* 柳は解熱鎮痛薬として古くから用いられてきた歴史がある。シュメール時代の粘土板には疼痛の薬として記述され、エジプト人はヤナギの葉から作られたポーションを痛み止めとして使用した<ref>http://www.nobelprizes.com/nobel/medicine/aspirin.html|title=An aspirin a day keeps the doctor at bay: The world's first blockbuster drug is a hundred years old this week, ノーベル財団, 2021-11-19</ref>。日本でも「柳で作った楊枝を使うと歯がうずかない」と言われ沈痛作用について伝承されていた。19世紀には生理活性物質のサリシンが柳から分離され、より薬効が高いサリチル酸を得る方法が発見されている。その後アスピリンも合成された。現在では、サリシンは体内でサリチル酸に代謝される<ref>Biosynthesis and metabolism of β-d-salicin: A novel molecule that exerts biological function in humans and plants, Biotechnology Reports, volume4, 2014, pmid:28626665, doi:10.1016/j.btre.2014.08.005|url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5466123/</ref>ことがわかっている。また、葉には多量のビタミンCが含まれている。
* 植栽木として、川や池の周りに植えられた実績があり、先人が考えた水害防止対策といえる。これは柳が湿潤を好み、強靭なしかもよく張った根を持つこと、また倒れて埋没しても再び発芽してくる逞しい生命力に注目したことによる。時代劇に出てくるお堀端の「しだれ柳」の楚々とした風情は、怪談ばなしに、つきものとなった。
* 古く奈良時代以前から奈伎良(ナギラ)とも呼ばれた。古く奈良時代以前から'''奈伎良'''(ナギラ)とも呼ばれた。
* 柳の枝を生糸で編んで作った箱を柳筥(やないばこ)と言い神道では'''重要な神具'''である。柳筥に神鏡を納めたり、また柳筥に短冊を乗せたりもするもので、奈良時代から皇室や神社で使用され続けている<ref>神社本庁『神社有職故実』1951年7月15日発行全129頁中24頁</ref>。
* 花札では1月の絵柄として、「柳に小野道風」、「'''柳に燕'''<ref>これは本来は「初夏」のイメージの図である。</ref>」、「柳に短冊」、カス(鬼札)が描かれる。
== 参考文献 ==
* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%8A%E3%82%AE ヤナギ](最終閲覧日:22-10-17)** 多田克己, 竹原春泉 絵本百物語 桃山人夜話, 1997, 国書刊行会, isbn:978-4-336-03948-4* Wikipedia:[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E5%A5%B3 柳女](最終閲覧日:22-10-17)
== 関連項目 ==
* [[木村有香相柳]]:中国神話の龍女神。頭が9つある。共工の部下的存在。* [[柳花夫人]]:高句麗の始祖・朱蒙の母女神。黄河の河伯の娘、とされている。** [[洛嬪]]:黄河の河伯の妻、羿の妻とされている女神。[[柳花夫人]]、[[相柳]]の起源ではなかろうか。
== 私的注釈 ==