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* 中世ヨーロッパにおいては、狼はしばしば'''死や恐怖の対象'''として描写される。北欧神話では巨大な狼である[[フェンリル]]が神々の敵として描かれている。童話の『[[赤頭巾]]』では、狼は赤頭巾を食べようとする悪役として描かれている。18世紀中旬には、「[[ジェヴォーダンの獣]]」と呼ばれる巨大な狼(大[[山猫]]とも)が出現したとされ、フランス中部地方を震撼させた。しかし、オオカミは一匹だけで大きな獲物を狩る習性はなく、臆病な動物であるため、科学的に見てこの事件にオオカミは関わっていないとされている。
* キリスト教でも、狼は邪悪な害獣として扱われることが多く、[[七つの大罪]]では、[[ユニコーン]]や[[ドラゴン]]と同じく『憤怒』を象徴する動物として扱われることがある。
* 人間が狼に変身する[[狼男|人狼]]についての記述が古代よりしばしば見られる。ヨーロッパで狼を忌み嫌うのは中世[[キリスト教]]が、土着の信仰を駆逐するため人狼伝説を利用してきた影響も大きい。中世のヨーロッパでは、人狼の存在が信じられており、昼間は人間の姿をしている人狼が、夜間には狼の姿で他の人間を襲い、[[についての記述が古代よりしばしば見られる。ヨーロッパで狼を忌み嫌うのは中世キリスト教が、土着の信仰を駆逐するため人狼伝説を利用してきた影響も大きい。中世のヨーロッパでは、人狼の存在が信じられており、昼間は人間の姿をしている人狼が、夜間には狼の姿で他の人間を襲い、''']]の武器([[銀の弾丸]]など)でなければ倒すことが出来ないなどとされた。古代ローマの[[博物学者]]である[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|プリニウス]]は著書『[[博物誌]]』において、人狼が現われたという噂を紹介したうえで、このような変身の存在はでたらめであると否定している。イギリス本土の諸島では早い段階で狼が駆逐されたために、人狼の伝説は外国起源のものであり、魔法使いや巫女はたいてい猫や兎に化けることになってしまった、という説を[[セイバイン・ベアリング=グールド]]が唱えている'''の武器(銀の弾丸など)でなければ倒すことが出来ないなどとされた。古代ローマの博物学者であるプリニウスは著書『博物誌』において、人狼が現われたという噂を紹介したうえで、このような変身の存在はでたらめであると否定している。イギリス本土の諸島では早い段階で狼が駆逐されたために、人狼の伝説は外国起源のものであり、魔法使いや巫女はたいてい猫や兎に化けることになってしまった、という説をセイバイン・ベアリング=グールドが唱えている<ref>{{Cite book|和書 |author=ベヤリング・グウルド|translator=[[, 今泉忠義]]|year=, 1955|title=, 民俗学の話|publisher=, 角川書店 |series=, 角川文庫|page=43}}, page43</ref>。
* [[インド]]にはオオカミが子供を育てたという噂が多数あり([[野生児|狼っ子]])、特に[[アマラとカマラ]]という少女の事例が知られる。
* [[長野県]][[佐久市]]猿久保では、オオカミがお産する穴を発見したら、[[赤飯]]を[[重箱]]に詰め村人が巣穴の前に供えた。オオカミはお産を無事に終えると空になった重箱を村人の家まで返却したという[[民話]]がある<ref>佐久市志編纂委員会編纂『佐久市志 民俗編 下』(佐久市志刊行会、1990年)1119ページ</ref>。
* 科学的観察に基づく話としてアイヌではエゾオオカミを「狩りをする神(オンルプシカムイ)」「ウォーと吠える神(ウォセカムイ)」など地域によって様々な呼び名があるが、雅語としての「大きな口の神(ホロケウカムイ)」は北海道全域で通じた。伝承では英雄を助ける、主人公を騙して夫にしようとする、いたずら好きなど様々な性格で語られるが、カムイのオオカミは白い毛を持つとされる<ref>[[シートン動物記]]の[[狼王ロボ]http://www.ainu-museum.or.jp/siror/book/detail.php?page=book&book_id=A0269 オオカミ、エゾオオカミ、狼]が有名である。- アイヌと自然デジタル図鑑</ref>。
* [[カムチャッカ半島]]では、双子の父親はオオカミであるとされた<ref>[[Uno Harva]]: Die religiösen Vorstellungen der altaischen Völker. FF Communications N:o 125. Suomalainen Tiedeakatemia, Helsinki 1938, S. 473</ref>。
眷属としてのオオカミのご利益は山間部においては五穀豊穣や獣害よけ、都市部においては火難・盗賊よけなどで、19世紀以降には憑き物落としの霊験も出現する。眷属信仰は江戸時代中期に成立し、幕末には1858年(安政5年)にコレラが大流行し、コレラは外国人により持ち込まれた悪病であると考えられ、憑き物落としの霊験を求め眷属信仰は興隆した。そのため憑き物落としの呪具として用いられる狼遺骸の需要が高まり、また同時期に流行した狂犬病やジステンパーの拡大によって狼の獣害も発生し、'''明治以降、家畜を襲う害獣として懸賞金まで懸けられた徹底的な駆除などの複合的な原因によって絶滅したと思われている。'''
一方、北海道および樺太・千島に生息した大型の亜種は、エゾオオカミ(Canis lupus hattai)と呼ばれている。大きさはシェパードほどで、褐色の毛色だったとされている。アイヌではエゾオオカミを「狩りをする神(オンルプシカムイ)」「ウォーと吠える神(ウォセカムイ)」など地域によって様々な呼び名があるが、雅語としての「大きな口の神(ホロケウカムイ)」は北海道全域で通じた。伝承では英雄を助ける、主人公を騙して夫にしようとする、いたずら好きなど様々な性格で語られるが、カムイのオオカミは白い毛を持つとされる<ref>[http://www.ainu-museum.or.jp/siror/book/detail.php?page=book&book_id=A0269 オオカミ、エゾオオカミ、狼] - アイヌと自然デジタル図鑑</ref>。明治以降、入植者により毛皮や肉目的の狩猟で獲物のエゾシカが一時激減し、入植者が連れてきた牛馬などの家畜を襲って害獣とされ、懸賞金まで懸けられた徹底的な駆除により数が激減し、ジステンパーなどの飼い犬の病気の影響や1879年(明治12年)の大雪によるエゾシカ大量死が重なった結果、と呼ばれている。大きさはシェパードほどで、褐色の毛色だったとされている。明治以降、入植者により毛皮や肉目的の狩猟で獲物のエゾシカが一時激減し、入植者が連れてきた牛馬などの家畜を襲って害獣とされ、懸賞金まで懸けられた徹底的な駆除により数が激減し、ジステンパーなどの飼い犬の病気の影響や1879年(明治12年)の大雪によるエゾシカ大量死が重なった結果、'''1900年(明治33年)頃に絶滅したと見られる。'''
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