px" heights="170px">File:Eros bobbin Louvre CA1798.jpg|Bobbin with Eros; 470–450&nbsp;BC; [[red-figure pottery]]; height: 2.6&nbsp;cm, diameter: 11.8&nbsp;cm; [[Louvre]] File:Red-figure hydria with Poseidon, Amymone, Eros and Satyr (4th cent. B.C.) in the National Archaeological Museum of Athens on 11 September 2018.jpg|[[Hydria]] of Eros between [[Poseidon]], [[Amymone]], and a [[Satyr]]; 375-350 B.C.; [[red-figure pottery]]; [[National Archaeological Museum, Athens]]プシューケーとの間にはウォルプタース(ラテン語で「喜び」、「悦楽」の意。古典ギリシア語ではヘードネー)と言う名の女神が生まれた。
File=== ディオニューソス関連(ディオニューシアカ) ===[[ディオニューソス]]関連の神話には、エロースが2回登場する。 1つ目は、エロースが若い羊飼いのヒムヌスを美しいナイアスのニカイアに恋させるというもの。ニカイアはヒムヌスの愛情に応えることはなく、自暴自棄になった彼は彼女に自分を殺してくれるよう頼んだ。彼女は彼の願いを叶えたが、ニカイアの行動に嫌気が差したエロースは、ディオニューソスに恋の矢を放って彼女に恋させた。ニカイアがディオニューソスを拒絶したため、ディオニューソスは彼女が飲んでいた泉に葡萄酒を満たした。ニカイアが酔いつぶれ、休息したところを、ディオニューソスが無理矢理襲った。その後、ニカイアは復讐のためにディオニューソスを探し求めたが、結局見つからなかった<ref>Nonnus, ''Dionysiaca'' [https:Ascoli Satriano Painter - Red-Figure Plate with Eros - Walters 482765//archive.jpg|Plate with Eros; 340–320 BC; red-figure terracotta; 5 × 24org/details/dionysiaca01nonnuoft/page/516/mode/2up?view=theater 15.4&nbsp;cm; 202]–[https://archive.org/details/dionysiaca02nonnuoft/page/28/mode/2up?view=theater 16.383]</ref>。また、アルテミスの乙女ニンフの一人アウラは、アルテミスの官能的で豊かな姿に対して、処女の体を持っていることで自分の女主人より優れていると自慢し、アルテミスの処女性を疑わせた。怒ったアルテミスは、復讐と報復の女神ネメシスに仇討ちを依頼し、ネメシスはエロースに命じてディオニューソスをアウラに恋させた。その後、ディオニューソスはアウラを酔わせ、レイプするというニカイア神話と同じような物語が続く<ref>Nonnus, ''Dionysiaca'' [Walters Art Museum]https://archive.org/stream/dionysiaca03nonnuoft#page/442/mode/2up 48.936] ([[Baltimorehttps://archive.org/stream/dionysiaca03nonnuoft#page/490/mode/2up 992]], US)</ref>。
File:Bronze statue of Eros sleeping MET DP123903.jpg== 私的考察 ==エロースは本来は始原的な神でありながら、次第にその地位が低下して「恋情を起こさせる弓矢」を用いて、どちらかといえば悪さをするような少年神へと変化した神と思われ、経緯が興味深い神といえる。エロースがプシュケーを[[人身御供|Statue of Eros sleeping; 3rd–2nd&nbsp;century&nbsp;BC; bronze; 41.9 × 35.6 × 85.2&nbsp;cm, 124.7&nbsp;kg, height with base: 45.7&nbsp;cm; 生贄]]に求めているように、本来は[[人身御供|生贄]]、特に「'''花嫁としての生贄'''」を求める上位の神だったことが窺える。日本神話には、[[高御産巣日神]]という始原神が[[天若日子]]という神に特殊な弓矢を与えて地上を平定させようとした、というエピソードがあるが、個人的には本来のエロースの姿が[[高御産巣日神]]であり、時代を経てその神としての地位が低下したものが[[天若日子]]であって、この2神がエロースの姿の全てを網羅しているように思う。弓矢が登場する神話は、[[羿]]神話のように「相手が神霊であっても、人に禍をもたらすものを倒すもの」と、[[ニムロド]]のように天に対して反逆の意を示すものに「天の側から天罰を与えるためのもの」の2種類が大きく分けて存在するように思うが、エロースの矢も「天から放たれる矢」に分類されるように思う。日本神話では、[[Metropolitan Museum of Art高御産巣日神]] (New York City)が「木の神」でもあり、そこから作られた弓矢には特別な霊性が宿るとされたのであろう。エロースも同様に本来は「木の神」でもあり、彼の弓矢はエロースの霊性を顕現するためのものだったのが、時代が下るにつれて、エロースの権威が低下したので、縁むすび的な恋愛や性愛に関する弓矢に性質が特化されるようになったものと思われる。
File:Roman - Eros - Walters 54724.jpg|Figure of wingless Eros; 20–60 AD; cast bronze and silver inlay; 17.2 × 9.5 × 6.8&nbsp;cm; Walters Art Museumそのためか、アフロディーテ、アルテミスの神話、ディオニューシアカを見ても、エロースの矢は「人々の恋愛成就のため」の矢というよりは、通常では起きえないような異質な恋情を引き起こし、関係者の立場を悪くするような、一種の「天罰」としての性質が強いように思う。おそらく、エロースの神話は[[ニムロド]]型の神話が独自の形で変化し発展したものであろう。また、「エロースの矢」は、それに当たっても人は死ぬことはないが、そのために起きた恋情には「欲望」が強く伴っており、射られたものは恋愛に誠実さを示すのではなく、自らの欲望をかなえることを優先するようである。このように、「エロースの矢」には、標的とされた人間の運命を変えてしまうような、いわば「トリックスター」的な面があるように思う。子音構成からいっても、エロースは北欧神話のロキと関連する神なのではないだろうか。類似した子音構成としては、ガリア神話の[[エスス]]、ゲルマン神話の[[エオステレ]]等がいる。おそらくこれらの神々の起源は[[紅山文化]]にあるのであり、彼らの前身は[[紅山文化]]の太陽女神であって兎子(Tùzǐ)ではないかと思う。[[紅山文化]]では太陽女神の[[玉兎]]は木に吊されて祀られた、とされており、これは[[エスス]]の[[人身御供]]と共通する思想のように思う。[[エオステレ]]は春の女神でもあり、兎の女神でもある。また、兎に関する神話では、特に男性神の場合、「賢い神(悪賢い神)」「叡智の神」といった、良くない性質での賢さを示す神で現されることが多いように感じる。その性質は北欧神話のロキとも共通する。「エロースの矢」が性的な欲望を見境なく惹起する点は、兎が春の性的欲望と多産の神とされたことと関連すると考える。
File:Eros bow Musei Capitolini MC410.jpg特に[[ディオニューソス]]が関連するものは、酒による酩酊の上でのレイプという側面が強いようである。[[ディオニューソス]]は明確な植物神であり、狂乱を伴って、残虐なやり方で生贄を求める明確な神話がある神である。[[ディオニューソス]]自身が酒による酩酊で人を操る存在だが、ディオニューシアカではその[[ディオニューソス]]を非日常的な狂乱へ導くスイッチのような役割をエロースが担う。そして、おそらく「生贄を酒で酩酊させてレイプする」とは、メソポタミア神話のエンリルとニンリルの神話のように、「花嫁としての生贄」の神話が変化したものと思われる。エンリルは冥界でニンリルを騙して交わい子供を生ませるが、ディオニューシアカではそれが「酔いによる酩酊」へと書き換えられているように思う。全体から見れば、「男性形の植物神が再生のために妻という名前の[[人身御供|生贄]]を求める神話」で[[人身御供|生贄]]を求める側の男性神がエロースと[[ディオニューソス]]で二重に分けられた物語といえる。また、[[ディオニューソス]]の機能を''Eros Stringing his Bow'影で操る', a Roman copy from the ''存在としてエロースが存在している、という点が興味深い。日本神話と比較すれば、[[高御産巣日神]]が[[天若日子]]の機能を調節しているのであり、調節がうまく果たされなければ下位の[[天若日子]]が罰を受けて死ぬことになる。[[ディオニューソス]]も[[Capitoline Museum天若日子]] of a Greek original by も、死にたくなければ上位の神の「調節」に従うしかないのである。本来、権威ある始原神であったエロースの姿が窺える神話である。例えば「レイプされるニンフ」が元は下位の女神ではなく、各地方の「太母」であったとするならば、エロースと[[Lysipposディオニューソス]]; 2nd&nbsp;century&nbsp;AD; marble; height: 123&nbsp;cm; Capitoline Museum (Rome)の仕事は、まさに太母の権威を低下させて殺し、支配し征服する神話の変形ともいえると考える。
File:Angelica Kauffmann - The Victory of Eros - 39.184.19 - Metropolitan Museum of Art.jpg|''The Victory of Eros''; by 類話として、フランスの民話「[[Angelica Kauffman美女と野獣]]; 1750–1775; oil on canvas; Metropolitan Museum of Art」があるが、[[美女と野獣]]の「野獣」と比較すれば、エロースの方が植物神としての性質が弱められ、その分女神の能力による再生を必要としない「絶対的」な存在と考える。[[美女と野獣]]の方が、古くからの母系の伝統的な「再生を司どる女神」の性質が多く含まれているように感じる。エロースそのものは、当初は絶対的な始原神で、しかも男性の友愛を強調した父系的な神であったものが、ギリシア神話に取り込まれて、母系的な要素と習合する中で、太母的な女神アプロディーテの子神とされ、その神話が更にガリア方面に伝播すると、より母系色の強い思想に取り込まれて、「[[美女と野獣]]」へと変化したものかと思う。
File:Psyché.jpg|''[[Psyche Revived by Cupid's Kiss]]''; by [[Antonio Canova]]; c. 1787–1793; marble; height: 1.55&nbsp;m, width: 1.69&nbsp;m, depth: 1.01&nbsp;m; Louvre File:A Girl Defending Herself against Eros, by William-Adolphe Bouguereau.jpg |''A Girl Defending Herself against Eros''; by [[William-Adolphe Bouguereau]]; c. 1880; [[Getty Center]] ([[Los Angeles]], US) </gallery> == See also =参考文献 ={{Portal|Ancient Greece|Myths|Religion}}* [[Eros (concept)]]* [[Greek words for love]]* [[Kamadeva]]* [[Family tree of the Greek gods]]* [[Phanes (mythology)]]   *[[Aristophanes]], ''Birds''. ''The Complete Greek Drama.'' ''vol. 2''. Eugene O'Neill, Jr. New York. Random House. 1938. [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.01.0026 Online version at the Perseus Digital Library.]*[[Aristophanes]], ''Aristophanes Comoediae'' edited by F.W. Hall and W.M. Geldart, vol. 2. F.W. Hall and W.M. Geldart. Oxford. Clarendon Press, Oxford. 1907. 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Evelyn-White'', Cambridge, Massachusetts, [[Harvard University Press]]; London, William Heinemann Ltd. 1914. [https://www.perseus.tufts.edu/hopperwiki/text?doc=Perseus%3AtextE3%3A1999.01.013082%3AcardA8%3D1 Online version at the Perseus Digital Library].*[[William Smith (lexicographer)|Smith, William]]; ''[[Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology]]'', London (1873). [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=PerseusE3%3Atext83%3A1999.04.0104AD%3Aalphabetic+letterE3%3DE83%3Aentry+groupBC%3D6E3%3Aentry82%3Deros-bio-1 "Eros"]* [[Nonnus]B9 エロース], ''[[Dionysiaca]]''; translated by [[W. H. D. Rouse|Rouse, W H D]], I Books I-XV. [[Loeb Classical Library]] No. 344, Cambridge, Massachusetts, Harvard University Press; London, William Heinemann Ltd. 1940. [https://archive.org/stream/dionysiaca01nonnuoft#page/n7/mode/2up Internet Archive]* [[Nonnus]], ''[[Dionysiaca]]''; translated by [[W. H. D. Rouse|Rouse, W H D]], II Books XVI-XXXV. [[Loeb Classical Library]] No. 345, Cambridge, Massachusetts, Harvard University Press; London, William Heinemann Ltd. 1940. [https://archive.org/stream/dionysiaca01nonnuoft#page/n7/mode/2up Internet Archive]* [[Nonnus]], ''[[Dionysiaca]]''; translated by [[W. H. D. Rouse|Rouse, W H D]], III Books XXXVI-XLVIII. [[Loeb Classical Library]] No. 346, Cambridge, Massachusetts, Harvard University Press; London, William Heinemann Ltd. 1940. [https://archive.org/stream/dionysiaca03nonnuoft#page/n5/mode/2up Internet Archive].* The [[Greek Anthology]]. with an English Translation by. W. R. Paton. London. William Heinemann Ltd. 1916. 1. [https://topostext.org/work/532 Full text available at topostext.org]. == External links ==* {{Commons category-inline|Eros}}* [https://iconographic.warburg.sas.ac.uk/vpc/VPC_search/subcats.php?cat_1=5&cat_2=167 Warburg Institute Iconographic Database - Amor]* [https://www.theoi.com/Protogenos/Eros.html EROS (PRIMORDIAL) from The Theoi Project]* [https://www.theoi.com/Ouranios/Eros.html EROS (OLYMPIAN) from The Theoi Project] == 概説 ===== ローマ神話との対応・姿の変化 ===ローマ神話では、エロースには、ラテン語で受苦の愛に近い意味を持つ'''アモール'''(Amor)または'''[[クピードー]]'''(Cupido)を対応させる。(ギリシャ語で言う「πάσχω」)。クピードーは後に幼児化して、英語読みでキューピッドと呼ばれる小天使のようなものに変化したが、元は、髭の生えた男性の姿でイメージされていた。古代ギリシアのエロースも同様で、古代には力強い有翼の男性あるいは若々しい青年であり、やがて、少年の姿でイメージされるようになった。エロースの象徴は弓矢及び松明である。 === 古代の記述 ===ヘーシオドスの『神統記』では、[[カオス]]や[[ガイア]]、[[タルタロス]]と同じく、世界の始まりから存在した原初神 (Greek primordial deities)である。'''崇高で偉大で、どの神よりも卓越した力を持つ神であった'''。またこの姿が、エロースの本来のありようである。 後に、軍神[[アレース]]と愛の女神[[アプロディーテー]]の子であるとされるようになった。またエロースは[[アプロディーテー]]の傍に仕える忠実な従者とされる<ref>松村一男/監修 『知っておきたい 世界と日本の神々』44頁。</ref>。 古代においては、若い男性の姿で描かれていたが、西欧文化では、近世以降、背中に翼のある愛らしい少年の姿で描かれることが多く、手には弓と矢を持つ(この姿の絵は、本来のエロースではなく、アモールあるいはクピードーと混同された絵である)。黄金で出来た矢に射られた者は激しい愛情にとりつかれ、鉛で出来た矢に射られた者は恋を嫌悪するようになる。 エロースはこの矢で人や神々を撃って遊んでいた。ある時、[[アポローン]]にそれを嘲られ、復讐としてアポローンを金の矢で、たまたまアポローンの前に居た[[ダプネー]]を鉛の矢で撃った。アポローンはダプネーへの恋慕のため、彼女を追い回すようになったが、ダプネーはこれを嫌って逃れた。しかし、いよいよアポローンに追いつめられて逃げ場がなくなったとき、彼女は父に頼んでその身を[[ゲッケイジュ|月桂樹]]に変えた(ダプネー daphne とはギリシア語で、月桂樹という意味の普通名詞である)。このエピソードが示す寓意は、強い理性に凝り固まった者は恋愛と言う物を蔑みがちだが、自らの激しい恋慕の前にはその理性も瓦解すると言う事である。 == 「愛と心の物語」 ==ヘレニズム時代になると、甘美な物語が語られるようになる。それが『愛と心の物語』である。地上の人間界で、王の末娘[[プシューケー]]が絶世の美女として噂になっていた。母アプロディーテーは美の女神としての誇りからこれを嫉妬し憎み、この娘が子孫を残さぬよう鉛の矢で撃つようにエロースに命じた。 だがエロースはプシューケーの寝顔の美しさに惑って撃ち損ない、ついには誤って金の矢で自身の足を傷つけてしまう。その時眼前に居たプシューケーに恋をしてしまうが、エロースは恥じて身を隠し、だが恋心は抑えられず、魔神に化けてプシューケーの両親の前に現れ、彼女を[[生贄]]として捧げるよう命じた。 晴れてプシューケーと同居したエロースだが、神であることを知られては禁忌に触れるため、'''暗闇でしか'''プシューケーに会おうとしなかった。姉たちに唆されたプシューケーが灯りをエロースに当てると、エロースは逃げ去ってしまった。 エロースの端正な顔と美しい姿を見てプシューケーも恋に陥り、人間でありながら姑アプロディーテーの出す難題を解くため[[冥界]]に行ったりなどして、ついにエロースと再会する。この話は、アプレイウスが『黄金の驢馬』のなかに記した挿入譚で、「愛と心」の関係を象徴的に神話にしたものである。プシューケーとはギリシア語で、「心・魂」の意味である。 プシューケーとの間にはウォルプタース(ラテン語で「喜び」、「悦楽」の意。古典ギリシア語ではヘードネー)と言う名の女神が生まれた。 == 参考書籍 ==* wikipedia:エロース(最終閲覧日:22(最終閲覧日:22-12-13)
** ヘシオドス『神統記』廣川洋一訳、岩波文庫(1984年)
** アプレイウス『愛と心の物語』呉茂一・国原吉之助訳注、岩波書店(2013年、『黄金の驢馬』の作中話として挿入されている)。
** 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)
** 松村一男監修『知っておきたい 世界と日本の神々』、西東社(2007年)
* Wikipedia:[https://en.wikipedia.org/wiki/Eros Eros](最終閲覧日:22-12-20)
** Aristophanes, ''Birds''. ''The Complete Greek Drama.'' ''vol. 2''. Eugene O'Neill, Jr. New York. Random House. 1938. [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.01.0026 Online version at the Perseus Digital Library.]
** Aristophanes, ''Aristophanes Comoediae'' edited by F.W. Hall and W.M. Geldart, vol. 2. F.W. Hall and W.M. Geldart. Oxford. Clarendon Press, Oxford. 1907. [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.01.0025 Greek text available at the Perseus Digital Library].
** Caldwell, Richard, ''Hesiod's Theogony'', Focus Publishing/R. Pullins Company (June 1, 1987). ISBN, 978-0-941051-00-2.
** "Eros." ''Cassells's Encyclopedia of Queer Myth, Symbol and Spirit Gay, Lesbian, Bisexual and Transgender Lore'', 1997.
** Gantz, Timothy, ''Early Greek Myth: A Guide to Literary and Artistic Sources'', Johns Hopkins University Press, 1996, Two volumes: ISBN, 978-0-8018-5360-9(Vol. 1), ISBN|978-0-8018-5362-3 (Vol. 2).
** Hard, Robin, ''The Routledge Handbook of Greek Mythology: Based on H.J. Rose's "Handbook of Greek Mythology"'', Psychology Press, 2004, ISBN, 9780415186360. [https://books.google.com/books?id=r1Y3xZWVlnIC&printsec=frontcover Google Books].
** Hesiod, ''Theogony'', in ''The Homeric Hymns and Homerica with an English Translation by Hugh G. Evelyn-White'', Cambridge, Massachusetts, Harvard University Press; London, William Heinemann Ltd. 1914. [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus%3Atext%3A1999.01.0130%3Acard%3D1 Online version at the Perseus Digital Library].
** Smith, William; ''Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology'', London (1873). [https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus%3Atext%3A1999.04.0104%3Aalphabetic+letter%3DE%3Aentry+group%3D6%3Aentry%3Deros-bio-1 "Eros"]
** Nonnus, ''Dionysiaca''; translated by [[W. H. D. Rouse|Rouse, W H D]], I Books I-XV. Loeb Classical Library No. 344, Cambridge, Massachusetts, Harvard University Press; London, William Heinemann Ltd. 1940. [https://archive.org/stream/dionysiaca01nonnuoft#page/n7/mode/2up Internet Archive]
** Nonnus, ''Dionysiaca''; translated by Rouse, W H D, II Books XVI-XXXV. Loeb Classical Library No. 345, Cambridge, Massachusetts, Harvard University Press; London, William Heinemann Ltd. 1940. [https://archive.org/stream/dionysiaca01nonnuoft#page/n7/mode/2up Internet Archive]
** Nonnus, ''Dionysiaca''; translated by Rouse, W H D, III Books XXXVI-XLVIII. Loeb Classical Library No. 346, Cambridge, Massachusetts, Harvard University Press; London, William Heinemann Ltd. 1940. [https://archive.org/stream/dionysiaca03nonnuoft#page/n5/mode/2up Internet Archive].
** The Greek Anthology. with an English Translation by. W. R. Paton. London. William Heinemann Ltd. 1916. 1. [https://topostext.org/work/532 Full text available at topostext.org].
 
== 外部リンク ==
* [https://iconographic.warburg.sas.ac.uk/vpc/VPC_search/subcats.php?cat_1=5&cat_2=167 Warburg Institute Iconographic Database - Amor]
* [https://www.theoi.com/Protogenos/Eros.html EROS (PRIMORDIAL) from The Theoi Project]
* [https://www.theoi.com/Ouranios/Eros.html EROS (OLYMPIAN) from The Theoi Project]
== 関連項目 ==
* [[美女と野獣]]
* [[プシューケー]]
* [[アプロディーテー]]
* [[カーマ (ヒンドゥー教)]] - エロースと同じく、矢で射たものに恋情を引き起こす愛の神。
* [[オェングス]]:ケルト神話のエロース。
* [[イユンクス]]:エロースと関連すると思われる愛の神。
* パネース:オルペウス教の始原神。
== 私的注釈 ==
[[Category:雄鶏]]
[[Category:薔薇]]
[[Category:類兎]]

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