「馬頭娘」を編集中

ナビゲーションに移動 検索に移動

警告: ログインしていません。編集を行うと、あなたの IP アドレスが公開されます。ログインまたはアカウントを作成すれば、あなたの編集はその利用者名とともに表示されるほか、その他の利点もあります。

この編集を取り消せます。 下記の差分を確認して、本当に取り消していいか検証してください。よろしければ変更を保存して取り消しを完了してください。

最新版 編集中の文章
46行目: 46行目:
  
 
==== 私的解説 ====
 
==== 私的解説 ====
'''盲人竜蛇退治型'''は「[[盲人竜蛇退治譚]]」に蚕起源説話が加えられたものではないだろうか。群馬県の咲前神社境内社の絹笠神社には『白いヘビを拝んで借りて帰ると「蚕が当たる」』という信仰があり、地域によっては白い蛇が蚕神である、という伝承もあるようである。蚕神は蛇神である、という概念、馬頭娘的に女性が死んで蚕が発生した、という概念が加味されて、地域の地主神(蛇神)が亡くなって蚕となった(蚕が発生した)、という話になったのではないだろうか。この場合、盲人に須佐之男・月夜見、蛇女神に[[大宜都比売]]、[[保食神]]の姿が投影されているといえよう。蚕起源説話は'''殺す者も、殺される者も死に至る'''ことが特徴といえる。そして夫婦のようにも見なされ、「蚕神」として祀られているようである。殺す側の者も身分の低い神であることが示唆される。婚姻に関して、男女の神とも死に至る(罰を受ける)という筋書きは七夕説話にも通じるものがあると感じる。「盲人竜蛇退治型」と「記紀神話型」は、物語の中に明らかな結婚(男女の関係)は出てこないが、男女が一晩歌を交わしたり、男性が女性の家で食事を出される、という点は、古代では「男女の仲(関係)」と見なされる行為であり、事実上は婚姻譚といえると考える。「馬娘婚姻型」と「盲人竜蛇退治型」では、上位の女神の存在は明確でないが、記紀神話では「殺す者」に罰を与える天照大神が登場する<ref group="私注">馬神に上位の女神が罰を与える点は、[[アタランテー]]の物語と共通している。</ref>。「盲人竜蛇退治型」では蛇神が盲人を殺すので、蛇神の中には「上位の女神」の性質も含まれており、蛇神は天照大神と馬頭娘の中間的な存在であることが分かる。(ただし、村人には殺されてしまう存在でもあるため、社会の中での蛇神の地位は「上位」と「下位」の矛盾した要素が含まれているように思う。記紀神話では須佐之男と月夜見は罰を受けるのみなので、'''民間に流布している説話よりも記紀神話の方が父系の性質が強い物語のように思う'''。興味深いことである。ハイヌウェレ神話と比較すれば、「馬娘婚姻型」と「盲人竜蛇退治型」は「'''ラビエの物語'''」との類似姓が高いように見える。ラビエはサテネよりも地位の低い女神だが、ヴェマーレ族の一員なので、ハイヌウェレよりは身分が高い女神といえる。
+
'''盲人竜蛇退治型'''は「盲人竜蛇退治譚」に蚕起源説話が加えられたものではないだろうか。群馬県の咲前神社境内社の絹笠神社には『白いヘビを拝んで借りて帰ると「蚕が当たる」』という信仰があり、地域によっては白い蛇が蚕神である、という伝承もあるようである。蚕神は蛇神である、という概念、馬頭娘的に女性が死んで蚕が発生した、という概念が加味されて、地域の地主神(蛇神)が亡くなって蚕となった(蚕が発生した)、という話になったのではないだろうか。この場合、盲人に須佐之男・月夜見、蛇女神に[[大宜都比売]]、[[保食神]]の姿が投影されているといえよう。蚕起源説話は'''殺す者も、殺される者も死に至る'''ことが特徴といえる。そして夫婦のようにも見なされ、「蚕神」として祀られているようである。殺す側の者も身分の低い神であることが示唆される。婚姻に関して、男女の神とも死に至る(罰を受ける)という筋書きは七夕説話にも通じるものがあると感じる。「盲人竜蛇退治型」と「記紀神話型」は、物語の中に明らかな結婚(男女の関係)は出てこないが、男女が一晩歌を交わしたり、男性が女性の家で食事を出される、という点は、古代では「男女の仲(関係)」と見なされる行為であり、事実上は婚姻譚といえると考える。「馬娘婚姻型」と「盲人竜蛇退治型」では、上位の女神の存在は明確でないが、記紀神話では「殺す者」に罰を与える天照大神が登場する。「盲人竜蛇退治型」では蛇神が盲人を殺すので、蛇神の中には「上位の女神」の性質も含まれており、蛇神は天照大神と馬頭娘の中間的な存在であることが分かる。(ただし、村人には殺されてしまう存在でもあるため、社会の中での蛇神の地位は「上位」と「下位」の矛盾した要素が含まれているように思う。記紀神話では須佐之男と月夜見は罰を受けるのみなので、'''民間に流布している説話よりも記紀神話の方が父系の性質が強い物語のように思う'''。興味深いことである。ハイヌウェレ神話と比較すれば、「馬娘婚姻型」と「盲人竜蛇退治型」は「'''ラビエの物語'''」との類似姓が高いように見える。ラビエはサテネよりも地位の低い女神だが、ヴェマーレ族の一員なので、ハイヌウェレよりは身分が高い女神といえる。
 
{| class="wikitable"
 
{| class="wikitable"
 
|+ 蚕起源説話(付ハイヌウェレ神話との比較)
 
|+ 蚕起源説話(付ハイヌウェレ神話との比較)
80行目: 80行目:
 
 
 
|}
 
|}
 
馬神を舅(妻の父親)が殺すことが多い点は、'''本来は「息子が父親を殺す」話'''であったものが、啓思想6-2型の変換によって「妻の父親が婿を殺す」話に変えられてしまったものだ、と管理人は個人的に思う。それはおそらく[[羿]]と[[嫦娥]]の悲劇に相関するものであるだろう。[[羿]]と[[嫦娥]]の悲劇は、[[黄帝]]と[[嫘祖]]の事績を当事者の名前を変えて別の神話に分離させたもの、と管理人は考えている。
 
  
 
=== 図像 ===
 
=== 図像 ===
93行目: 91行目:
 
=== 望月の駒 ===
 
=== 望月の駒 ===
 
長野県佐久地方の民話。馬が姫を好きになったため、馬に難題を吹きかけて成功すれば、姫を嫁にやる、と約束する。難題が成功しないように細工がなされ、馬は死に、姫は出家してしまう。蚕の起源譚は伴わない。
 
長野県佐久地方の民話。馬が姫を好きになったため、馬に難題を吹きかけて成功すれば、姫を嫁にやる、と約束する。難題が成功しないように細工がなされ、馬は死に、姫は出家してしまう。蚕の起源譚は伴わない。
 
中国と日本の馬娘婚姻譚では、馬は娘の父親に殺されることが多い。
 
 
=== アタランテー ===
 
女狩人であったアタランテーは、とても美しかったが、結婚には消極的だった。神託で、結婚すると不運が訪れると告げられていたからである。狩りに参加したアタランテーが毛皮を手に入れた後、彼女を結婚させようとした父は、娘に約束をさせた。求婚者は彼女と徒競走をして、求婚者が負ければ殺されるが、もし求婚者が勝てば、彼女はその者と結婚する、という約束であった。脚に自信のあったアタランテーは、喜んでその約束に応じた。
 
 
彼女は多くの競争相手を振り切って走った。[[ヒッポメネース]]、あるいはメラニオーンは、まともに争ってはアタランテーに勝てないことが分かっていたので、女神[[アプロディーテー]]に祈りを捧げて助けを乞うた。アプロディーテーは彼に3つの黄金の林檎を与え<ref group="注">リンゴではなくマルメロだとされる場合もある。</ref>、それを1つずつ落としてアタランテーの気を逸らすよう教えた。ヒッポメネースがその通りにすると、アタランテーはそれぞれの黄金の林檎を拾うために、走るのをやめて立ち止まった。こうして、ヒッポメネースはアタランテーに勝利し、彼女を得たのである。しかし、ヒッポメネースは女神に感謝することを忘れたので、ライオンに変えられてしまったという<ref group="注">別の説では、後にアタランテ―とともに狩をしていた途中に、ゼウスの神域で交わったため、ゼウスの怒りを買ってライオンに変えられたともされる(高津)、p.19。</ref>。(「[[黄金の林檎#アタランテー]]」より転記)
 
  
 
== 馬娘婚姻譚の文献 ==
 
== 馬娘婚姻譚の文献 ==
110行目: 101行目:
 
== 参考文献 ==
 
== 参考文献 ==
 
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9A%95%E9%A6%AC 蚕馬](最終閲覧日:22-08-07)
 
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9A%95%E9%A6%AC 蚕馬](最終閲覧日:22-08-07)
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%97%E3%82%89%E6%A7%98 おしら様](最終閲覧日:22-08-11)
+
* 袁珂 著/鈴木博 訳『中国神話・伝説大事典』(大修館書店、199年) ISBN 978-4-469-01261-3 「蚕女」「蚕女廟」「蚕馬」「馬頭娘」の各項目
** 袁珂 著/鈴木博 訳『中国神話・伝説大事典』(大修館書店、199年) ISBN 978-4-469-01261-3 「蚕女」「蚕女廟」「蚕馬」「馬頭娘」の各項目
+
* 柳田國男 『遠野物語』 聚綪堂、1910年。  
** 柳田國男 『遠野物語』 聚綪堂、1910年。  
+
* 柳田國男 「遠野物語拾遺」『遠野物語』 郷土研究社、1935年。  
** 柳田國男 「遠野物語拾遺」『遠野物語』 郷土研究社、1935年。  
+
* 長谷川浩「オシラサマ」『歴史と旅増刊 もっと知りたい神と仏の信仰事典』秋田書店、1999年1月。
** 長谷川浩「オシラサマ」『歴史と旅増刊 もっと知りたい神と仏の信仰事典』秋田書店、1999年1月。
 
 
* [https://genbu.net/data/kouzuke/sakisaki_title.htm 咲前神社], 玄松子(最終閲覧日:22-08-07)
 
* [https://genbu.net/data/kouzuke/sakisaki_title.htm 咲前神社], 玄松子(最終閲覧日:22-08-07)
 
== 関連項目 ==
 
* [[ハイヌウェレ型神話]]
 
* [[嫘祖]]:[[黄帝]]の正妃。養蚕を始めた、とされる。
 
* [[盲人竜蛇退治譚]]
 
* [[鯀]]
 
 
=== 馬娘婚姻譚の起源について ===
 
* [[牛郎織女]]:[[啓思想]]に基づく「私的考察」あり。
 
  
 
== 注釈 ==
 
== 注釈 ==
134行目: 115行目:
 
[[Category:中国神話]]
 
[[Category:中国神話]]
 
[[Category:日本神話]]
 
[[Category:日本神話]]
[[Category:ギリシア神話]]
 
 
[[Category:農耕神]]
 
[[Category:農耕神]]
 
[[Category:馬]]
 
[[Category:馬]]
140行目: 120行目:
 
[[Category:桑]]
 
[[Category:桑]]
 
[[Category:ハイヌウェレ]]
 
[[Category:ハイヌウェレ]]
[[Category:バラされる神]]
 
[[Category:生贄]]
 

Bellis Wiki3への投稿はすべて、他の投稿者によって編集、変更、除去される場合があります。 自分が書いたものが他の人に容赦なく編集されるのを望まない場合は、ここに投稿しないでください。
また、投稿するのは、自分で書いたものか、パブリック ドメインまたはそれに類するフリーな資料からの複製であることを約束してください(詳細はBellis Wiki3:著作権を参照)。 著作権保護されている作品は、許諾なしに投稿しないでください!

取り消し 編集の仕方 (新しいウィンドウで開きます)