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日本でも教養ある平安貴族の中には、死霊の意味で「鬼」という言葉を用いている事例があり、藤原実資は関白藤原頼通が伯父藤原道隆の「鬼霊」<ref group="*">道隆は当時の頼通の居所である東三条殿の以前の所有者で同邸内にて病死していた。</ref> によって病に倒れた(『小右記』長元2年9月13日・18日条)と記し<ref>小山聡子, 2020, pp152-153</ref>、藤原頼長も鳥羽法皇の病が祖父白河法皇の「鬼」に憑かれたものである(『台記』久安元年12月4日・11日条)と記している<ref>小山聡子, 2020, pp154-155</ref>。また、この時代に描かれたと推測されている『吉備大臣入唐絵巻』にも、奈良時代に唐で客死した阿倍仲麻呂が家族のことを心配して遣唐使時代の同僚であった吉備真備の元へ鬼の姿で現れるが、赤い褌をした裸の姿で、頭には一本角と逆立つ髪の毛、真っ赤な肌、大きな口に鋭い歯、手足の指は3本ずつ、という姿になっていた。これを見た真備は人に会う格好ではないと追い払ったところ、後日になって今度は衣冠を整えた仲麻呂が再び真備を訪れたが赤い肌と3本指は隠せなかった様子が記されている<ref>小山聡子, 2020, p158</ref>。
また、中国では鬼とは亡者(幽霊)に限らず、この世のものでないもの、化け物全般を指す言葉でもあり、[[貝塚茂樹]]によれば、鬼という字は「由」と「人」から成り立っており、人が由、すなわち大きな面をかぶっている形を表したもので、古代国家の祭祀の主宰者であった[[巫]]が[[降霊術]]を行うとき、異形の面をかぶった姿を象形化したものであろうとされているまた、中国では鬼とは亡者(幽霊)に限らず、この世のものでないもの、化け物全般を指す言葉でもあり、貝塚茂樹によれば、鬼という字は「由」と「人」から成り立っており、人が由、すなわち大きな面をかぶっている形を表したもので、古代国家の祭祀の主宰者であった巫が'''降霊術を行う'''とき、異形の面をかぶった姿を象形化したものであろうとされている<ref>[https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8407735_po_17713.pdf?contentNo=13&alternativeNo= 中国のほんの話(37)中国の怪奇小説] 蔭山達弥、Gaidai bibliotheca : 図書館報. (177) (京都外国語大学, 2007-07-09)</ref>。
== 概要(日本の鬼) ==
現在、一般的に描かれる鬼は、頭に2本、もしくは1本の[[角]]が生え、頭髪は細かくちぢれ、口に[[牙]]が生え、指に鋭い[[爪]]があり、現在、一般的に描かれる鬼は、頭に2本、もしくは1本の角が生え、頭髪は細かくちぢれ、口に牙が生え、指に鋭い爪があり、[[トラ|虎]]の皮の褌({{small|[[ふんどし]]}})や腰布をつけていて、表面に突起のある[[金棒]]を持った大男の姿である。村に隠れながらいたずらをする。の皮の褌(ふんどし)や腰布をつけていて、表面に突起のある金棒を持った大男の姿である。村に隠れながらいたずらをする。 
肌の色は[[青]]・[[赤]]・[[黄]]・[[緑]]・[[黒]]の5色で、「'''青鬼'''(あおおに)」「'''赤鬼'''(あかおに)」「'''緑鬼'''(みどりおに)」「'''黄鬼'''(きおに)」「'''黒鬼'''(くろおに)」などと呼ばれる。この5色は[[五行説]]と[[五蓋説]]が組み合わさったものと言われ、木+[[瞋恚|瞋恚蓋]]=「青(鬼)」、火+[[貪欲|貪欲蓋]]=「赤(鬼)」、土+[[掉挙|掉挙蓋]]=「黄(鬼)」、金+[[惛沈|睡眠蓋]]=「緑(鬼)」、水+[[疑|疑蓋]]=「黒(鬼)」になったとされる(本来五行説の金に対応する色は[[白]]であるが、五蓋説と結びついた際に緑に変じたという)<ref>門賀未央子「<small>青・赤・黄・白(緑)・黒</small> 鬼が五色のわけ」八木透 監修『日本の鬼図鑑』青幻舎、2021年 ISBN 978-4-86152-866-8 P160.</ref>。

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