「馬頭娘」を編集中
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=== 由来譚 === | === 由来譚 === | ||
− | ==== | + | ==== 馬娘婚姻譚 ==== |
東北地方には、おしら様の成立にまつわる悲恋譚が伝わっている。それによれば昔、ある農家に娘がおり、家の飼い馬と仲が良く、ついには夫婦になってしまった。娘の父親は怒り、馬を殺して木に吊り下げた。娘は馬の死を知り、すがりついて泣いた。すると父はさらに怒り、馬の首をはねた。すかさず娘が馬の首に飛び乗ると、そのまま空へ昇り、おしら様となったのだという<ref name="tono_shuui" /><ref name="tono54">遠野物語, pages54-59</ref>。 | 東北地方には、おしら様の成立にまつわる悲恋譚が伝わっている。それによれば昔、ある農家に娘がおり、家の飼い馬と仲が良く、ついには夫婦になってしまった。娘の父親は怒り、馬を殺して木に吊り下げた。娘は馬の死を知り、すがりついて泣いた。すると父はさらに怒り、馬の首をはねた。すかさず娘が馬の首に飛び乗ると、そのまま空へ昇り、おしら様となったのだという<ref name="tono_shuui" /><ref name="tono54">遠野物語, pages54-59</ref>。 | ||
『聴耳草紙』にはこの後日譚があり、天に飛んだ娘は両親の夢枕に立ち、臼の中の蚕虫を桑の葉で飼うことを教え、絹糸を産ませ、それが養蚕の由来になったとある。以上の説話から、馬と娘は馬頭・姫頭2体の養蚕の神となったとも考えられている<ref name="sinwadensetu" />。 | 『聴耳草紙』にはこの後日譚があり、天に飛んだ娘は両親の夢枕に立ち、臼の中の蚕虫を桑の葉で飼うことを教え、絹糸を産ませ、それが養蚕の由来になったとある。以上の説話から、馬と娘は馬頭・姫頭2体の養蚕の神となったとも考えられている<ref name="sinwadensetu" />。 | ||
− | ==== | + | ==== <span id="たこ"></span>津軽の口承 ==== |
かつて盲人が峠の空家に泊り、寂しさを紛らわすために歌を歌っていると、歌を所望する女の声が聞こえたので、何曲か歌ってやった。夜明けの頃、女の声は自分を「たこ」と名乗り、自分のことを話せば命はないと戒めた。 | かつて盲人が峠の空家に泊り、寂しさを紛らわすために歌を歌っていると、歌を所望する女の声が聞こえたので、何曲か歌ってやった。夜明けの頃、女の声は自分を「たこ」と名乗り、自分のことを話せば命はないと戒めた。 | ||
里に降りた盲人が、つい村人に昨晩のことを話すと、そのまま死んでしまった。そこに「たこ」が現れ、村人たちに対しても、自分のことを他言した者は死ぬ上に村は沼に沈むと言った。そこで村人たちが峠の周囲を鉄柵で覆うと「たこ」は峠に帰れなくなり、そのまま死んでしまい、その正体はヘビであった。村人たちは「たこ」と盲人を神として祀り、これが後のおしら様だという<ref>内田邦彦, 池田彌三郎他, 日本民俗誌大系, 1974, 角川書店, 第9巻, isbn:978-4-04-530309-8, pages.428-429, 津軽口碑集</ref>。 | 里に降りた盲人が、つい村人に昨晩のことを話すと、そのまま死んでしまった。そこに「たこ」が現れ、村人たちに対しても、自分のことを他言した者は死ぬ上に村は沼に沈むと言った。そこで村人たちが峠の周囲を鉄柵で覆うと「たこ」は峠に帰れなくなり、そのまま死んでしまい、その正体はヘビであった。村人たちは「たこ」と盲人を神として祀り、これが後のおしら様だという<ref>内田邦彦, 池田彌三郎他, 日本民俗誌大系, 1974, 角川書店, 第9巻, isbn:978-4-04-530309-8, pages.428-429, 津軽口碑集</ref>。 | ||
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=== 図像 === | === 図像 === | ||
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== その他馬娘婚姻譚 == | == その他馬娘婚姻譚 == | ||
=== 望月の駒 === | === 望月の駒 === | ||
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== リンク == | == リンク == | ||
− | * [https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/170235 おしらあそび] - | + | * [https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/170235 おしらあそび] - [[文化庁]]文化遺産オンライン |
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== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
− | * Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9A%95%E9%A6%AC 蚕馬] | + | * Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9A%95%E9%A6%AC 蚕馬](最終閲覧日:) |
− | + | * 袁珂 著/鈴木博 訳『中国神話・伝説大事典』(大修館書店、199年) ISBN 978-4-469-01261-3 「蚕女」「蚕女廟」「蚕馬」「馬頭娘」の各項目 | |
− | + | * 柳田國男 『遠野物語』 聚綪堂、1910年。 | |
− | + | * 柳田國男 「遠野物語拾遺」『遠野物語』 郷土研究社、1935年。 | |
− | + | * 長谷川浩「オシラサマ」『歴史と旅増刊 もっと知りたい神と仏の信仰事典』秋田書店、1999年1月。 | |
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== 注釈 == | == 注釈 == | ||
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