差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
41 バイト追加 、 2022年2月20日 (日) 08:16
編集の要約なし
神話・伝説上の神鳥・霊鳥が盗む物は、「人の運命が書かれた書物」と「不死になる薬」である。神話・伝説上の神鳥・霊鳥が盗む物は、「人の運命が書かれた書物(ズー型)」と「不死になる薬(ガルダ型)」である。
== 盗む鳥 ==
「運命の石版」はシュメール時代にはエンキの持ち物とされていたが、その頃(前3500年頃 - 前3100年頃)から鳥イミュグド(アンズー)に盗まれる、という神話があったようである。
=== ガルダ ==='''ガルダ'''('''गरुड''', '''Garuḍa''')は、インド神話に登場する炎の様に光り輝き熱を発する神鳥。ガルダはサンスクリットやヒンディー語による名称で、パーリ語では'''ガルラ'''('''Garuḷa''')、英語やインドネシア語などでは'''ガルーダ'''という。カシュヤパとヴィナターの息子で、ヴィシュヌのヴァーハナ(神の乗り物)である。 その一族はインド神話において人々に恐れられる蛇・竜のたぐい(ナーガ族)と敵対関係にあり、それらを退治する聖鳥として崇拝されている。これは、インドにおいて猛禽類や孔雀は蛇を食べると解釈されていたことによる。単に鷲の姿で描かれたり、人間に翼が生えた姿で描かれたりもするが、基本的には人間の胴体と鷲の頭部・嘴・翼・爪を持つ、翼は赤く全身は黄金色に輝く巨大な鳥として描かれる。 ==== ガルダとアムリタ(amṛta) ===='''アムリタ'''(amṛta), 甘露は、インド神話に登場する神秘的な飲料の名で、飲む者に不死を与えるとされる。乳海攪拌によって醸造され、神々によって厳重に保管された。 ガルダはナーガたちの奴隷だった母親を助け出すために、天界にある乳海攪拌から生まれた不死の聖水アムリタを神々から力ずくで奪ってくるとナーガたちに約束した。  ガルダは天上に乗り込むと、守備を固めて待ち受けていた神々を次々に払いのけ、アムリタを奪い飛び去った。 ヴィシュヌはガルダの勇気と力に感動したため、アムリタを用いなくてもガルダを不死とする、と告げた。ガルダはそれを受けてヴィシュヌのヴァーハナとなることを誓った。インドラはガルダと戦って敵わなかったので、ガルダに永遠の友情の誓いを申し込んだ。ガルダはナーガたちを食料とするという約束を神々と交わした。 約束を守るために、一旦ガルダはアムリタをナーガたちの元へ持ち帰った。しかし、ナーガたちが飲む前に、インドラがアムリタを取り返してしまった(『マハーバーラタ』第1巻14~30章<ref>「マハーバーラタ」の成立年代は一般に、紀元前4世紀頃から紀元後4世紀頃とされている。</ref>)。 ==== アルナ(Aruna)・半分男と両性具有 ====ガルダには双子の兄がおり、それが'''アルナ'''(Aruna、暁光)である。彼らの母親ヴィナター(Vinata)は2個の卵を生んだ。卵がなかなか孵らなかったので、ヴィナターは恥ずかしさのあまり卵の1つを割った。すると、上半身しかない子供が出てきた。卵を早く割ったために下半身がまだ作られていなかったのである。この息子は暁の神アルナであるが、母親に対して怒り、500年の間、競った相手の奴隷になるという呪いをかけた。 アルナ(Sanskrit: अरुण; IAST: Aruṇa)は、ヒンドゥー教におけるスーリヤ(太陽神)の戦車の御者である<ref>Roshen Dalal, Hinduism: An Alphabetical Guide, url=https://books.google.com/books?id=DH0vmD8ghdMC, 2010, Penguin Books, isbn=978-0-14-341421-6, pages=39–40</ref>。朝日の赤々とした輝きを擬人化した存在である<ref>अरुण aruṇa: reddish-brown, tawny, red, ruddy (the colour of the morning as opposed to the darkness of night). Sanskrit-English Dictionary by Monier-Williams, Monier Williams (1899)</ref>。 また、『ラーマーヤナ』に関連するインドの民話によく登場する伝説として、アルナがアルニ(Aruni)という女性になって、天女たちの集まりに入り、そこでは天の王インドラ以外の男は許されなかったというものがある。インドラはアルニと恋に落ち、彼女との間にヴァリという男の子をもうけた。翌日、スーリヤの求めに応じてアルニは再び女性の姿になり、スーリヤは息子スグリーバをもうけた。二人の子供はアハリヤに与えられて育てられたが、夫の聖者ゴータマは二人を嫌って猿に変えて呪ってしまった<ref>Freeman, 2001, pp=201–4</ref>。 === 関連するもの ズーに関連するもの ===
====トートとナブー:書記の神・月と関連する神 ====
トート(ギリシャ語:Θωθ)は、古代エジプトの知恵を司る神。エジプト初期王朝時代(第1 - 2王朝)以前から(紀元前3100年よりも前)から信仰されていた。古代エジプトでの発音は、完全には解明されていないがジェフティ(エジプト語:ḏḥwty)と呼ばれる。聖獣は、'''トキ'''とヒヒである。主にヘルモポリスで信仰された。
モイラは「誕生」「人生」「死」の流れを定め、その秩序を維持する神のように思える。それに反して、死者をよみがえらせる等、いわば「秩序の流れを逆向きにさせる」ことで人の運命に関わる神がヘルメースといえる。
 
=== ガルダ ===
'''ガルダ'''('''गरुड''', '''Garuḍa''')は、インド神話に登場する炎の様に光り輝き熱を発する神鳥。ガルダはサンスクリットやヒンディー語による名称で、パーリ語では'''ガルラ'''('''Garuḷa''')、英語やインドネシア語などでは'''ガルーダ'''という。カシュヤパとヴィナターの息子で、ヴィシュヌのヴァーハナ(神の乗り物)である。
 
その一族はインド神話において人々に恐れられる蛇・竜のたぐい(ナーガ族)と敵対関係にあり、それらを退治する聖鳥として崇拝されている。これは、インドにおいて猛禽類や孔雀は蛇を食べると解釈されていたことによる。単に鷲の姿で描かれたり、人間に翼が生えた姿で描かれたりもするが、基本的には人間の胴体と鷲の頭部・嘴・翼・爪を持つ、翼は赤く全身は黄金色に輝く巨大な鳥として描かれる。
 
==== ガルダとアムリタ(amṛta) ====
'''アムリタ'''(amṛta), 甘露は、インド神話に登場する神秘的な飲料の名で、飲む者に不死を与えるとされる。乳海攪拌によって醸造され、神々によって厳重に保管された。
 
ガルダはナーガたちの奴隷だった母親を助け出すために、天界にある乳海攪拌から生まれた不死の聖水アムリタを神々から力ずくで奪ってくるとナーガたちに約束した。
 
ガルダは天上に乗り込むと、守備を固めて待ち受けていた神々を次々に払いのけ、アムリタを奪い飛び去った。
 
ヴィシュヌはガルダの勇気と力に感動したため、アムリタを用いなくてもガルダを不死とする、と告げた。ガルダはそれを受けてヴィシュヌのヴァーハナとなることを誓った。インドラはガルダと戦って敵わなかったので、ガルダに永遠の友情の誓いを申し込んだ。ガルダはナーガたちを食料とするという約束を神々と交わした。
 
約束を守るために、一旦ガルダはアムリタをナーガたちの元へ持ち帰った。しかし、ナーガたちが飲む前に、インドラがアムリタを取り返してしまった(『マハーバーラタ』第1巻14~30章<ref>「マハーバーラタ」の成立年代は一般に、紀元前4世紀頃から紀元後4世紀頃とされている。</ref>)。
 
==== アルナ(Aruna)・半分男と両性具有 ====
ガルダには双子の兄がおり、それが'''アルナ'''(Aruna、暁光)である。彼らの母親ヴィナター(Vinata)は2個の卵を生んだ。卵がなかなか孵らなかったので、ヴィナターは恥ずかしさのあまり卵の1つを割った。すると、上半身しかない子供が出てきた。卵を早く割ったために下半身がまだ作られていなかったのである。この息子は暁の神アルナであるが、母親に対して怒り、500年の間、競った相手の奴隷になるという呪いをかけた。
 
アルナ(Sanskrit: अरुण; IAST: Aruṇa)は、ヒンドゥー教におけるスーリヤ(太陽神)の戦車の御者である<ref>Roshen Dalal, Hinduism: An Alphabetical Guide, url=https://books.google.com/books?id=DH0vmD8ghdMC, 2010, Penguin Books, isbn=978-0-14-341421-6, pages=39–40</ref>。朝日の赤々とした輝きを擬人化した存在である<ref>अरुण aruṇa: reddish-brown, tawny, red, ruddy (the colour of the morning as opposed to the darkness of night). Sanskrit-English Dictionary by Monier-Williams, Monier Williams (1899)</ref>。
 
また、『ラーマーヤナ』に関連するインドの民話によく登場する伝説として、アルナがアルニ(Aruni)という女性になって、天女たちの集まりに入り、そこでは天の王インドラ以外の男は許されなかったというものがある。インドラはアルニと恋に落ち、彼女との間にヴァリという男の子をもうけた。翌日、スーリヤの求めに応じてアルニは再び女性の姿になり、スーリヤは息子スグリーバをもうけた。二人の子供はアハリヤに与えられて育てられたが、夫の聖者ゴータマは二人を嫌って猿に変えて呪ってしまった<ref>Freeman, 2001, pp=201–4</ref>。
== 参考文献 ==
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3_(%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%83%9D%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%82%A2%E7%A5%9E%E8%A9%B1) シン]
* Wikipedia:[https://en.wikipedia.org/wiki/Nabu Nabu]
=== 関連するもの ===
==== トートとナブー:書記の神・月と関連する神 ====
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%88 トート]
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%82%A8%E3%82%B8%E3%83%97%E3%83%88%E3%81%AE%E5%AE%97%E6%95%99 古代エジプトの宗教]
==== ヘルメースとヘルマ ====
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B9 ヘルメース]
==== モイラ・運命と秩序の女神 ====
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%A4%E3%83%A9_(%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%A2%E7%A5%9E%E8%A9%B1) モイラ]
=== ガルダ ===
==== アルナ(Aruna)・半分男と両性具有 ====
* Wikipedia:[https://en.wikipedia.org/wiki/Aruna_(Hinduism) Aruna (Hinduism)]
 
=== 関連するもの ===
==== トートとナブー:書記の神・月と関連する神 ====
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%88 トート]
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%82%A8%E3%82%B8%E3%83%97%E3%83%88%E3%81%AE%E5%AE%97%E6%95%99 古代エジプトの宗教]
==== ヘルメースとヘルマ ====
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B9 ヘルメース]
==== モイラ・運命と秩序の女神 ====
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%A4%E3%83%A9_(%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%A2%E7%A5%9E%E8%A9%B1) モイラ]
== 参照 ==

案内メニュー